2014年12月30日 12:00
マイナビニュース編集部テクノロジー担当が選ぶ2014年の10大ニュース(後編)
○近大マグロが量産開始 - 世界進出への準備進む
寿司の定番といえばマグロ。現在、乱獲によってその数を減らしており、漁獲制限が設けられるなど保護の対象となっており、このままでは食べることができなくなってしまうのではないかと危惧されている。こうした状況の中、2002年に世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功した近畿大学(近大)が今年7月、豊田通商と連携してクロマグロ稚魚の生産事業や海外での事業化に本格的に進出すると発表した。
同大学のクロマグロ稚魚の年間生産量は現在約40万匹で、2020年に合計70万~80万匹までに拡大する計画だという。これはクロマグロの国内消費量の1割に相当する。豊田通商は近大と2010年からクロマグロ中間育成事業の業務提携を進めており、引き続き近大が研究・技術開発を、豊田通商が量産化の役割を担う。
豊田通商が養成したクロマグロは11月、近畿大学によって「近大マグロ」として認定を受けたことによって、近大以外の施設でも養殖できることが示されたほか、年間供給量は現在の80t(2000尾)から1.5倍の120t(3000尾)となり、2020年には240t(6000尾)まで引き上げることが可能となった。