東京都・表参道でファッションを取り巻く"社会のあり方"を問うアート展
同展では、フィンランドと日本、2つの国のファッションデザイナーとアーティストとがペアを組み、服そのものではなく、グローバル経済における大量消費や持続可能性、ジェンダー、審美性、階級差など、ファッションを取り巻く社会のあり方について問題提起を行うアート作品を展示する。2012年、フィンランドのアモス アンデルソン美術館で開催されたファッションとアートの融合展「Boutique」をベースに、新たに日本版として発展させたものだ。
服飾デザイナーのティモ・リーサネンとビジュアルアーティストのサラ・サリーンは、「大量消費文化」にスポットを当てた作品「15%」を出品。一般的な洋服は全材料の85%のみを使用し、残りの15%は廃棄されているという事実を表現するため、実際のTシャツの"15%"にあたる部分と85%分の布を提示する映像インスタレーションを展開する。
また、レディー・ガガが愛用する靴のデザイナーとして注目を集める舘鼻則孝と、自らの顔をモチーフとした作品を描く画家の松井えり菜は、童話「シンデレラ」をモチーフにした作品を発表。身につけるものが演出する力、そして本当の幸福とは何かを考えさせる。
そのほか日本からは、「日本の美意識」を現代に活かす服づくりに取り組む気鋭のファッションフブランド「matohu(まとふ)」とロングライフデザインのセレクトストア「D&DEPARTMENT」などを手がけるナガオカケンメイら参加する。
なお、植原亮輔と渡邉良重によるデザインユニット「キギ」が同展のビジュアルイメージを担当するほか、同展と連動したエントランスのウインターデコレーションを手がける。