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米NVIDIA、SHIELDタブレットへソフトウェアアップデートの提供開始 - OSはAndroid 5.0に

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米NVIDIA、SHIELDタブレットへソフトウェアアップデートの提供開始 - OSはAndroid 5.0に
米NVIDIAは18日(現地時間)、同社の8型Androidタブレット「SHIELDタブレット」へ向け、ソフトウェアアップデートの配信を開始した。これによりOSは"Lollipop"こと最新のAndroid 5.0に更新されるほか、プリインストールされているアプリへの新機能追加などが行われる。今回は一般配布が開始される少し前に触れる機会を得たので、簡単に新要素をまとめてみたい。

NVIDIAは2014年11月13日(現地時間)、11月中にOTA(On-The-Air)でソフトウェアアップデートを提供すると発表。また、11月16日には秋葉原で開催されたイベントにて、Android 5.0を搭載した「SHIELDタブレット」の展示を行っていたが、それからほどなくの配信となった。ソフトウェアアップデートの配信については、端末によってタイミングが若干異なるとのころだが、それほど時間をかけずにアップデートの通知が来るだろう。

NVIDIAによると、Nexusブランド以外へのタブレットにAndroid 5.0が提供されるのは、「SHIELDタブレット」が初だという。

今回のアップデートの柱として、Android 5.0提供のほか、「Half-Life 2: Episode One」を「SHIELDタブレット」向けに提供することや、NVIDIA GRIDによるゲームストリーミングサービスへの対応が挙げられる。


ただ、「Half-Life 2: Episode One」の場合、海外で販売する容量32GBのWi-Fi+LTEモデルにはバンドルキャンペーンが用意されているが、日本国内で販売する容量16GBのWi-Fiモデルは対象外であること、ゲームストリーミングサービスも日本での展開については現在のところ未定となっていることを考えると、日本国内に限ってはAndroid 5.0が目玉といえるだろう。

このほか、細かい点としてはメモリ消費と性能の最適化や、メモリUSB Yケーブルのサポート、コンソールモード時の4K出力への対応なども行われている。

個人的には「USB Yケーブル対応」が地味だが重要なポイントに思う。「SHIELDタブレット」では、GeForce GTXシリーズを搭載したデスクトップPCで起動したゲームの画面をSHIELDタブレット側で転送できる「GameStream」に対応する。このとき、MiniHDMI経由で外部ディスプレイに出力する場合、無線でネットワークに接続すると720pでの出力だが、MicroUSBに対応したLANアダプタを使って有線で接続すると1080pでの出力が可能だ。

これまではLANアダプタを使うと、MicroUSBポートがふさがってしまうので、充電ができなかったが、Yケーブルをサポートすることにより、有線でネットワークに接続しつつ、本体の充電が可能となった。つまり、別室にあるPCからリビングのタブレットにストリーミングするときにバッテリを気にせず、高解像度で楽しめるようになる。

○「マテリアル・デザイン」を採用したAndroid 5.0

Android 5.0では、ユーザーインタフェースに「マテリアル・デザイン」を採用する。
Android 4.x系でも最新バージョンの「Gmail」アプリや「マップ」アプリで、すでに「マテリアル・デザイン」が取り入れられている。一見、Windows 8やiOS7以降の「フラットデザイン」とあまり変わらないように見えるが、使っていくうちにフラットな要素の「重なり」やタッチしたポイントでのアニメーションなど、「マテリアル・デザイン」の特長が何となくつかめてくる。

また、ユーザーインタフェースの更新として、クイック設定と通知も挙げられる。Android搭載端末でも機種によって違いがあったり、個別に設定できるケースもあるが、Android 4.4.2を搭載した「SHIELDタブレット」では、画面上部の左側を下にスワイプすると通知が、右側を下にスワイプするとクイック設定のパネルが表示された。

Android 5.0では、画面の上部から下にスワイプするとまず通知が表示される。通知のパネルをさらに下にスワイプするか、日にちや時刻が表示されている部分を長押しすることでクイック設定が表示される。

「SHIELDタブレット」のクイック設定には「共有」という項目が用意されているが、ここからプレイ中のゲーム画面や動画をキャプチャして、動画配信サービスにアップロードしたり、ゲーム実況動画の配信サービス「Twitch」にライブストリーミングが可能な「ShadowPlay」を呼び出せる。

通知に関しては、ロック画面に通知を表示可能になった。
また、設定の中に「音声と通知」という項目が設けられ、ここから通知に関してまとめて設定できるようになった。基本的な動作に関しては軽快だ。「マテリアル・デザイン」によるアニメーションの表現がぬるっとした感じなので、よりなめらかになった印象を受けた。

ちなみに「SHIELDタブレット」の特長として、専用のワイヤレスコントローラがあるが、こちらの操作もAndroid 5.0の影響を受けている。通知が音声の設定とまとめられたので、音量調節ボタンを押すと通知が開いてしまうという現象が起こっている。さらに筆者の環境では、スタート長押しで立ち上がるキーマップツールが、ゲームによっては立ち上がらないというケースがあった。本体のソフトウェアアップデートに合わせて、コントローラのアップデートも配信されたが、これがAndroid 5.0向けのものかどうかは詳細は不明だ。

○プリインストールアプリも更新

今回のソフトウェアアップデートでは、プリインストールされたアプリの更新も行われている。
ゲームアプリにアクセスできるランチャーである「SHIELD Hub」では、GRIDゲームという項目が追加されているが、これはテスター向けの先行配信のため。日本でのサービスは未定なので試すことはできない。一般向けの配布ではメニュー自体がなくなっているかもしれない。

お絵かきソフト「Dabbler」はユーザーインタフェースが一新。OSと同様に「マテリアル・デザイン」を採用した。これまでは画材を選択するパレットが画面下、ファイルを保存するといったメニューが画面上部に表示されていたが、新バージョンでは左右にメニューが展開する。キャンパスを広くとらえられるようになったほか、メニューの呼び出し方が分かりやすくなった。また、レイヤー機能がサポートされ、より高度な作業も行える。


○パフォーマンスも測定

Android 4.4.2とAndroid 5.0でベンチマークテストをそれぞれ行った……のだが、GFXBenchとAnTuTu Benchmarkは、Android 5.0でテスト中にアプリが何回も落ちた。タブレット本体の再起動やアプリの再インストールを何回か繰り返し、何とか完走したスコアを取得しているが、安定性に欠ける。そのため、3DMark以外のテストについてはあくまで参考としてみてほしい。

Overallではほとんど差がないといっていいだろう。Graphics scoreでは少しAndroid 5.0が低く出ているが、これも4%程度の違いで、大きな影響とはいいにくい。参考値ではあるが、GFXBenchとAnTuTu Benchmarkでもほとんど差は出なかった。

○日本国内では限定的なアップデートだが今後に期待

さて、簡単にではあるが「SHIELDタブレット」のソフトウェアアップデートについて紹介した。「SHIELDタブレット」は、海外モデルでの展開も含めて考えると、OSだけでなく、ゲーム関連にも力が入っていると分かるのだが、日本国内では限定的なアップデートといえる。


アプリによってはというか、これからAndroid 5.0に対応するアプリの方が多いと思われるので、特に「最新のOSを早く使いたい」という欲求がなければ、アプリの対応状況に合わせて待ってみるのもいいかもしれない。

逆に考えると、NVIDIA自身が説明するようにNexusブランドに次ぐスピードで、Android 5.0が提供されているので、新しいものが好きな人にとっては歓迎すべきアップデートともいえる。

ただ、「SHIELDタブレット」は"ゲーミングタブレット"という位置付けなので、ゲーム関連のアップデートについてももう少し享受できればと思う。やはり、気になるのはGRIDによるゲームストリーミングサービスだ。NVIDIAは、2014年11月中に北米で、12月に西ヨーロッパ、2015年にアジアでサービスを開始するとしてる。今後この「アジア」の中に日本が含まれることを期待したい。

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