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中国とのFTA締結への動きはオーストラリア経済の追い風に

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中国とのFTA締結への動きはオーストラリア経済の追い風に
オーストラリアのアボット首相と中国の習近平国家主席は17日、自由貿易協定(FTA)締結に向けての覚書を交わしました。2005年に始まった両政府間の交渉が、約10年を経て合意に至り、アボット首相は会談後の声明において「歴史的協定だ」と強調しました。今回合意された枠組みが完全に実施されれば、4年後にはオーストラリアの中国向け輸出の95%で関税が撤廃されると見られており、これにより中国向け輸出の伸びが期待されています。

FTAの対象として、オーストラリアの主要輸出品目である資源・エネルギーのほか、農産物、乳児用などの粉ミルク、牛肉、魚介類、ワインなどの食料品に対する関税撤廃が予定されています。オーストラリアでは近年、資源関連の投資ブームが終わり、今後の継続的な経済成長には、農業や製造業を含む非鉱業部門の投資拡大が求められることから、今回の幅広い品目に対する関税撤廃が、資源輸出に依存する経済構造からの脱却を後押しすると見られています。また、この他にも、法律や金融、教育などのサービス業を担うオーストラリア企業の中国向けビジネスに対する優遇措置や、中国の民間企業のオーストラリア向け投資に際しての審査基準の大幅な緩和なども盛り込まれており、両国間のビジネス関係の強化が期待されます。

オーストラリアは、最大の輸出先である中国への輸出依存度が高いため、足元で減速が懸念される中国の景気動向を注視する必要はありますが、幅広い分野を対象とする中国とのFTAは、中国向け輸出の拡大に繋がると期待されています。オーストラリア経済は、今後も旺盛な個人消費などを背景に、堅調が見込まれる内需に加え、今年に入り合意に至った日本、韓国、加えて中国との貿易協定が発効すれば、外需取り込みの追い風になり、緩やかに改善していくと考えられます。


(※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)

(2014年11月19日 日興アセットマネジメント作成)

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