勝てる組織を作るためのデータ分析手法とは? - プロスポーツの実例に学ぶ
○「ダメージコントロール」による弱者のための戦略とは
岡田氏は同講演で、弱小チームが王者に競り勝った過去のシーズンの実例などをもとに、ビジネスシーンでも役に立つ「競合分析に基づいたダメージコントロールによる"弱者のための戦略"」を解説する予定だ。
素人的な筆者目線ではあるが、プロ野球においては、十分なデータ分析のもとにシーズンを通じて各チームが熱戦を繰り広げている……というイメージがある。岡田氏によれば、「打者と投手の対戦成績といった個別の分析はできており、これを戦術に反映させることはできている」そうだ。しかし、「このような分析をチームの"戦略"へと落としこむといったマクロ的な観点での分析は、ほとんどのチームができていない」という。
冒頭で述べた、「欧米に比べ20~30年は後れをとっている」のは、この部分である。
野球の場合、メジャーリーグベースボール(MLB)とプロ野球の決定的な違いの1つに、「バックオフィスが有する機能の差」があるそうだ。投資額もケタ違いの規模となるMLBの場合、各種施策に関する失敗に対して寛容ではない。それゆえ、MLBにおけるバックオフィスは「"カイゼン"のダイナミクスさが日本とはまったく異なる」(岡田氏)という。
日本での無敗記録などの実績を買われて日本のプロ野球からMLBに移籍した……と思われがちな田中将大投手だが、実はMLB側では、日本での実績よりも、メジャーに来た場合の活躍度を重視しており、個々のデータ分析によって導き出されたその結果が、年俸額の根拠になっているそうだ。田中投手はMLBのシーズン途中に故障で戦列を離れたが、なんとMLB側では故障リスクも数値化されているという。
このように、プロ野球とMLBでは選手の評価尺度が異なるため、しばしば日本では目立った活躍をしなかった選手が、MLBで結果を残すといったケースが顕在化するというわけだ。そして、資金力のある人気チームより、資金力が乏しく、リーグ下位に低迷するようなチームの方が、このようなデータ分析の重要性が増してくる。
自分のチームのデータを正確に把握し、自分のチームの総合力を知る。そして、自分のチームのウイークポイントを知り、この傷口を広げずに補完するためのダメージコントロール策を講じ、「負けない」チームを作るための戦略を立案し、実行する。そして、"カイゼン"を繰り返す。これが "弱者のための戦略" である。
同氏は12月9日(火)開催予定の「マイナビニュース フォーラム 2014 Winter for データ活用」において、ビジネスシーンでも役に立つ「競合分析に基づいたダメージコントロールによる"弱者のための戦略"」を詳しく解説する予定となっている。分析ツールは導入したものの……企業でデータの「活用」に悩んでいるマネジメント層や経営企画部門、業務部門の方々必見の講演となるため、当日はぜひ会場に足を運んでいただきたい。