2015年1月9日 10:25
グッスマが国内工場を新設した意図とは? 安藝社長が描くホビー業界のビジョンと新たな挑戦
○将来を見据え、鳥取県に工場を新設
現在、フィギュアを始めとするホビー商品の生産は、ほぼ100%海外で行われている。特に生産の大半を担っているのは中国だ。これはグッドスマイルカンパニーに限った話ではなく、ホビー業界全体に当てはまる話である。人件費などのコストが日本よりも安く、さらに長く続いていた円高も大きな理由の一つだった。しかし、今後を見据えた時「このまま中国で生産のすべてを続けていていいのかという思いがあった」と安藝社長は話す。
「中国には出稼ぎ文化があり、人材が流動的です。特に生産計画を立てられる中間管理職の確保は非常に難しくなっているのが現状。ベトナムやフィリピン、マレーシアなどに工場を新設してリスクを分散する考え方もありますが、最近ではフィギュアの工程が増えて高度化しており、他国に持って行っても効率が落ちる可能性があるのです」
また、既存の工程で効率化を突き詰めようとすると、生産技術に関する「イノベーションが起きづらい」という問題もあったという。
こうした課題を解決すべく、安藝社長が選んだ次の一手が、国内工場の新設だったのだ。ではなぜ、鳥取県倉吉市だったのだろうか。
「色々な場所を検討したのですが、一番熱心に誘致してくれたのが鳥取県倉吉市だったのです。