愛あるセレクトをしたいママのみかた

コンセプトは「継承と挑戦」 - ヤマハ定番新VPNルータ「RTX1210」販売開始

マイナビニュース
コンセプトは「継承と挑戦」 - ヤマハ定番新VPNルータ「RTX1210」販売開始
●RTX1200からの「継承」で、リプレースを容易に
ヤマハの拠点向けギガアクセスVPNルータ「RTX1210」が11月27日、いよいよ登場する。2008年に投入されたベストセラー「RTX1200」の後継機種で、6年ぶりのフルモデルチェンジとなる。SCSKが11月12日に開催した「ヤマハネットワーク製品アップデートセミナー2014」では、RTX1210がどう進化したのかが紹介された。

1995年にルータ市場に参入して20周年を迎えようとするヤマハ。ネットワーク機器の累計出荷台数は約260万台を超え、SOHO向けルータではNo.1のポジションを確保する。国内市場をリードしてきたのが、2008年に発売された「ギガアクセスVPNルータ RTX1200」だ。セミナーでは、RTX1200の後継となる新モデル「RTX1210」について、従来機種からどんな進化を遂げたのか、比較検証の結果が紹介された。

最初に登壇したのは、ヤマハのSN開発統括部 第1開発部 ネットワーク機器グループの藤木 大輔氏だ。
同氏は、商品のコンセプトが「継承と挑戦」にあるとし、この2つがどう製品で実現されているのかを説明していった。

継承と挑戦は、型番にも表れている。RTX1210は、RTX1200+10であり、これは、既存ユーザーに従来機種からの置き換えモデルであることをアピールすることを意図してつけられたものだという。ただ、中身は「フルモデルチェンジ」を果たしている。社内では当初、モデル名を「RTX1300」する案もあったという。

まず、「継承」については、インタフェースを踏襲している点がある。LANポート×10(スイッチングHUB用LANポート8)、ISDNポート×1、microSD×1、USB×1をそのまま搭載し、ポートの配置もほぼ同じだ。変わった点は、シリアルポートがD-SUBからRJ-45になった程度だ。
RTX1200ユーザーは、ケーブルはずし、RTX1210の同じ位置に差し換えればよい。

また、設定ファイルであるコンフィグも、これまでヤマハルータの設定内容をそのまま利用可能で、機種をアップグレードしても、そのまま安定稼働が可能だ。ファンレス/省電力電源/国内メーカーのコンデンサ採用といった信頼性もそのまま踏襲した。●「挑戦」により、パフォーマンスと使いやすさが向上
「挑戦」については、まず、ハードウェアの性能向上がある。CPUはMIPS 300MHzからPowerPC 1.0GHzになり、メモリはROMが16MBから32MBへ、RAMが128MBから256MBへそれぞれ倍増した。

また、電源は、これまではAC100Vだけだったが、AC100-240Vに対応した。電源ケーブルも本体一体型から着脱式とし、取り回しがしやすくなった。消費電力は最大消費電力が16.0Wから14.5Wへと減少。
新たにイーサネット用の省電力技術「EEE」に対応した。一方で、動作温度の上限値が40℃から45℃にまでアップした。筐体の小型化も注目点だ。従来から奥行きが31mm小さくなり、設置場所の幅が広がった。

最大の特徴は、ルーティングの性能向上だ。スループットは最大1Gbsから最大2Gbpsへと倍増した。さらに、VPNスループットは最大200Mbpsから最大1.5Gbpsへと約7倍増にまでなっている。NAT性能も、「ポートセービングIPマスカレード(仮称)」という新しい方式を採用したことで、これまでよりも効率的にセッションをさばけるようになった。
これは、セッションごとに1つのポートを割り当てるのではなく、ポートを使い回せるようにすることで、最大セッション数を向上させる技術だという。最大セッション数は2万から、6万5534に増えた。

さらに、挑戦の項目としては、リンクアグリゲーションの搭載、FlashROMのフェイルセーフ機能、シリアル通信字のUTF-8(日本語)対応、GUIの刷新などがある。なかでも、GUIの刷新は、ダッシュボード、LANマップ(端末管理)、かんたん設定など、使いやすさを追求している。

藤木氏は「リプレースがしやすく、パフォーマンスも大幅に向上した。ネットワーク管理が効率的にわかりやすくなった」と強調した。

●スループット性能は7倍、TCPコネクションは9倍

続いて、SCSKITプロダクト&サービス事業本部ネットワークプロダクト部技術課 牧野 淳氏が登壇し、「RTX1210の性能検証結果」を報告した。検証したのは、スループット性能とTCPコネクション処理性能の2つだ。


スループット性能は、近年のネットワークの高速化の状況から、以前にもまして重要になってきているという。WAN回線のサービス速度は1Gbps以上になり、クラウドやデータセンターを使って大量のデータを送受信することが増えた。増加するトラフィックの処理が滞ると、サービスの低下や最悪の場合、ネットワークの停止に陥る可能性もある。

検証は、LAN接続とVPN接続のそれぞれについて実施した。LAN接続は、1台のルータに双方向に負荷をかけた際のIPルーティングのみのでの性能を、VPN接続では、2台のルータ間をVPN接続(IPIP/IPSec)し、VPNトンネルを通信するように双方向に負荷をかけた際の性能をそれぞれ検証した。

まず、LAN接続では、カタログスペックの2Gbpsを達成できていることを確認、さらに、64byteのショートパケットでのスループット性能(pps)は、300kppsで、旧機種の3倍超の性能だったとした。

著しい性能向上はVPN接続でも確認できた。暗号化のないIPIPでは、RTX1100と比べて7倍、RTX1200で2倍になった。
さらに、IPSecのIKEv1/IKEv2(暗号/認証方式はAES-128、HMAC-SHA1)では、RTX1100と比べて15倍、RTX1200と比べて実に7倍の性能となった。

では、TCPコネクション処理はどうだったか。スループットと同様、LAN接続とVPN接続でそれぞれ計測したところ、LAN接続ではRTX1100から40倍、RTX1200から10倍となった。また、VPN(IPSec)接続では、RTX1100から3l0倍、RTX1200から9倍となり、それぞれ大幅な性能向上が確認できた。

「総括すると、RTX1200からRTX1210にリプレースするだけで、スループット性能は約7倍に、TCPコネクションは約9倍になる。拠点ルータだけでなく、センター側の機器をあわせてリプレースした場合、ネットワーク性能向上の相乗効果も期待できる」(牧野氏)

リプレース案としては、固定回線を引けないような場合にモバイルインターネットを利用してVPN接続を構築できるようにするケースや、ISDNからの移行で「データコネクト」などの付加サービスを利用できるようにするケース、移転や合併で拠点のネットワークを変更する際に同一アドレス形態で管理するケースに向いているとした。

提供:

マイナビニュース

この記事のキーワード