原油安の恩恵を受けるインド~中央銀行は緊急利下げを実施
現中央銀行総裁であるラジャン氏は、2013年9月の就任以降、高水準で推移する物価上昇(インフレ)率への対応として、段階的に利上げを実施し、政府と足並みを揃えながらインフレ抑制に取り組んできました。そして、ここ半年は食品価格が低下傾向だったことに加え、足元の原油安に伴ないインフレ圧力が大幅に後退したこともあり、ここ3ヵ月、中央銀行が2016年1月の目標とする6%を下回り推移しました。これにより、利下げ余地が生まれ、ラジャン総裁は就任後初の利下げに踏み切りました。なお原油安は、ロシアや中東など産油国の経済を直撃していますが、原油を輸入に頼るインドにとっては追い風となっており、昨年10月には、政府が軽油の価格統制を撤廃し、統制価格の維持に充ててきた補助金を削減しました。更に、11月には燃料税の引き上げを実施しており、政府は、原油安の恩恵を受け、財政再建を目的とした新たな経済改革を打ち出すことが可能となったと考えられます。
市場では追加利下げを予想する声もあり、中央銀行の金融緩和に対する積極的な姿勢が、新たな需要の創出やインフラプロジェクトなどへの投資拡大に繋がると期待されます。また、原油安という市場環境の変化は、双子の赤字の改善にも繋がるとみられ、経済改革を推し進める政府と、インフレ抑制に立ち向かってきた中央銀行の両者に恩恵をもたらすことから、引き続きインド経済が、世界の投資家の注目を集めると見込まれます。
(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。)
(2015年1月16日 日興アセットマネジメント作成)
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