2014年12月1日 06:00
福井県の食卓では"小さな座布団"が主役に!? 厚くてジューシーな油揚げの秘密
各家庭にはその土地ならではの食卓がある。自分にとって当たり前と思っていたご飯が、実は他の地域では見られないものだと分かった時の衝撃、きっと誰しも身に覚えがあるだろう。もちろん、逆の立場も。筆者はその衝撃を福井県で体験した。「福井県の食卓には小さな座布団がある」と。
○30分以上揚げて作ったフワフワ感
この小さな座布団の正体は油揚げである。油揚げと言えば、薄切りにした豆腐を油でサッと揚げ、中は空洞になっているものをイメージするのが一般的だろう。しかし、福井県の油揚げは厚い。
ものによっては厚さは3~4cm程度にもなり、箸でつかみあげるとずっしりとした重みがある。
「厚い豆腐ならそれは"厚揚げ"だろう」と思うだろうが、中が詰まった豆腐の周りを揚げた一般的な厚揚げとは違い、福井県の油揚げの中はジューシーで、フワフワ食感の豆腐が何層にも重なっている。そして外はカリッと香ばしい。この油揚げは、木綿豆腐を30分以上かけて揚げて作るそうだ。
油揚げというと、煮付けや味噌汁の具材のひとつとして食卓に並ぶことが多い。しかし福井県では、そのまま焼いて大根おろしやネギ、かつお節をまぶし、醤油をちょっとたらすという油揚げのステーキが主役然として食卓に登場する。