心拍数を計測できるウェア型デバイス「hitoe」を着て実際に走ってみた
ランニングやトレーニングの活動量を計測できるアプリ「Runtastic」に、ドコモ版「Runtastic for docomo」が登場した。さらに、着るだけで心拍が計測できるウェア「hitoe」とも連携するという。
心拍がとれたからなんなの? と思うかもしれないが、トレーニングをするのに心拍数は重要な要素だ。というのも、脂肪を燃焼させるのに効果的な心拍数は人によって異なっており、その数値を保ちながら運動するのが望ましいからである。計算方法は省略するが、上がりすぎてもダメだし、低すぎてもダメなのだ。
ということで、リアルタイムに心拍が計測できるドコモの「hitoe」は、ダイエットに悩むすべての男女にとって注目に値するウェアラブルデバイスというわけだ。
こちらが「hitoe」。パッと見はナイロンっぽいが、シルクや合成繊維に液晶ディスプレイや静電気防止コートにも活用される導電性高分子素材が使われており、一般の衣服よりもむしろ着心地は柔らかく良好だ。
胸の真ん中に電極があり、ここにトランスミッターを接続して心拍を計測する。トランスミッターを外せば、普通に洗濯することもできる。ちなみに「hitoe」にはhuman(人間)、intelligence(情報・知能)、to(~のほうへ)、expand(拡張する)という意味が込められている。
hitoeで計測した心拍は、トランスミッターを介して自動的にスマートフォンに送信され、「Runtastic」アプリでリアルタイムに表示されるというわけだ。しかし、本当にリアルタイムに計測できるのか。その精度が気になるところである。
●hitoeを着用
実際に使ってみよう。hitoeを着用して胸にトランスミッターを接続する。
hitoeはかなり体にフィットするが、伸縮するので幅広い体型に対応できる。強度もなかなか高そうだ。
電極は3つあるので、パチンパチンと強めに留めていこう。トランスミッターは長押しすることで電源のオンオフが可能だ。緑のランプが点灯したら、電源が入っているということ。
次にトランスミッターをスマートフォンと連携させる。ドコモのスマートフォンから「Runtastic」アプリを起動。接続にはBluetoothを使用するので、あらかじめスマートフォンのBluetoothをオンにしておくのを忘れずに。
なお、docomo IDがあれば、他キャリアのユーザーも利用可能だ。
アプリを起動したら、「Runtastic」アプリのメニューから「心拍数」を選択し、デバイスをスキャン。Bluetoothがオンになっており、トランスミッターの電源が入っていれば、hitoeを検出できるのでタップして接続する。
今回お借りしたのがベータ版ということもあり、接続はするものの、脈拍がとれずに「0」と表示される場合があった。そんなときは、再起動するか、トランスミッターとhitoeを胸に押し当てるなどしてみよう。
「現在の脈拍」に数値が表示されたら接続成功だ。「プログラム開始時にデバイスに自動接続」をチェックしておけば、次回の起動からはいちいちこのステップを踏まなくて済む。
●hitoeを使ってみる
さて、実際に走ってみよう。
……といっても特別なことは何もない。Bluetoothの接続が切れないようにスマホを携帯するだけでOK。先ほどは接続に多少手間取ったが、一旦つながってしまえば、後は勝手に接続が切れるようなこともなかった。
「Runtastic」はもともとランニングのためのアプリで、GPSから現在位置を特定し、今どこを走っているのかを地図上に表示してくれる。走った距離や消費カロリーも計測できるのもポイントだ。これらは「Runtastic」単体の機能で、ここにhitoeの心拍測定機能が加わった形である。
上部のメニューのアイコンをタップすれば、音楽を再生したり写真を撮ったりもできる。走りながら記録をつけるのもいいだろう。
疑り深い性格なので、本当に心拍数がリアルタイムに計測できるのか、走りながらスマートフォンの画面をチェック。画面に表示される心拍数は小刻みに上下しており、信号で止まれば下がり、ペースが上がれば上昇する。体感的にも、かなり正確に数値を測定できているという印象を受けた。これは肌の2カ所から電位差を計測しているためで、従来のような脈拍を測定するタイプよりも正確に心拍がとれるのだという。
今回はランニングで使用したが、この精度でリアルタイムに数値がとれるのなら、心拍数の上下が激しいトレーニングでも十分使えるだろう。
ちなみにトランスミッターは1回の充電で連続24時間の駆動が可能となっている。今回は細かく手順を書いたが、実際には最初の設定さえしてしまえば、トランスミッターの電源をオンにしてhitoeに装着し、アプリを起動するという3ステップで準備が完了する。この手軽さも魅力だろう。
脈拍から心拍数を測定するツールはこれまでにもあったが、hitoeは前述したように測定方法の精度が高く、心拍数を正確にとることができる。心拍をコントロールしたトレーニングを行っている人にはぴったりのツールだ。