花澤香菜×関智一『劇場版 サイコパス』対談 -「狡噛さんに何度キュンとしたことか!」「おいしい登場の仕方」
完全新作となるアニメーション映画『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』が1月9日より全国で公開される。
『PSYCHO-PASS サイコパス』は、総監督の本広克行氏(『踊る大捜査線』シリーズ)、ストーリー原案の虚淵玄氏(ニトロプラス/『魔法少女まどかマギカ』『仮面ライダー鎧武/ガイム』)をはじめとする豪華クリエイター陣が制作も大きな話題を呼んだ近未来SFアニメーション。人々の精神が数値化される近未来で、正義を問われる警察のドラマを描き、緻密かつ大胆に書き上げたディストピアSF作品としてファンが拡大し、シリーズ構成に冲方丁氏が参加した第2期『PSYCHO-PASS サイコパス 2』が昨年12月に最終回を迎えた。
その続編となり、完全新作のアニメーション映画として公開される『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』の舞台は、日本政府が紛争国に「シビュラシステム」と無人ロボット・ドローンの輸出を開始した2116年。公安局刑事課一係の常守朱は、ある男を追いかけ、「シビュラシステム」をかい潜るテロリスト捜査のため水上都市シャンバラフロートへ。新たなる地にもたらされた正義の真実が明らかになるという。今回は満を持しての公開となった『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』について、狡噛慎也役の関智一と常守朱役の花澤香菜に話を伺った。
――まずは、完成した『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』の率直なご感想をお聞かせください。
関:めちゃくちゃ格好良かったです! ワクワクポイントがかなりあり、30分に1回ぐらい良い感じに展開が変わっていくので、飽きないで観られるのもいいですね。作劇的に時間を気にして観ていたんですよ(笑)。
花澤:それは作り手の見方ですよ!(笑)。異国の雰囲気は今までの『サイコパス』とはちょっと違っていて、観ていてドキドキでした。そして狡噛さんが出てきてからは狡噛さんに何度キュンとしたことか(笑)。小声で「かっけぇ~」と何回も言っちゃいました。第1期から見ていた人にとっては本当に堪らないキャラクター同士の絡みが見られますので、注目して欲しいです。
――第1期、第2期を経て、劇場版のアフレコはいかがでしたか。
花澤:第2期の朱ちゃんは心が締め付けられる出来事がたくさんあって、辛かったんですよね。そこからの劇場版でしたので、「あの緊張感から開放された」というのが一番大きかったです。収録後、1人で駅まで歩いている途中にほろほろ涙が出てきてしまって。涙が止まらなくて何駅も歩いちゃいました(笑)。
関:知らない人が見たら危ない女性ですよ(笑)。
花澤:だから、達成感というより開放感が大きいです。まだ続きそうな予感もしますし、達成感には至っていないかもしれないです。
関:狡噛はまさかの第2期に出番がほとんどないという(笑)。
劇場版でも「あれ? もしかしてもう出てこないのでは?」という感じもして。でも、おいしい登場の仕方だったので、出番は量より質だなとあらためて勉強になりました。
――狡噛慎也にとっては、久しぶりに常守朱との本格的な対面ですね。
関:成長ポイントがめじろ押しですよね。(狡噛は)あまり顔色を変えていなかったですけど、結構びっくりしていると思います。めっちゃ格闘技が強くなっているし(笑)。監視官としてバシッと現場を仕切り、上層部とも対等に渡り合いすごいなと思いました。ある意味、狡噛ができなかったことをやろうとがんばっているわけですから、尊敬に値すると狡噛も思っていますよ。
――朱と関係性において、演技面で意識した点はありますか?
関:信頼しあっていればすぐに今まで通りの会話ができると思いましたので、「何も変えずに当時のまま」を心がけました。
●花澤香菜「これで終わりな気がしないのはなんでしょう」と続編にも期待
――関さんは12月に最終回を迎えた『PSYCHO-PASS サイコパス 2』をどうご覧になりましたか?
関:第2話までと狡噛が出たエピソードは見ましたが、それ以外はあえて見なかったんですよ。狡噛が知らない事件ですから、見ていない方がいいかなと思って。
花澤:余計な感情が入ってきちゃいそうですもんね。
関:そうなんです。宜野座といい感じにやっていて、宜野座が「あんなやつのことを忘れた方がいい」みたいなことを言っていたので、そういうのを見ちゃうとね(笑)。
花澤:そんなことは言ってないですよ!(笑)。
関:なので、狡噛と同じ立場で成長した姿を見るのを楽しみにしていました。
――では、それぞれご自身が演じるキャラクターの印象を改めて。関:どんな環境でもしっかりやっている"生命力の強さ"です。困難があっても腐ることなく自分のやれることを最大限にやっていて、汚れ仕事も引き受けるのは、男性として憧れますよね。かといって女性にあんまり色目を使わないし、モテる男の代表のような感じだなと。でも唯一、朱ちゃんと一緒に夜を過ごすシーンは、たぶんさすがの狡噛もムラムラしていたはずですよ(笑)。それをも我慢しているのが格好いいなと。魅力は"我慢強さ"です!(笑)。
花澤:朱ちゃんは第1期の最初から正義感や優しさなどが人間的に素晴らしくて、こういう女性になりたいと思えるのが魅力ですね。
本作では、海外でのシビュラシステムの運用が描かれていて、第2期ではシビュラシステムに影響を与える存在にまで成長して、朱ちゃんがこれからどんな大きな存在になっちゃうんだろうかと、ちょっと不安です(笑)。
――お二人が演じる狡噛慎也、常守朱以外で気になるキャラクターは?
花澤:先ほども言いましたが、ファンのみなさんにとって「これが見たかった!」って思うようなキャラクター同士の絡みが見れるのは、注目ポイントですね。
関:宜野座は狡噛がいなくなりお父さんもいなくなって、朱ちゃんや公安局を守るために男らしくなっちゃって。冒頭にガサ入れのシーンがあるんですけど、やたら格好良くてちょっとジェラシーでした(笑)。
――そういえば、劇中では英語で喋るシーンもありますね。
関:僕は日本語しか喋れないので、この作品にも出ている木村昴くんに英語の発音をカタカナに書き起こしてもらいました(笑)。僕と木村くんは、他の作品のキャラクターではガキ大将と子分みたいな関係なでもあるのでそういうのもなんか面白いですよね。
花澤:私も英語は全然できなくて。
でも、皆さんに比べたら英語の台詞数は少なかったのでがんばりました(笑)。
――演出や戦闘シーンについてはどうでしょう。
花澤:戦闘シーンの迫力がすごかったです。ぜひ劇場で楽しんでいただきたいと思います。
関:オープニング、冒頭のシーンからタイトルが出てくるまでの流れが格好良くて好きです。タイトルバックがあることをすっかり忘れるぐらい見入っていたので、その演出にさらにワクワクしました。
――劇場版だからこその"タメ"が効いた演出でしたね。
関:そうなんです。ブリーフィングのシーンもしっかり描かれていて、劇場版ならではの尺の使い方だなと思いました。それによって朱ちゃんの成長ぶりがわかりますし、オープニング前までに人間関係や世界観が全部詰まっていて、しかもしっかりエンタメしていて。勉強になりました。
花澤:これから映画作る人みたい(笑)。そうだ!朱ちゃんのシャワーシーンも結構長かったですよね!
関:でも大事なところは見えていなかったよね?
花澤:残念ながら見えていなかったです(笑)。
――2015年の抱負も込めて、最後にファンへメッセージをお願いします。
花澤:これで終わりな気がしないのはなんでしょうね。ゲームも出ますし、本屋さんにはスピンオフ作品や小説がいっぱい置いてあって、すごい広がり方だなと思っています。まだまだ演じる機会はあると思うので楽しみです。
関:そうですね。2015年もめーいっぱい応援してくださいね!ってことで。未年にかけて(笑)。
花澤:あっ! すごーい!!
『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』は1月9日より全国公開。
(C)サイコパス製作委員会