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マイナンバー・メンタルヘルス…制度改正に備える企業で大盛況! 奉行フォーラム2014

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マイナンバー・メンタルヘルス…制度改正に備える企業で大盛況! 奉行フォーラム2014
●2016年に始まるマイナンバー制度、おさえておきたいポイントは?
11月17日、埼玉県さいたま市においてオービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)が主催する「奉行フォーラム2014 in大宮」が開催された。マイナンバー制度の導入・メンタルヘルス対応など、企業として対応が求められる政策の施行が控えているだけに、多くの来場者で賑わった。大宮会場においては、定員560名に対し、665名が参加したというだけあって、それだけ将来への備えを考えている企業が多いことが伺えた。中でもマイナンバー制度を取り上げたセミナーは約500名が受講するなど注目度が非常に高かった。ここでは、その様子をお伝えしよう。

○2016年1月から利用開始「マイナンバー制度」

基調講演として「2016年に始まるマイナンバー制度に企業はどの様に備えるべきか」と題したセミナーを担当した、株式会社野村総合研究所の塚田 秀俊氏は、「社会保障、税、災害対策の3つの分野において、マイナンバー制度が導入されます。これ以外の目的に使うとなんらかの罰則が当てはめられる予定です」と語る。

ロードマップによれば、2015年10月から国民への番号通知が始まり、2016年1月より番号の利用が開始される。
塚田氏がいうとおり、「社会保障分野」においては年金の資格取得や確認、給付時に利用されるほか、雇用保険、ハローワークでの事務処理、医療、福祉の事務といった部分で使われる予定となっている。「税」では、国民が税務当局に提出する確定申告書、届出書、調書などに記載され、内部事務において利用される見込みで、3つめの「災害対策」では、被災者生活再建支援金の支給、地方公共団体の条例で定める事務などに利用されることが想定されている。

「マイナンバーの活用に際して、情報管理徹底の必要性と法令違反時の罰則厳格化が課題となります。これは行政、民間問わず、番号の管理や利用に関してさまざまな制約を受けるということです」と塚田氏はいう。マイナンバーはこれまで以上の個人情報を伴う。そのため、先ほど述べた分野以外での利用などはもちろん、個人番号の漏えいなどに関しても「『業務に関して知りえた個人番号を漏えいまたは盗用した場合』は、3年以下の懲役もしくは150万円以下の罰金となります。さらに『従業員が上記の違反行為を行った法人』にも同じ罰金刑が適用されます」と、厳格化される情報管理の徹底について警鐘を鳴らした。

また、法人がマイナンバーを取り扱う業務について「一部の派遣社員などを除き、正社員、契約社員、パート、アルバイトなどは、自社対応が必要になります。
さらに給与厚生関連事務のすべての領域においてマイナンバーを使うことが想定されます」と塚田氏。入社、退職時はもちろん、組織移動や社保算定、給与支払、労災や保険の給付申請に至るまで、多岐にわたってマイナンバーを管理する必要が出てくるというわけだ。

ただし、マイナンバーは強制的に個人に求めることはできない。これについて「個人情報を自己コントロールできるようにするため」と塚田氏はいう。しかし一方で、法人は対象となる各種書類において、マイナンバーを明記する必要もあるため、個人がマイナンバーの提供を拒むケースではトラブルになる可能性があるという。マイナンバーの記載が法令で定められた義務であることを周知して提供を求めるなどの方法があるというが、いずれにしても法人としては、こうしたケースに対してどのように対応していくか検討したほうがよさそうだ。

○制度開始へ向けて各法人は早期の準備を

「法人がマイナンバー制度の開始に備えておくべき点は、目的外利用の禁止、提供を求める際の制限、本人確認の措置、そして情報の安全管理の4つです」と塚田氏は語る。各社員へ向けてのマイナンバー制度の周知や、開始時に予想される大量処理についても準備をしておく必要があるほか、情報管理体制の整備も進めなくてはならない。


続いて、特に留意すべき点として「事務を実施すべき主体と事業会社との関係」が挙げられた。「例えば従業員と健康保険組合での帳票のやり取りでは、これまで人事部門が間に入って業務効率を上げていた企業が多いと思います。しかし、ここで介在する人事部門が『目的外利用』に当てはまるケースが考えられるのです」と塚田氏。その場合、従業員と健康保険組合が直接やり取りをするのか、あるいは委任状などを添えて人事部が介在するか、いずれかの方法へルール変更する必要が出てくるのだ。

このほか、給与業務以外の情報管理体制作りが必要であることや、マイナンバー記載書類の提出時には原則として都度本人確認が発生し、その際にも公的書類の提出が求められる点などについて触れた塚田氏。「まず着手すべきこととして、一番重要なのは全社横断的なタスクフォースの結成です。人事だけでは解決できない問題が出てきますし、経理部門と一緒にやらなくてはならないことなども多くなります。企業規模にもよりますが、社長以下、経営者の方々にもこれを認識していただいて、準備を進めていただいたほうがよいでしょう」と語った塚田氏。
最後に再度マイナンバー制度についておさらいをしたところで時間となり、大きな拍手と共に壇上を後にした。同氏のセミナーの元となった資料は野村総合研究所のホームページ上で公開されており、今後も最新情報が順次公開になるという。準備を進める企業には貴重な情報となるはずなので、常にチェックしておくとよいだろう。

●OBCのマイナンバー制度への対応
続いて「奉行シリーズではじめるマイナンバー制度への備え」と題されたセミナーでは、株式会社オービックビジネスコンサルタント 開発本部 藤本 大氏が講演。マイナンバー制度の概要について語った藤本氏は「企業にとってとてもインパクトの強い制度です」と来場者に念を押す。また、マイナンバー制度が初年度に適用される「社会保障」「税」「災害対策」だけでなく、将来的に広範囲に影響を及ぼすことになることに触れ、「一度だけ対応すればよいという訳ではなく、国の方針に従って順次対応していくことが求められます」と藤本氏はいう。

マイナンバー制度が与えるシステムへの影響に関して、藤本氏は人事労務系、会計・税務系の視点で分析する。「人事労務系に関して、奉行シリーズでいえば【給与奉行】で年末調整や社会保険の届出書などの帳票に番号を出力する必要があります」と語る藤本氏。
もちろん、所得税、社会保険関連といった各種帳票にもこれは当てはまる。「番号を取得した際の本人確認の証拠やアクセス権限、操作・照会ログといったマイナンバーを安全に利用する仕組みも必要です」と藤本氏はいう。会計・税務系システムへの影響に関しては、個人のマイナンバーのみならず、自社の法人番号を出力する仕組みも意識しなくてはならない。さらに取得した番号管理の難しさも先ほど同様となる。

「段階的に法制度が整い適用されていく状況です。奉行シリーズでは段階的に決まっていく各種帳票や、この先公開される個人番号の安全措置に関するガイドラインに対して、保守サービスのOMSS、OMSS+のサービスによって継続的に対応していくことをお約束します」と語る藤本氏。すでにレイアウトが公開されている源泉徴収票などを例に、マイナンバー対応について説明しながら、「例えば源泉徴収票は本来の目的以外に、従業員が家のローンを組む際などにも活用されていました。この場合、個人番号の印字が必要ない可能性があり、単に個人番号を出力するだけでなく、さまざまなシミュレーションを行いながら検討を行っている最中です」と藤本氏。
OBCならではのユーザー視点で、奉行シリーズへのマイナンバー制度導入が進んでいるようだ。

現在未発表の帳票出力に関しては公開されてから順次対応するというOBC。個人のマイナンバーのみならず、法人のマイナンバー対応も順調に進んでいる。「現在マイナンバーについて、個人番号は社会保障、税以外に災害対策にも利用されますが、法人番号についても民間での利活用が検討されています」と語る藤本氏。今後は企業の事務負担軽減機能も検討していく予定で、例えば企業間の取引に企業番号を活用して請求書や納品書に、自社情報として法人番号を記載するなどが考えられるのだという。

「帳票対応だけでなく、全従業員の個人番号の管理が重要視されると考えています」と藤本氏。取得する際の本人確認、取得した番号の漏えい対策など、さまざまな課題があるが、「これらを補完するシステムの番号管理が重要です」と藤本氏。これには本人確認、目的外利用の禁止、安全管理、番号破棄の4つのポイントがあるのだという。
本人確認においては番号が正しいか確認する際に、どのような手順でそれを行ったか、後から追えるような仕組みを取り入れる。目的外利用については、該当帳票のみに番号を出力する。安全管理についてはアクセス権限設定や操作・照会ログの採取。番号破棄では、対象となる退職社員のリストアップなどが仕組みとして取り入れられるのだという。

「OBCではマイナンバー制度への対応というだけでなく、国が定めたガイドラインに沿った個人番号の包括管理ができるような製品を実現してまいります」と語ってくれた藤本氏。セミナーが終わると、ほぼ満席となった会場から大きな拍手が聞こえて来た。すべての企業、国民にとって対応が求められるマイナンバー制度。各企業がゼロから対応を考えるのはいささか無理が生じる可能性があるが、OBCの製品とノウハウの力を借りれば負担やリスクは最小限で済む。マイナンバー制度について準備が足りていないと思う企業は、一度OBCに相談してみてはいかがだろう。

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