くらし情報『アンタレス・ロケットの打ち上げ失敗とソ連からやってきたロケットエンジン (2) 40年前に生産されたソ連製ロケットエンジンNK-33』

2014年11月21日 10:30

アンタレス・ロケットの打ち上げ失敗とソ連からやってきたロケットエンジン (2) 40年前に生産されたソ連製ロケットエンジンNK-33

冷戦の終結やソ連崩壊、ロシア連邦の誕生を経て、1990年代中ごろに米国の技術者がこの倉庫にやってきた。NK-33とNK-43の総生産数は200基ほどとされるが、この時点で倉庫に眠っていた数は、正確には不明だ。ただ100基以上は残っていたとされる。

米国ではそのうちの1基を米国に持ち帰り、試験を行った。その結果、極めて高い性能を持つエンジンであることが明らかになる。前述のようにエンジンの推力自体はF-1エンジンには遠く及ばないものの、ロケットエンジンにとっての燃費のような数値である比推力と、エンジンの推力と質量との比率が高く、その数値は世界最高で、米国でさえこれに匹敵するエンジンは開発できていない。クズネツォーフは、大推力の大型エンジンを造ることはできなかったが、小型ながら高い効率を持つエンジンを造ることには成功したのだ。

そして1990年代中ごろ、米国のロケットエンジン・メーカーであるエアロジェット社は、ロシアから34基のNK-33を購入した。
当時、ロシアは資金難に喘いでおり、少しでも外貨が欲しかったのだ。購入価格は1基あたり110万ドルと伝えられており、これはロケットエンジンとしては、何よりこれほどの性能を持つエンジンとしては、破格の値段だった。

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