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めちゃくちゃ充実の米国のAmazon Prime、どんな特典がある?

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めちゃくちゃ充実の米国のAmazon Prime、どんな特典がある?
●米のPrimeサービスは日本円で月1万円超だが……
米AmazonがNY市の一部地域で、受注から最短1時間以内で商品を届ける「Prime Now」を開始した。Amazonの動向をチェックしている人は、ここ数年の間に同社が"Prime会員向け"のサービスをどんどん増やしていることに気づいているはずだ。映画・TVプログラム・音楽の無料ストリーミング、日用品プライベートブランド販売、タイムセールへの優先アクセス等々。文字通り"最高(prime)のAmazon体験"を提供するサービスになっている。

○米Amazonで増加するPrime会員向けサービス

米Amazonが米ニューヨーク市の一部地域で、受注から最短1時間以内で商品を届ける「Prime Now」を開始した。試してみたところ、本当に30分とかからずに商品を入手できた。「早っ!!」と驚くしかない。サービス名にPrimeと付いているように、Prime Nowは「Amazon Prime」会員のみが使えるサービスである。
Amazonの動向をチェックしている人は、ここ数年の間に米Amazonが"Prime会員向け"のサービスをどんどん増やしていることに気づいていると思う。

Primeは様々な特典を用意したAmazonの有料会員制サービスだ。「Amazonプライム」として日本でも展開しているが、日本と米国ではサービスの内容、AmazonがPrimeを提供する狙いが異なる。年会費を比べると日本国内のプライムが3,900円であるのに対して、米国のPrimeは99ドル(約11,900円)。フリーミアムモデルとしては高額な部類だが、それを高いと思わせないほどサービスが充実している。Prime NowのようにPrime会員しか利用できないサービスも多く、米国においてPrimeは文字通り"最高(prime)のAmazon体験"を提供するサービスと見なされており、順調に会員を増やし続けている。

米Amazonの成長ドライバーとなっているPrimeとはどのようなサービスなのか。Amazon好きを増やしているPrimeの魅力をまとめた。


●Primeサービスの内容
○米Amazon Prime、驚きのサービス内容

日本のアマゾンはプライム会員に2つの特典を提供している。1つは、お急ぎ便・日時指定 (対象商品: 1800万点以上)」、そして特別取扱商品の取扱手数料の無料化。これら配送に関する特典は家族会員(2人まで)も受けられる。もう1つは「Kindleオーナーライブラリー」で、対象になるKindle書籍(数千冊)を月に1冊、無料で読める。

米国のPrimeではお急ぎ便(2営業日の配達)と標準便が無料になり、家族会員の制限が最大4人まで。Kindleオーナーライブラリー(500,000タイトル以上)も含まれるほか、さらに以下のようなサービスを提供している。

Prime Instant Video:映画とTVドラマ/バラエティ番組を無料で無制限ストリーミング。対象コンテンツは40,000タイトル以上。

Prime Music:100万曲以上の音楽を広告なしで無制限ストリーミング。
Prime Photos:オンラインストレージAmazon Cloud Driveで写真を管理、容量無制限。
Prime Pantry:日用品や非生鮮食品を宅配。Costco(コスコ)に対抗するサービスと言われている。巨大な専用ボックスを使用し、送料は1箱5.99ドル。
Amazon Elements:おむつやおしり拭きなど、Amazonプライベートブランドの日用品を販売。
Prime Early Access:Amazon.comのタイムセール(Lightining Deals)とMyHabit.comの新イベントの一部に30分早くアクセス可能。
Kindle First:発売日のひと月からKindle版書籍へのアクセスを可能にするKindle Firstプログラム。
ひと月に4冊が選ばれるKindle First書籍の内、1冊を無料でダウンロードできる。
Prime Now:受注後すぐに配達するサービス。対象製品は日用品、家電、玩具、事務用品など25,000アイテム以上。1時間以内の配達は7.99ドル、1時間よりも後なら無料。現在、米ニューヨーク市の一部地域で提供中。

●AmazonがPrimeを提供する狙い
○Primeサービス2つの狙い

AmazonがPrimeを提供する狙いは2つある。一つはAmazonに利用者を定着させること。米国でお急ぎ便は8ドル-15ドルなので10回ぐらいの買い物で年会費分になる。
標準便なら20回程度だ。もし映画のストリーミングサービスの契約を検討しているのなら、競合するオンラインストリーミングサービスは8ドル/月程度なので、Primeを契約したら映画・TVのストリーミングとAmazonで1回買い物をするだけで年会費分に達する。「それぐらいなら使いそう」と思わせる割安感。でも、契約したらAmazonのサービスを使わないともったいないと思わせる絶妙な料金設定で、Amazonにユーザーを引きつけている。

もう1つは、Amazonの進化を加速させること。有料会員になるぐらいだから、Prime会員は一般会員よりもAmazonへの関心が高く、まったく新しい種類のサービスや商品でも試してくれる可能性が高い。そこで同社は、Prime会員を新市場開拓のコアに位置付けている。例えば、Instant VideoやPrime Musicなどデジタルコンテンツの利用を促すサービスをPrimeで積極的に提供し、スマートフォン「Fire Phone」や音声アシスタント・スピーカー「Amazon Echo」といった新デバイスをPrime会員には最初から割り引き価格で販売している。
Amazonが開発中のドローンを使った配達システムも名称が「Prime Air」となっているので、もし実現したらまずはPrime向けのサービスとして投入する可能性が高い。

○2014年はAmazonの伸びに陰りも……

今年7月に発表したFire Phoneの売り行きが思わしくなく、7-9月期決算では市場予想を上回る赤字になって株価が急落するなど、2014年はAmazonの伸びに陰りが見えた年だったと言える。短期的な利益を犠牲にして長期的な成長に投資するAmazonの戦略に疑問符を付ける投資家も増えている。それでもAmazonが強気の姿勢を崩さないのは、米国においてAmazon支持者の規模を示すPrime会員が今も順調に増加しているからだ。利用者は利益ではなく、Amazonが提供するサービスや製品、同社のユニークさを評価する。熱心なAmazonユーザーの増加が、競争力のあるサービスや製品の投入、失敗のリスクもはらむ挑戦を後押ししている。Primeは、Amazonの進化の源泉になっている。

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