60年以上にわたるシェーバー開発の英知が生み出した最高峰シェーバー「ブラウン シリーズ9」を試す!
○相反する“肌へのやさしさ” と“深剃り”を両立
あなたはカミソリ派? それとも電動シェーバー派? 正直、電動シェーバーによるドライシェービングのほうが、手軽だと思う。けれども、アゴの曲面のところなどうまく剃れなかったり、思うようにいかないからゴリゴリやって肌がヒリヒリしたりと、やや残念な部分もある。きっちり剃れて、かつ肌にも思いやりのある電動シェーバーはないものか……この道60年以上のブラウンが、ひとつのソリューションを提示した。
ここしばらくの間、カミソリ愛用者だった。ヒゲはけっして剛毛というほどではないが、どちらかというと濃いほう。かつて使っていたドライシェービングの電動シェーバーでは思うように剃りきれずに時間がかかり、時間をかけて思うように剃ろうとすると肌がヒリヒリした。なので、シェービングジェル&T字カミソリに転向していたわけだ。
とはいえ、一生の立場としてカミソリ派を自任しているほどでもない。
手軽に手短にきっちり剃れて、かつ肌にやさしい電動シェーバーがあれば、それに越したことはなかったわけだが……この11月にブラウンから登場した「ブラウン シリーズ9」(以下、シリーズ9)が、その願いをどうやら満たしてくれそうだ。
○“肌へのやさしさ”がなぜ必要なのか……男性美容研究家が解説
なお、同製品を試す前に男性美容研究家の藤村岳氏のお話しをうかがった。「自分は脂性だと思い込んでいても、実際には乾燥肌・敏感肌の男性が増えています。こうした肌の持ち主が切れの悪いシェーバーを使うと何度も刃を往復させてしまい、肌荒れにつながりかねません。深剃りであるのはもちろんのこと、肌にやさしいシェーバーを使うのが重要です。美容を考えれば、そこへの投資は惜しまないほうがよいでしょう 」と、シェーバーのトレンドを語ってくれた。そうしたトレンドを押さえながら、実際にブラウン シリーズ9を試してみよう。
シリーズ9は、シェーバーづくり60年以上を誇るブラウンの最新フラグシップである。
前最上位機種のシリーズ7は2006年の発売だから、実に8年ぶりのフラグシップ更新となる。ブラウンとしては「60年以上にわたるシェーバーづくりの英知を結集した最高峰モデル」と自信を持っている。その言葉のとおり、機能面はもちろん、フェイスやフォルムまでもが“最高峰”にふさわしい仕上がりとなっている。
シリーズ9の最大の特徴は、最新テクノロジーの「人工知能デュアル連動刃」を搭載したことだ。“デュアル”の名にも示されているとおり、2つのトリマーが効果的に連動し、複雑な方向に生えるヒゲや寝たヒゲを剃りやすいように整えてくれる。ちなみに従来のシリーズ7では、トリマーは1つのみ。剃りやすさを追求するため、トリマーの数が倍になったということである。ブラウンでは“究極のトリマー”として、この人工知能デュアル連動刃に大きな自信を持っている。
2つのトリマーは、それぞれ「極薄リフトアップ刃」「くせヒゲキャッチ刃」と名付けられている。人間のヒゲの生え方は一様ではない。寝たヒゲもあれば、左右斜めと雨上がりの雑草よろしく思いのままに生えるヒゲもある。そのうち、まず、全体の50%を占めるという寝たヒゲについては、極薄リフトアップ刃がうまく持ち上げる。極薄リフトアップ刃は従来のシリーズ7が搭載するトリマーに比べて薄さが約半分に進化し、刃の幅については3分の1になっている。このコンパクトな刃が、ゴロリと寝転がったイケズなヒゲをしっかりと起こしてくれる寸法だ。一方のくせヒゲキャッチ刃は、やはり刃と刃の間隔が従来のよりも狭くなっており、さまざまな方向に生えたくせヒゲをきっちりとらえてくれる。
同機種でブラウンが目指したものは“肌へのやさしさ”“深剃り”という相反する要素の追求である。
背景には、藤村氏が語ったように肌にやさしいシェーバーを求めるニーズの高まりがある。男性でも肌の調子を気にする人が増え、乾燥肌・敏感肌の自覚が増えているという昨今。剃れるは剃れるが肌がゴワゴワ……では納得できないと考える男たちは、肌にやさしく、かといって剃れなくては意味がないので、深剃りをも実現してくれるシェーバーを求めているというわけだ。
●優れたデザインと高度なテクノロジーの融合
シリーズ9は、その点、異なる役割を担った2枚のトリマーの連動によってヒゲを剃りやすい状態に整えてくれるため、何度も何度も肌の上で刃を往復させることなく、ワンストロークで効果的に剃れる。まさしく“肌へのやさしさ”と“深剃り”を両立した、究極のシェーバーといえるだろう。もちろん短い時間でシェービングを済ませられるため、出勤前の忙しい朝の時短にもつながる。“肌へのやさしさ”と“深剃り”の両要素の追求は、人工知能デュアル連動刃以外の各種技術にも支えられている。まずは「ターボ音波テクノロジー」。
これは各人さまざまなヒゲの濃さに自動的に対応し、毎分1万回という音波の振動によって肌を震わせ、ワンストロークでより多くのヒゲをとらえられるようにする機能だ。ストロークが少なければ少ないほど、当然ながら肌への負担も少なくなることは言うまでもない。
また、人間の顔はカーブを描いているうえ、肌には場所により異なる微細な凹凸もある。シリーズ9では、そうした形状に合わせて可動するサスペンション機能「密着3Dヘッド」により、顔の曲面に応じてヘッドが密着してくれるので、無理に押し付けることなく手軽で効果的な深剃りを実現できるようになっているのだ。899パターンもの網目を持つ「ディープキャッチ網刃」も、イケズな方向に生えるくせヒゲを根元からきっちりカットするのに力を発揮する。
こうした多彩な技術によって、肌を気にする男子たちに訴求するシリーズ9だが、ブラウン製品として忘れてはならないポイントとしてはデザインもある。ブラウンは、同社のデザインの祖といわれるディーター・ラムス以来、機能とデザインの融合を常に追求してきた。その姿勢はアップルのiPodなどをはじめ、さまざまな家電製品にも大きな影響を与え続けている。
シリーズ9においても、同社の“Strength of Pure”というデザイン哲学のもと、高機能をさらに使いやすくするためのデザインが随所に見られている。手になじむエルゴノミックなフォルムはとにかくホールド感がよい。66×168×44mm・210gの本体サイズも、しばらくカミソリに慣れていた身からすれば最初はやや大ぶりに感じたが、実際に使っていると安心のできるサイズで、ホールド感をさらに高めてくれる印象に変わった。なお、初めて使用したときは駆動時の振動が若干気になったが、これは前述したターボ音波テクノロジーによるもので、使っているうちにすぐに慣れた。また、専用のクリーン&リニューシステムと洗浄液が付属し、充電しながらヘッドの洗浄や除菌(※)などが行えるのもうれしいところ。もはや、かつて愛用していたカミソリはいっさい手に取らず、シリーズ9のみを使い続けている今日この頃だ。
“肌へのやさしさ”と“深剃り”は、たしかに矛盾する要素である。しかしながら相反した双方を求めたくなるのが、ユーザーのワガママというもの。
ブラウンのシリーズ9は、ワンストロークで効率よく深剃りできる一方で、肌へのやさしさも実現し、ユーザーたちのそのワガママにしっかりと応えてくれる。さすがは電動シェーバー業界で60年以上の歴史を誇るブラウンだ。
※ 試験期間:INSTITUT FRESENIUS、試験方法:アルコール洗浄システム後の刃部の除菌率を測定、試験結果:99%の除菌率