日本人はスマホの連絡先情報を危険にさらしている? - シマンテック調査
シマンテックは14日、都内で最近のモバイルアプリの使用状況について行った調査の発表会を開催した。この発表会ではノートン事業統括本部マーケティングマネージャの植山周志氏が主な説明と進行を行った。
スマートフォンの使用状況として、ほとんどの人々が朝起きてからすぐにスマホをチェックしたり、深夜に起きてスマホをチェックすることが多いなど、日常的にスマホをよく使っているという。それだけスマホはユーザーに近い存在だということだ。
続いて、植山氏はこの調査の調査方法と目的を説明した。オンラインによるオムニバス調査で、米国、イギリス、日本などを含む先進国9カ国を対象とし、1カ国につき1,000人をターゲットにし、調査対象者は過去3カ月以内にアプリをダウンロードしたことがあるスマホ所有者になる。
○日本人は連絡先の漏洩を懸念しながらも、認識が不十分
この調査から、「日本人は身近な人とのやりとりよりも、ニュースのチェックや娯楽のためにデバイスを使っている」、「日本人の大半はウイルス感染を懸念している」、「日本人は銀行口座情報よりも、個人情報、連絡先の漏洩をもっとも懸念している」という傾向が見えてきたという。
しかし、そんな警戒をしているにもかかわらず、「多くの日本人が無料アプリを利用するために連絡先情報を提供している」、「大半の日本人はアプリダウンロード規約に同意する際、位置情報以外の情報提供に同意した認識が不十分」だという不注意な面も明らかになった。
総括的に言うと、個人情報、連絡先の情報漏れを心配してはいるが、アプリにデータを渡してしまっているということになるという。
●市場には300万もの不正アプリが存在
○不正アプリは連絡先や銀行情報を送信する
話はより具体的な不正アプリの話となり、「Android.SMS Send」をインストールすると、連絡先や写真、銀行情報などを送信するなどが紹介された。犯罪者はスパイウェアなども不正アプリを通してインストールが可能だという。
続いて、普通に流通しているアプリのなかに不正アプリ、迷惑アプリが存在することが紹介された。市場には実に300万の不正アプリ、800万のプライバシー侵害、迷惑アプリ、70万の高電力消費アプリが存在するという。不正アプリのインストール経路としては、「リンクからの感染」、「サイトからの感染」、「アプリマーケットからの感染」、「目を離した隙に第3者が直接、不正アプリをインストール」などの経路が主だという。
そうした、不正アプリを避けるには、「感染ルートからの回避」、「アプリインストール時の権限要求に注意を払う」、「スクリーンロックを設定する」などが重要だという。
●面倒な場合はセキュリティアプリにお願い
○面倒なのでセキュリティアプリに守ってもらおう
前項で紹介したように、不正アプリを避ける方法はいくつかある。
しかし、いちいち細かく注意を払うのは面倒だ。そこで「セキュリティソフトに守ってもらおう」という結論に。さすがにシマンテックの発表会なだけはある。そして現実的にもそれが正解だと一般的には考えられる。
現在のシマンテックが提供する、スマホ向けのセキュリティアプリ「ノートンモバイルセキュリティ」では「アプリアドバイザー」という拡張機能によって、ダウンロードする前にアプリを診断し、セキュリティリスクをチェックすることができる。
これはなにもダウンロード前にスマホ内のノートンアプリがセキュリティに関するチェックを行うのではなく、ノートンのセキュリティセンターがあらかじめアプリをダウンロードしてチェックし、その結果を登録しているというわけだ。
普通のセキュリティアプリがプログラムをダウンロードしてからスキャンするのに対して、ダウンロード前に危険リスクを知ることができるのはスマートだと言える。ちなみに、このような機能は現在ではノートンのアプリだけが持っているものだという。
このアプリアドバイザーを支えるノートンモバイルインサイトでは毎日約3万以上のアプリをチェックしており、継続的に200以上のアプリストアを調査しているという。
ちなみにノートンモバイルセキュリティは下記のような機能を持ち、単純なマルウェア対策だけでなく、着信の遮断や盗難対策機能、フィッシングやワンクリック詐欺に対するWebプロテクション機能も搭載している。
ノートンモバイルセキュリティの機能
マルウェア対策
アプリアドバイザー
着信遮断
盗難対策
バックアップ、復元
Webプロテクション
そして、スマホだけでなく、PC、Macなどもセキュリティを保ちたい人向けに「ノートンセキュリティ」、「ノートンセキュリティバックアップ」もあるという話で、今回の発表会は終了した。(記事提供: AndroWire編集部)