「川中」分野を中心に引き続き注目されるMLP
MLPは、エネルギーの探査・開発などを行なう「川上」、輸送・備蓄などを行なう「川中」、卸売・小売などを行なう「川下」と、大きく3つの事業形態に分類されます。この中で、原油価格下落のマイナスの影響を収益面で受けやすいのが「川上」、受けにくいのが「川中」と言われています。年初に米シェール企業の初めての破綻が報じられましたが、同企業は、シェールオイルの開発を手掛け、「川上」に位置付けられる中小企業でした。今後も、開発や採掘を行なう中小企業が、原油価格の急落に伴ない想定通りの売上を計上できず、資金繰りが悪化し、破綻に至る可能性は否定できません。
しかしながら、このように厳しい「川上」分野でも、M&A(企業の買収・合併)などを通じて、業界再編が進むようであれば、原油価格の下落も、業界にプラスの影響をもたらすと期待されます。S&P MLP指数は、「川中」に位置付けられるMLPを中心として構成されているものの、足元では、原油価格の急落を受けた投資家心理の悪化の煽りを受けて大きく値を下げています。ただし、1月13日に発表されたEIA(米エネルギー情報局)による「短期エネルギー見通し」のなかで、2016年にかけて米国の原油生産量が増加するとの予想が示されたことは、「川中」に位置付けられるMLPにとっては、明るい材料と考えられます。
MLP価格は、今後もしばらくは、原油価格動向を受けた投資家心理に左右されるとみられるものの、足元の価格下落に伴ない配当利回り水準が高まっていることもあり、米国における原油生産見通しなどを踏まえ、「川中」に位置付けられる銘柄を中心に、再び投資家の関心がMLPに集まることが期待されます。(※上記は過去のものまたは予想であり、将来を約束するものではありません。)
(2015年1月19日 日興アセットマネジメント作成)
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