くらし情報『東北大、鉄セレンにおいて高温超伝導を担う電子の異常な秩序状態を観測』

2014年12月9日 09:57

東北大、鉄セレンにおいて高温超伝導を担う電子の異常な秩序状態を観測

東北大、鉄セレンにおいて高温超伝導を担う電子の異常な秩序状態を観測
東北大学は12月4日、新型鉄系高温超伝導体のモデル物質である鉄セレンにおいて、超伝導を担う電子が、異常な秩序状態を形成することを観測したと発表した。

同成果は、同大 原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の高橋隆教授、谷垣勝己教授、および同大大学院 理学研究科の中山耕輔助教らによるもの。詳細は、米国物理学会誌「Physical Review Letters」のオンライン版に掲載される。

鉄セレンは、鉄系超伝導体の中で最も単純な結晶構造を持つことから、超伝導機構の解明に向けた基礎科学的な面でも、モデル物質として期待を集めている。高温超伝導が起こる起源を解明するためには、超伝導を担う電子の状態を調べることが重要だが、高品質の鉄セレン結晶を作成することが極めて困難だったため、この物質の電子状態はこれまで明らかになっていなかった。

今回、研究グループは、鉄セレンの高品質単結晶の育成に成功し、外部光電効果を利用した角度分解光電子分光という実験手法を用いて、鉄セレンから電子を直接抜き出して、そのエネルギー状態を高精度で調べた。その結果、超伝導が発現するよりも高い温度(110K)で電子のエネルギー状態に大きな変化が起こり、伝導面を縦方向に動く電子と横方向に動く電子で、動きやすさに違いが生じることを明らかにした。

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