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「IoT/ウェアラブル」「ディスプレイ」「無線」からモバイルの未来が見える - 2015年のスマホはこれに期待(第6回)

マイナビニュース
「IoT/ウェアラブル」「ディスプレイ」「無線」からモバイルの未来が見える - 2015年のスマホはこれに期待(第6回)
●将来の方向性を知るためのポイント
2015年の注目のスマホ関連サービスは過去を探ることで見えてくる。では、どんなニュースに注目したらいいのか。本連載では、マイナビニュースで執筆するライターに、期待が持てる2014年のスマートフォン関連ニュースについて取り上げもらう。第6回は塩田紳二氏のレポートをお届けする。

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モバイルデバイスに関連するさまざまなテクノロジーのニュースがあったが、漠然とニュースを紹介してもどうしようもないので、多少将来の方向性を想像して、それにそってニュースを見ていくようにしよう。

ポイントは「無線」、「ディスプレイ」、「IoT/ウェアラブル」関連の技術だ。すでにスマートフォンと組み合わせるウェアラブルデバイスであるスマートウォッチやディスプレイであるGoogleのGoogle Glassなどが製品として出荷されている。

また、ARMのmbed OSのようにIoT機器側にも高機能な通信を可能にするオペレーティングシステムなどが搭載されることを考えると、現在さまざまな機能を搭載しているスマートフォンやタブレットから、センサーやカメラ、ストレージ、ディスプレイといったさまざまものがIoT/ウェアラブルデバイスとして分離し、それらを適宜組み合わせて利用するといった方向が見えてくる。


現在でも、大画面やプロジェクタが必要ならば、アダプタやMiracastなどの無線技術を使って据え置き型の表示機器と接続して利用できる。また、スマートウォッチは、スマートフォンが発した通知などを表示しつつ、音声によるスマートフォンの操作などを可能にしている。

●モバイルデバイスの使い方が変わる
○ディスプレイは切り替えて使用することに

こうした方向からみると、将来的にはディスプレイであっても、本体とは別にさまざまな種類のディスプレイを切り替えて利用するという方向性が見えてくる。スマートフォンの画面が大型化して、タブレットとの境界があいまいになってきたが、将来的には、ディスプレイ(やタッチパネル)は、本体と分離して、腕時計、メガネ形、大小さまざまなサイズのディスプレイ、そしてテレビ、プロジェクタと必要に応じてディスプレイのみを使い分けることになると思われる。

もちろん、全部持ち歩く必要はなく、今日はプライベートで出掛けるから腕時計のみ、仕事をするから10インチの大型ディスプレイ、あるいは設計作業をするなら触覚応答機能付きディスプレイと使い分けするような方向が考えられる。もちろん、本体にディスプレイが付いていてもかまわないが、なくてもかまわない。そうなると、スマートフォンやタブレットといった切り分けもなくなってしまうかもしれない。

同様に、カメラ、GPS、加速度といったセンサー類は、IoT/ウェアラブルデバイスとして適切な位置に装着、あるいはカバンやポケットにいれて持ち歩くといったことになるのではないだろうか。
消費電力が小さく、それほど高い性能を持たない組み込み系のプロセッサであっても、そのハードウェア規模に応じた通信機能が装備されることになる。このとき、組み込み系オペレーティングシステムを利用することで、開発効率が上がるとともに、安定した通信が可能になると思われる。

さらに、グラス形や腕時計形のディスプレイは、常に情報を表示し続けることもできるだろうし、あるいは、映像でなく、Bluetoothヘッドセット経由での音声による通知なども可能だろう。「マルチモーダル」と呼ばれるユーザーインターフェースでは、ユーザーへの働きかけを映像、音声、触覚など複数の方法で可能にする。年中、グラス形ディスプレイを装着している必要はなく、場所や活動状態によっては、単に触覚のみ、音声のみといった通知だけでもかまわないかもしれない。

●無線通信も必須に
○Wi-Fiの重要性が増す

現在のアンドロイドでも、「重要」な通知とそうでない通知を区別できるが、さらには、その原因や相手などに応じて、自動での応答、あるいは、予想されるコミュニケーション内容に応じて、着信とともに資料をダウンロードするといった「プロアクティブ」な動きをすることも可能になると思われる。

こうした場合に必要になるのが高速な無線通信だが、モバイルネットワーク(3G/LTEなどのネットワーク)は、周波数割り当ての問題、基地局数、カバー率の問題などもあり、現在の無線LANのように機器を買ってきてつなぐだけ(免許が不要)の無線LANのようなネットワークを補助的に利用することになると思われる。日本にいると比較的モバイルネットワークが安定しているが、海外では、無線LANを併用するのが多く、たとえばEU圏の飲食店などでは「Wi-Fi使えます」的な表示をしていることが多い。


こうした領域では、IEEE 802.11aiのようなFIA(Fast Initial Access)のよう技術や、同じ帯域で多数の端末が同時通信が可能な「Unlicensed Spectrum」でのLTE技術の利用といったことが想定できるだろう。また、複数のIoT/ウェアラブル機器とその他の機器などを利用する場合、それぞれ低消費電力であることが求められるが、小型化することを考えると交換式のバッテリではなく、埋め込まれた充電式のバッテリを使うことが想定される。だとすると、それぞれをケーブルで充電することは実用的ではなく、なんらかの無線給電方式が採用される可能性が高いと思われる。無線給電(ワイヤレス充電)は、すでに実用製品が登場しているが、複数機器の同時充電や充電時間の短縮といった方向性が必要になると考えられる。

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