なぜ、iPhone版の「Microsoft Office」は無償公開されたのか
「iPhone/iPadでOffice文書を」というニーズには根強いものがある。サードパーティー製のMS-Office互換Officeアプリは定番化し、AppleもiWorkのテコ入れを続けてきた。iCloudとの統合により文書のクラウド保存をデフォルトにしたほか、2013年9月のiOS 7リリース以降は事実上無償化(それ以前はNumbersなど各アプリが1,000円)したことは、その一例だ。WEBブラウザベースの「Googleドキュメント」を展開するGoogleの動きを見ても、2012年に「Quick Office」を買収するなど、このカテゴリを重視している様子がうかがえる。
デスクトップPCで一時代を築き、いまなおOffice文書におけるデファクトスタンダードと言っていいポジションにある「Microsoft Office」だが、ことiPhone/iPadに関しては対応が遅れていた感が否めない。
WindowsおよびWindows Phoneプラットフォームを擁する立場上、iOSプラットフォームに諸手を挙げて取り組めなかったであろうことは想像に難くないが、結果としてモバイルマーケットにおける(潜在的な)Officeアプリのシェアを奪われていたことは事実。
しかし、サティア・ナデラ氏のCEO就任も影響したか、2014年春を境にMicrosoftは攻勢に転じる。3月27日、iPad向けのOfficeスイート「Office for iPad」を無償公開したのだ。反響は大きく、その後わずか1週間でダウンロード数は1200万件にも達した。それ以前から「Office Mobile」を提供してきたが、Power Point文書を新規作成できないなど機能が限定されており、機能的には一線を画している。
そして11月、ユニバーサルアプリとなりiPhone/iPad両対応を実現した「Office」(アプリはExcelとWord、PowerPointでそれぞれ独立)が無償公開された。以前は「Office 365」のサブスクリプション契約者以外、閲覧とかんたんなデータ入力程度の編集機能しか利用できなかったが、今回からは一部を除くき新規作成/編集も無償で行うことができる。ここで留意しておきたいのは、Microsoftが実行したのは単なるアプリの無償化/高機能化ではなく、ライセンス販売から本格的にサブスクリプションサービスモデルへと舵を切ったということだ。
Office 365の契約がなくてもかなりの機能は利用できるが、スマートフォン/タブレットに本格対応すればそのぶん作業機会は増え、トータルで見ればサブスクリプション契約の増加に寄与する。
特にiPhone/iPadの場合、これまでの経緯もあり積極的な提案を行いやすい素地もある。ふだんは無償利用だが、本格的な編集機能が必要な期間だけ有料契約で、という利用スタイルも増えていくはずだ。サブスクリプションサービスモデルへの切り替えが実を結ぶのか、市場の反応に注目したい。
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