突然のアイドル脱退…沈黙破り“鶴ハルナ”始動「思いついたらマルチにやりたい」
●「本当に申し訳ないと思っています」
今年2月、アイドルグループのGANG PARADEを突如脱退したハルナ・バッ・チーンが、新たに「鶴ハルナ」として芸能活動を再開する。誹謗中傷も覚悟しながら開設したというSNSには、ファンから次々に応援メッセージが寄せられ、今後の活躍に期待が高まっているようだ。
しかしなぜ、アイドルのステージから去ってしまったのか、これからどんな活動を行っていくのか、そしてファンへの思いは…。17歳の彼女の素顔に迫りながら、展望を聞いた――。
○■実質“小卒”でアイドルに
――まずは、人となりから伺っていきたいと思うのですが、最初のデビューはアイドルですよね。どうしてアイドルを目指そうと思ったのですか?
なりたいと思ったのは中学2年生のときです。「ルールを守らないほうがカッコいい」と思うタイプで生きていまして、それで何でもやりたいことをしてみたいと思い立って、本当に好奇心の気持ちだけでした。
――小さい頃からアイドルになりたかったわけじゃないんですね。
はい。建築家とかケーキ屋さんとかを目指していたんですけど、建築家は数学ができないとダメじゃないですか。私、数学を勉強しても14点とかだったので、「あぁ、もうダメなんだあ」と思って諦めました(笑)
――それで、思い立ってオーディションに?
「終演後物販」っていうグループのオーディションをお母さんに黙って受けました。合格してから「アイドルになった」って報告したら、「何で受けたって言わないの!」ってめちゃくちゃ怒られましたね(笑)
――友達は喜んでくれたのでは?
1人だけ仲の良い友達がいて、事前に「アイドルになりたい」って言ったら、ポジティブな子なので「いいんじゃない?」って応援してくれました。アイドルになってからは、昔の友達からLINEがたくさんくるようになりましたね(笑)。「Twitterで流れてきたよ」とか「顔が似てる人がいる」ってなって、地域では結構話題になってたみたいです。
――学校とは両立できたのですか?
実は中1の後半から行かなくなって、中2には不登校になったので、実質“小卒”って感じなんです(笑)。だから、アイドルを頑張ってたんですけど、1年で終演後物販が解散してしまいまして…。
○■グループへの迷惑を考えて悩むも…
――そこから、GANG PARADEの所属するWACKのオーディションを受けるんですね。
はい。1週間の合宿で、ほぼ24時間ファンの方がニコニコ生放送で見ている中で行われる結構過酷なオーディションで。それでGANG PARADEに入って、ちょうど2年くらい活動しました。自分がアイドルをやれているんだって自覚があったのかもよく分からないくらい、必死になって毎日を過ごしてた感じですね。
――しかし、2月にGANG PARADEを突然脱退されたので、驚いたファンも多かったと思います。
自分勝手にこうしたい、こうやりたいという気持ちだけでもっといろんなことに挑戦しようと思ったときに、グループの全員に迷惑がかかると思って悩んでいたのですが、この2月に決断しました。自分のコメントも出さずに突然辞めてしまったので、そこに関してはメンバーやファンの方々、関係者の皆さんにご迷惑とご心配をかけてしまって、本当に申し訳ないと思っています。
――どんなことをやろうと思い立ったのですか?
女優さんになりたいとか、モデルさんになりたいとかは絞ってなくて、なれるかどうかとかも気にせず、その時の感情でやりたいと思ったことをマルチにやっていきたいと思いました。アイドル時代からのファンの方々はこれからもちろん大切な存在ですが、色んなことをやって色んな人に知られてみたいなとも思っていました。
●YouTubeで発信「洗脳しちゃおうって」
――まずはどんな活動をしていくのでしょうか?
YouTubeチャンネルを作ったので発信していきたいです。1本目は「鶴ハルナ」という新しい名前を覚えてもらおうということで、習字でひたすら「鶴ハルナ」という漢字を書いています。「2週間で10キロ痩せるダンス」という動画の「HandClap」という曲に合わせて、早送りでどんどん書いて壁に貼り付けて、画面全部を「鶴ハルナ」で埋めて洗脳しちゃおうっていう企画です。2時間で100枚くらい書きましたね。
――習字は得意なんですか?
小学校のときに銅賞を獲りました。二度書きとかすごいしたんですけど(笑)
――ちょっと(笑)。
その「鶴ハルナ」という新しい名前ですが、由来はなんでしょうか?
今までご迷惑をおかけしたお母さん、友達、関係者の皆さんに感謝の気持ちをいつか返したいということで、日本昔ばなしの『鶴の恩返し』から取りました。「ハルナ」は本名です。
――「鶴」の漢字って、画数が多いから習字も大変ですよね。
そうですね。いまだに書き順が分からないのでテキトーに書いてました(笑)
○■新しい肩書きは…
――音楽活動も、続けていきたい思いはありますか?
アイドルじゃなくなったときに、自分は何が好きなんだろうって考えたんですけど、やっぱり「音楽が好きだ」って気づいたんです。前みたいに自分が出る側でもいいし、チャンスがあれば作る側としても音楽のお仕事はできたらいいなと思いますね。
――楽曲提供も。
一度だけアルバムに入った曲を作詞作曲したことがあるんですけど、自分で1から作るという経験はないので、一歩目としてギターを買って練習し始めました。
まだ4個しかコードを覚えてなくて、人に見せられないんですけど(笑)、パソコンとかでも曲は作れると思うので、そういうのを覚えていけたらなと思います。
――そうすると、いわゆる“肩書き”は、どのようなものになるのでしょうか?
現状だと「元アイドル」がパッと出てくると思うんですけど、YouTuberなのかタレントなのか、自分としてはあまり肩書きを決めたくないと思ってるんです。「鶴ハルナ」という枠を作ってしまおうという気持ちなので、今のところ肩書きははないですね。
●新スタートの矢先にコロナ禍
――2月にアイドルを脱退されて、これから新しいスタートだというタイミングでコロナの世の中になってしまいましたね。
びっくりしました。でも、私にとって家にいることはあまり苦ではないんです。中学校に行かなかったときも、お母さんには「掃除と洗濯だけ自分でしなさい」って言われてて、「勉強しなさい」って言われたことがないので、ずっと家でゲームをしていました。自粛生活はその頃と同じようなものなので、意外と大丈夫でした(笑)
――今回の自粛期間中は、どんなことをされていたのですか?
ギターの練習と、毎日肉じゃがを作りました。
「肉じゃがが作れる=いい女」って私の中で結びついてるので、モテると思ったんです(笑)。それと事務所を探してみたり、日の出とともに髪を赤く染めるというのもやりました。
――日の出とともに髪を赤く染める…?
太陽に髪が赤く染められるように見せられたらめっちゃカッコいいなと思って。寝ないでオールして4時半くらいからベランダに出てスタンバイして、5時過ぎに染めるっていうのをやったんですけど、3月だったのでめちゃ寒くて(笑)。それに、本当に眠くて眠くて、訳の分かんない状態で染めて、その様子を初めて1人でYouTube用の動画として撮ってたんですけど、記録したSDカードを失くしちゃって…。
――えっ!?
寝ぼけて顔がヘアカラーだらけになっちゃうくらい集中力がなくなっていたので、そのときに紛失したのかもしれないです。カメラのバッテリーを充電するのにコンセントに差したとき、SDカードを抜いた気がするんですけどね…。
○■SNSの反響は予想外「誹謗中傷も覚悟していた」
――そんなご苦労もあった自粛生活ですが、早く前のように戻ってファンの方と交流できるようになるといいですね。
そうですね。こんな世の中ですがイベントができる日が楽しみです。でも、今回初めてインスタグラムのアカウントを作ったら、ファンの方がたくさんDMでメッセージをくれて、本当に感動して距離の近さを感じました。
――5月に「鶴ハルナ」のSNSが立ち上がると、ファンの方から次々にコメントが寄せられていましたよね。
ああいう辞め方をしたので、誹謗中傷や叩かれることも覚悟していたんです。でも、「心配してたよ」とか「頑張って」みたいなメッセージを頂いて、予想とは違う反応が多かったので、「えーっ!!」って驚きました。応援してくださる方の声をすごく感じたので、SNSも頑張ろうと思ってます。
○■どんどん挑戦「不思議なこともするかも」
――では、最後に今後の意気込みをお願いします。
まずは好きなことにどんどん挑戦していきたいです。思いつきで動くので、不思議なこともするかもしれませんが、包み隠さずSNSで発信していきたいです。
――突然、ケーキ屋さんを始めるかもしれない。
そうですね(笑)。今の事務所には好きなタレントがいて自分から問い合わせしたんですけど、「マルチにやりたいです! 新人募集してますか?」と聞いたら、「何でもやってみよう」って。やったことないSNSもたくさん作ったり、これから何がどうなるのか分からないですし、一人暮らしを始める準備もしていて、全てのことが初めてすぎるので、ハラハラドキドキしています。
――やりたいことがたくさんあって、夢いっぱいの子供のようですね。
ある意味、成長しないまま生きてきたっていう感じです(笑)。小5くらいで精神が止まってるので(笑)、途中で訳が分からなくなって、「自分は今、何を言ってるんだろう…」って思いながらしゃべってることが、ちょこちょこあります。●鶴ハルナ2002年生まれ、千葉県出身。14歳でアイドルのオーディションを受け、七海はるなとしてアイドルグループ・終演後物販に参加。翌年、WACKの合同オーディションに合格し、ハルナ・バッ・チーンとしてGANG PARADEのメンバーとなる。20年2月に同グループを脱退。同年5月、株式会社For youに所属し、鶴ハルナとしてTwitter、Instagram、TikTok、WEARのアカウントと、YouTubeチャンネル「鶴ハルナのオモイツキ」を開設。YouTubeの初動画は、7月5日21時に公開される。