くらし情報『アンタレス・ロケットの打ち上げ失敗とソ連からやってきたロケットエンジン (2) 40年前に生産されたソ連製ロケットエンジンNK-33』

2014年11月21日 10:30

アンタレス・ロケットの打ち上げ失敗とソ連からやってきたロケットエンジン (2) 40年前に生産されたソ連製ロケットエンジンNK-33

ちなみに、アポロ計画で使われたサターンVロケットは、N1と大きさや質量もよく似ているが、第1段にはエンジンを5基しか装備していない。この差は純粋のエンジンの能力の差であり、NK-15エンジンの推力が1.5MNであるのに対して、サターンVに使われたF-1エンジンの推力は6.8MNと、4倍以上もの違いがある。NK-15は航空機エンジン屋が試行錯誤の末に完成させたエンジンであったが、F-1エンジンは予算も人材も、そして時間も十分に与えられた状態で造られたエンジンであった。

N1計画が進む中で、クズネツォーフはNK-33とNK-43という、NK-15の改良型エンジンを開発した。NK-33とNK-43は、N1Fという改良型のN1で使用することを計画していたが、N1が4回打ち上げのすべてに失敗したことから、N1Fは結局造られることなく、計画はすべて中止されることになる。

N1の部品は解体されるか、公園の屋根などに転用されるなどしたが、一方ですでに製造されていたNK-33とNK-43は、価値があると判断されたためか、倉庫に保管されることになった。その後、たびたび新しいロケットに使おうとする動きはあったようだが、実現することなく、約30年もの間眠り続けた。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.