2014年12月30日 09:00
沖縄銘菓「ちんすこう」の秘密 - 作り方って? 地元民の味わい方って?
沖縄名物・ちんすこうは、現地に旅行したことがないという人でも、お土産などで一度は口にしたことがあるのではないだろうか? さっくりとした口当たりとやさしい甘さは、クッキーなどの洋菓子とも似通ってはいるもののどこか独特。日本の他地域では作られていない、唯一無二の存在だ。それにしても気になるのがその誕生経緯。ちんすこうは、いつ、どのようにして生まれたお菓子なのだろう?
○琉球王朝時代から伝わる伝統の味
その疑問に答えてくれたのは、県内に店を構える新垣菓子店の研究開発部・大城裕子さん。昭和7年(1932)創業という長い歴史を持つ同社は、ちんすこうをはじめとした数々の銘菓を生み出し続けている名店だ。
「ちんすこうは、琉球王朝時代から伝わる非常に歴史の長いお菓子です。由来から製造方法まで記された書物もあったのですが、残念ながら戦争によってほとんどの資料が焼失してるんです」。
大城さんによると、ちんすこうはもともと、菊の花の型を使って職人が一つひとつ手作りしていたという。
しかし戦後、同社創業者である新垣淑扶(しゅくふ)氏によって、焼き型の形状が、現状のギザギザした細長い型へと改良。このことによって食べやすさがアップし、大量生産されるようになり、みるみる人気菓子へと成長した。