2014年11月27日 09:00
本田圭佑の新生代表初ゴールを導いた、内田篤人がドイツで磨いた"武器"
11月14日のホンジュラス代表戦でアギーレジャパンにおける初出場を果たし、ワールドカップ・ブラジル大会以来となる勇姿で魅せたDF内田篤人(シャルケ)。左手に走る激痛を一笑に付す頑固さと豊富な経験に導かれた「ある力」が、日本代表の新たな武器となった。
○日本代表復帰戦で外した左手のテーピング
一度決めたらテコでも動かない。端正なマスクの下に頑固者の素顔を忍ばせる内田らしい言葉だった。
「腫れがひどいし、痛みもあるけど、手を使ったらハンド(の反則)なので」。
アギーレジャパンに初めて招集され、ワールドカップ・ブラジル大会以来となる日の丸をまとった初日。愛知県内で11月10日から開始されたキャンプに参加した内田の左手には、テーピングが痛々しく巻かれていた。
ドイツをたつ直前の同8日に行われたフライブルク戦で、左手の甲を負傷した。
骨折の疑いもあり、帰国後には精密検査も受けた。結果は強度の打撲だったが、心身のモードをシャルケから日本代表に切り替えた瞬間から、内田はピッチに立つ覚悟を固めていたのだろう。手のけがはサッカーには関係ない――と。
果たして、ホンジュラス代表戦に右サイドバックとして先発した内田はテーピングを外し、左手を使うスローイン役を普通に担い、何もなかったかのように最後までピッチに立ち続けた。