パーソナル保湿機は心地よい眠りの味方 - 三菱電機とオムロン、「保湿と快眠セミナー」開催
三菱電機とオムロン ヘルスケアは、「保湿と快眠セミナー~睡眠環境へのアプローチ 隠れ不眠と乾燥対策~」を開催した。睡眠の専門家である杏林大学の古賀良彦教授、快眠セラピストの三橋美穂先生、アナウンサーの本田朋子氏が登壇し、睡眠と湿度の関係について対談を行った。
同時に、快適な眠りを得るために必要となる湿度のコントロールを行ってくれるものとして、2014年10月発表の「パーソナル保湿機」を紹介。セミナー会場には、実際に寝そべってパーソナル保湿器を体験できるコーナーも設けられていた。
○加湿器ではなくパーソナル保湿機
パーソナル保湿機とは、顔周りにスチームを噴霧し、睡眠中に乾燥しがちなのどや鼻、肌をうるおすというものだ。従来の加湿器が部屋全体の湿度を上げることを目的としているのに対し、パーソナル保湿機では顔周りの湿度を保つことに主眼を置いている。展示されていたのは、三菱電機の「SH-JX1」と、オムロン ヘルスケアの「HSH-100」だ。
通常、温かいスチームは上昇してしまい、水平方向に届けるのは難しい。
それを解決するために、三菱電機はスチームを水平方向に移動させ、寝ている人の顔周りまで搬送する独自の技術を開発した。
三菱電機は、保湿で得られる効果の一つとして"快眠"を挙げていた。しかし同社には睡眠についてのデータが不足していたため、「ねむりを科学する」オムロン ヘルスケアと協業するに至ったとのことだ。眠りに注力しているオムロン ヘルスケアも、快眠に影響する要素として湿度を重視していた。
●あなたは"かくれ不眠"?
このたびのセミナーは、保湿と快眠の関係について啓蒙するために企画したという。杏林大学 医学部 精神神経科 古賀良彦教授、快眠セラピスト 三橋美穂氏、本セミナーの司会を務めたフリーアナウンサー 本田朋子氏らによって「かくれ不眠と乾燥対策」をテーマにしたパネルディスカッションが行われた。
○睡眠は生きていくうえでの基本
古賀教授によると、かくれ不眠とは睡眠を大事だと認識していない人たちを指す言葉だという。都市部に住む人に多い傾向があり、「睡眠=もったいない」と思っている。
かくれ不眠かどうかをチェックするために、セミナー参加者には以下のチェックリストが配布された。古賀教授いわく「10個以上チェックが付いた人はすぐに病院に行くことを勧める」とのこと。10個未満でもチェックが付いたら注意が必要だそうだ。80%以上の人が少なくとも1個にチェックを付けるそうだが、ほとんどが報道関係者であるセミナー参加者は、80%どころか100%が1個以上チェックを付けた。
また、古賀教授によれば、チェックが付く人はだいたい3つに分けられるそうだ。1つ目は「自分は大丈夫」タイプ。このタイプは、眠っていないことをむしろ肯定的にとらえているというもの。眠っていないことをステータスのように思っているタイプだ。
2つ目は「生活が不規則」タイプ。このタイプは、仕事などが忙しくて結果的に睡眠時間が削られてしまっているというもの。3つ目は「高ストレス」タイプ。このタイプは、眠れないことがストレスとなって眠れず、睡眠不足のせいで昼間にミスばかり重ねてストレスがたまり、また眠れなくなり……という悪循環に陥ってしまっているというものだ。
古賀教授によれば「日付が変わる前に寝るのが理想的。7時間寝ている人が最も死亡率が低いというデータもある」とのこと。生きていく基本となる睡眠をもっと大事にしてほしい、と結んだ。
○不眠が美容にもたらす悪影響
三橋氏は、不眠が肌に与える悪影響について説明した。
日本は世界で1、2を争う「睡眠時間が短い国」。三橋氏によれば、睡眠時間が短い人は肌のターンオーバー(表皮の新陳代謝)が十分に行われないせいで、肌の水分蒸発量が多いという実験データがある。水分蒸発量が多くなった結果、乾燥肌になりがちだ。また、ターンオーバーが十分に行われず、古い角質が残ってしまうと肌がくすんで見える原因にもなり、不眠は肌にも悪影響を及ぼしているといえる。
●寝ている間は無防備、だからこそ対策が必要
古賀教授、三橋氏はともに、入眠のための環境づくりも大切だが、無意識状態になる睡眠中の対策はもっと大切だと語る。鼻やのど、口の乾燥は睡眠の質を悪くする原因ともなり、快眠を阻害する。快適な湿度は50%から60%といわれているが、その湿度をキープするのは一般的な加湿器では難しい。睡眠中に加湿器を稼働させて、朝起きてみると窓に結露が発生しているのはよくあることだが、三橋氏によれば結露が発生するほどの「加湿しすぎはNG」だという。
というのも、寝具が湿気てしまい、熱を逃してしまうからだそうだ。では、快適な湿度をキープするにはどうしたらよいか? というところで登場するのが、冒頭で述べたパーソナル保湿機だ。パーソナル保湿機には湿度計が内蔵されており、顔周りの湿度が70%以上になるとスチームの噴霧を停止、湿度が低くなってきたら再び運転を開始する、というように寝ている間の湿度をコントロールしてくれる。もちろん加湿しすぎることもなく、快適な状態をキープするのだ。
光や音、香り、温度などさまざまな条件が入眠に関係してくる。しかし、いざ眠りについてしまうと視覚、聴覚、嗅覚が遮断されてしまい、最後まで残るのは触覚だと三橋氏は語る。寝ている間も肌に触れている寝具やパジャマはもちろんのこと、湿度も触覚に大きな影響を与えているそうで、朝まで快適な湿度環境を維持するのはかなり重要度が高いことだと三橋氏は強調した。
最後にアドバイスとして、古賀教授は「睡眠は昼の作業に大きな影響を与えるので、いかに心地よい眠りを得るかがとても大事。
快眠を得るためにも、"保湿"というのは重視すべきポイント」と述べた。三橋氏は「寝ている間は無意識だからどうしても無防備になりがち。睡眠が明日の自分を作っている、と心得てもっと気を配ってほしい」と語った。