ADI、入力過電圧保護と電磁干渉フィルタを集積した高精度オペアンプを発表
同製品は、デュアルチャネルの高精度、低ノイズ、低入力バイアスのオペアンプで、プロセスコントロールの最重要部分、防衛・航空宇宙用途、モータコントロールアプリケーションやマルチチャネルの計測器へ利用される、精度、直線性、環境耐性を備えたセンサインタフェースアンプへの要求に応える製品となっている。さらに、アンプの入力が過電圧やEMIに曝されることから、主にシグナルチェーンの精度や保護の強化が必要となる設計での利用に適しているという。そして、入力過電圧保護やEMIフィルタを集積しており、システムの精度や直線性を保ちながら、シグナルチェーンを保護するとしている。
しかし、これまでのシグナルチェーンの前段に保護機能のないオペアンプが用いられる通常の設計では、高エネルギーの電圧や電磁現象の影響を受けてしまい、しばしば外付けのクランプ回路やフィルタを用いることになっていた。また、これらの外付け部品は、効果が限定されており、温度やコモンモード電圧の変化に対してシステム精度や確度を妥協する必要に迫られていた。
これに対し、「ADA4177-2」をシグナルチェーンの前段に用いると、EMIはオペアンプの入力部でフィルタ除去されるか、あるいは過電圧事象による突入電流が安全なレベルに制御され、これらの影響を最小限にする。そのため、外付け部品による保護やフィルタリングのための部品を節減でき、システムの確度と精度の改善、BOMコストや回路基板面積の削減、さらに市場投入までの時間短縮を実現する。
加えて、レールtoレール出力なので、さらなるダイナミックレンジを必要としている場合にも対応できる。この他、帯域幅が3.5MHz(ティピカル値)、電圧ノイズが1kHzで8nV/√Hzとなっている一方で、消費電力は通常の±15Vdc電源の場合、25℃環境下で500µAとなっている。動作温度範囲は-40℃~125℃である。
なお、パッケージはSOIC-8およびMSOP-8。価格は1000個受注時で1.53ドル。すでに量産出荷を開始している。