アース・スターノベル、レーベル創刊の2冊のオーディオドラマを無料公開! 収録直後の釘宮理恵からのメッセージを紹介
メディアミックスコミック誌「コミック アース・スター」でおなじみのアース・スター エンターテイメントより、新たに小説レーベルが始動! 2014年12月12日には、『スライムなダンジョンから天下をとろうと思う。』(著:再藤、イラスト:椎名優)と『京都多種族安全機構』(著:赤井紅介、イラスト:植田亮)の2冊が刊行される。
その創刊に先立ち、TV-CM放送とオーディオドラマの制作が決定。TV-CM放送、オーディオドラマともに、釘宮理恵と鳴海杏子の2人が声を担当する。そこで今回は、『スライムなダンジョンから天下をとろうと思う。』のオーディオドラマではストロフライ役、『京都多種族安全機構』では冬乃役を演じる釘宮理恵が、オーディオドラマを演じるにあたっての姿勢や苦労などのエピソードを語ってくれた。
○オーディオドラマ概要
■『スライムなダンジョンから天下をとろうと思う。』オーディオドラマ黄金竜の入浴編
ダンジョンの中で、スラ子とストロフライが出逢って!?
著・脚本 …… 再藤
スラ子 …… 鳴海杏子
ストロフライ …… 釘宮理恵
■『京都多種族安全機構』オーディオドラマ魅惑のもしもし編
冬乃は、伊都那に連絡手段の携帯電話を持たせようと!?
著・脚本 …… 赤井紅介
冬乃 …… 釘宮理恵
伊都那 …… 鳴海杏子
○釘宮理恵が語るオーディオドラマ収録
――まずは収録お疲れ様でした
釘宮理恵「すごく楽しい収録でした。
最初、"ラジオドラマのようなものを二作分"というお話を聞いたとき、大変そうだったので、何か資料をいただけますか? とお願いしたら、原作の原稿が二作分丸々届いたんです。とにかく全部読まないと、どんな感じの作品になるのかわからなかったので、頑張って読みました(笑)」
――どのような収録になるか最初は聞いてなかったのですか?
釘宮「原作の文章を長めに録り、いくつかの話数に分けて、ラジオやWEBなどで流すのかなと思っていたのですが、オリジナルの台本が届いて、ちょっとビックリしました」
――少し予想外だったのですね
釘宮「オリジナルの台本は外伝のような感じだったのですが、事前に作品を読み終わっていたおかげで、自信をもって収録に挑むことができました」
――基本的に原作はきっちりと読むほうですか?
釘宮「時間があれば、になりますが、できるだけ読みたいと思っています。台本化されたときにこぼれてしまったヒントが、原作を読めばすべて書かれていると思っているので」
――役を演じる上でのヒントを探るみたいな感じですね
釘宮「そうですね。やはり台本だけだと、どうしても情報量が少なくなってしまうことが多いので、細やかな心理状態などは原作からヒントをもらうようにしています」
●『京都多種族安全機構』では関西弁に挑戦
――原作を読むとき、自分が演じる役を意識しますか?
釘宮「最初はできるだけフラットに読むようにしています。役を意識しながらもう一度読むこともありますが、時間がない場合は、とにかく普通の読者の視点で読みます。そのほうが、作品の面白さが客観的に読み取れると思いますし、作品自体も好きになれるような気がします」
――キャラクターは実際の収録になってから作る感じですか?
釘宮「実際に耳で聴いて、相手の方とのバランスをとっていく感じです。何となくのイメージはしますが、特に音読して練習したりはしないです」
――口に出して練習はしないのですか?
釘宮「言いづらい言葉は口に出してみたりもしますが、喋り方などはあまり決め込まずに現場に行きます。今回もスラ子ちゃんのお芝居を聞いたとき、ふんわりした可愛い感じだったので、ストロフライは、あっけらかんとして元気一杯で、ズケズケものを言うような感じにしました。
今回は二人きりの収録だったので、そのほうが聞きやすいと思ったので」
――そのあたりはブースに入ってから考えるのですか?
釘宮「ブースに入ってから考えます。最初のテストのときはもうちょっと可愛い感じでやってみたんですが、対比などを考えながら変えていきます」
――それはほかの現場でも同じですか?
釘宮「基本的には同じです。ただ、例えば自分がインパクトのある役をいただいている場合は、"こんな感じです"と先に出したりもしますし、役割によって変わることもあります。あまり先に決めちゃうと、それは違うと言われたときにショックを受けると思うので、あまり作らずに現場に行くことが多いです(笑)」
――事前に役作りはあまりしないのですね
釘宮「最初に原作を読んだときの印象を大事にして、それをベースに現場で演じます」
――『京都多種族安全機構』のオーディオドラマでは、関西弁の役でした
釘宮「関西弁が本当に難しかったです。さらに関西弁だけじゃなく、標準語のモノローグがすぐ後に入ってくるので、ハードルが高くて……。イントネーションを気にしすぎるとアップアップになっちゃうので大変でした」
――これまであまり関西弁の役はやっていらっしゃらないような……
釘宮「ほとんどやったことはないです。親戚が関西にいて、関西弁を聞く機会はあっても、基本的に話すことはないので……」
――収録を聞いていた作家さんは完璧だったとおっしゃっていました
釘宮「そういっていただけるとすごくうれしいです」
――そういう意味では、どうして釘宮さんが関西弁の役になったのでしょう
釘宮「そうですよね。 なんでなんでしょう」
制作スタッフ「釘宮さんならできるんじゃないかと思って(笑)」
釘宮「(笑)。
最初に台本を読んだときドキッとしましたよ。これが東北弁とかだったら、絶対にムリだったと思います」
――今回、二作分のオーディオドラマを演じられましたが、それぞれの作品についてはいかがですか?
釘宮「それぞれ面白さの質が違いますね。『スライム……』は、すごくサクサクと読める作品で、主人公のマギ君の、失敗したり弱気になったりした心の機微が全部書いてあるので、可愛いやつだなと。『京都……』のほうは、本当に緻密にいろいろなことが描写されているので、読みながらどんどん世界観に触れていく感じが面白いと思いました」
――『京都……』は謎が多重になっていて、読み応えがありますよね
釘宮「話を読み進めていく楽しさがありますね。すこし難しいところもありますが、作中でちゃんと導いてくれるので、謎が気になって、追いかけてしまうところがあると思います。そして、どちらの作品もキャラクターがすごく魅力的です」
●立ち位置によっての演じ分け
――今回のオーディオドラマを収録して、もっと演じてみたいと思いましたか?
釘宮「今回はどちらも二人芝居だったので、ほかの登場人物たち、主人公はもちろん、脇を固めるキャラクターと、もっと賑やかに世界を構築できたら楽しそうだなと思いました。私は、基本的に周りの方のお芝居に乗っかっていくスタイルなので」
――周りにあわせて演じ方も変わっていくわけですね
釘宮「やはり、物語の核を背負う場合と背負わない場合で、心の持ちようがちょっと変わってきます。『京都……』のように、核を背負っていくキャラクターを演じる場合は、ストーリーにあわせて、成長させていかないといけないという気持ちになりますし、『スライム……』のように、脇を固めるような役の場合は、主人公たちが成長できるように、良い作用を及ぼす存在でありたいと思います」
――役の立ち位置によっての演じ分けがあるわけですね
釘宮「最近はボスのような役を演じることが増えてきたのですが、ボスって、ちょっと良からぬことを考えていたりするじゃないですか。
そうなると、逆に平和な役を演じるときの幸せ感が増したりします。ボスを演じるときは、自分で自分を精神的に追い詰めていくんですが、そのキリキリした感じがとてもヘビーで……。でも、それくらい追い詰めないと、満足のいく芝居が自分では出来ないと思っています。逆に、何も考えずに演じられる平和な役は幸せだなと思いながら演じています」
――たくさんのキャラクターを演じる釘宮さんならではの大変さもあると思いますが、実際に演じる役に影響を受けるタイプですか?
釘宮「役によります。まったく作用されない役もありますが、性格的だったり、精神的だったりが、普段考えていることとまったく違うような役どころだと、瞬間瞬間でのめり込まないと出来ないことがあるので、それもひとつの経験だと思って演じています」
――完全に入り込むことはないですか?
釘宮「お芝居の師匠みたいな方に『完全にのめり込んでしまってはいけない』と教わったんです。9割のめり込んでもいいけど、1割は冷静な部分を残しなさいと。教わった当時は、意味がよくわからなかったのですが、いざ仕事をしてみると、たしかに1割の冷静さって必要だなと思いました。それはマイクワークだったり、自分の立ち居振る舞いだったり、お芝居をしていないところでの気遣いだったりするのですが、例えば泣いているシーンがあった場合、泣きすぎて言葉が不明瞭になったら意味がないじゃないですか。
感情を込め過ぎて、セリフが伝わらなくなるようなことがないように、1割の冷静さを保たなければならない。その意味が最近になってわかるようになってきました」
――あくまでも演技であって、リアルではないですからね
釘宮「そこのせめぎ合いなんですよね。どこまで演技をリアルに近づけられるか。そこをいつも攻めているつもりです」
――それでは最後に読者の方へのメッセージをお願いします
釘宮「それほど長すぎない時間の中に、キャラクターたちの魅力がたくさん詰まったドラマになっていると思います。たくさんの方に聴いていただきたいですし、この番外編で興味を持っていただいて、ぜひ原作のほうもあわせて読んでいただけるとうれしいです。そして、これからもっとたくさん演じる機会があるように、皆さんに応援していただけると本当に幸せです。どうぞ応援してください。よろしくお願いします」
――ありがとうございました
■現在放送中のTV-CM映像
釘宮理恵と鳴海杏子が演じる『スライムなダンジョンから天下をとろうと思う。
』と『京都多種族安全機構』のオーディオドラマは、現在アース・スターノベルの公式サイトにて配信中となっているので、早速チェックしてみよう。