2014年11月20日 17:45
インドネシア新大統領による経済改革と中央銀行による利上げ
インドネシア中央銀行は、18日に臨時の金融会合を開催し、1年ぶりとなる政策金利の引き上げ(7.50%→7.75%)を決定しました。政府は前日(17日)、ガソリンやディーゼル燃料の公定価格を30%以上引き上げることを発表しており、中銀は、インフレ率の急激な上昇を抑制することなどを目的として、迅速に利上げに動きました。
燃料価格の引き上げは、ウィドド大統領により選挙公約として掲げられていたもので、新大統領による初の大規模な経済改革といえます。これまで燃料価格を抑えるために使われていた補助金を削減し、燃料価格を引き上げたことで、財政の負担が減り、インフラ整備や医療、教育へより多くの予算を充てることが可能になることに加え、国内の燃料消費を抑えることで燃料輸入の増加を抑制し、経常赤字の削減にも寄与すると見られています。
また、新興国景気が全般的に弱含む中、海外投資家による新興国資産の売り圧力が強まる局面もあることから、今回の利上げは、マネーの海外流出を防ぎ、足元で方向感のない動きとなっているインドネシアルピアの安定化を図る狙いがあると見られています。なお、金融会合では、銀行の預金に対する貸出の割合に関する規制緩和についても話し合われたことから、今後、民間銀行による中小企業への貸出を促す金融政策が実施されて資金調達がしやすくなると、企業の投資拡大につながると期待されます。