ワールドワイドにiPhoneが売れている、日本ではどうか? - やっぱり売れていた!
アメリカでのApple製品のシェアは、前年度比較で4.3ポイント増の47.4%と、半数に迫る勢いとなっている。Kantar Worldpanel ComTechのCarolina Milanesi氏によれば、iPhone 6は2014年11月までの直近3カ月で一番売れたスマートフォンであるとのことで、全体の売り上げの19%を占めているという。また、VerizonとAT&TでiOS端末の売り上げの57%を占め、VerizonとT-MobileでAndroid端末の33.7%の売り上げを占めていると報告している。なお、Android端末のシェアは前年比マイナス2.0ポイントの48.4%と減少傾向で、半数を割り込んでしまった。
中国市場でのApple製品の売り上げは、前年比1.1ポイント増のシェア18.1%。微増ながらも着実に数字を伸ばしている。Kantar Worldpanel ComTech AsiaのTamsin Timpson氏は、中国市場に於いては、自国のメーカーがさまざまなAndroid端末を市場に投入しており、その結果、Androidのシェアを押し上げる形となっていると分析している。
その一方、日本でのシェアは前年比マイナス15.3ポイントの53.8%という数字になっている。これについて、Kantar Worldpanelは、NTTドコモが2013年にiPhoneのキャリアパートナーとなって以来、シェアは増加傾向にあったが、程度のコメントしか残していない。これは、実感が伴っていない数字のように思えたので、マイナビニュースでは別な調査資料をあたってみることにした。
調査会社のcomScoreが提供しているモバイル機器の利用動向調査サービス「MobiLens(モビレンズ)」によれば、同時期の日本のiOS機器のシェアは前年の36.4%から42.3%と5.9ポイントアップしている。ヨーロッパ市場では、ドイツ、イギリス、スペインで、それぞれ0.3ポイント、0.2ポイント、1.4ポイント増となっており、フランスでは1ポイント減。
またアメリカでは0.3ポイントの減となっている。同社は、この結果について、モバイル機器のユーザーシェアの50%を超えるNTTドコモのiPhoneの取り扱いの遅れがあった上での数字ではないかと、Kantar Worldpanelとは対照的な分析をしている。日本国内での体感としては、妥当な数字のように思えるのだがいががだろうか。
また、comScoreは、海外においてAndroidのシェアが高い理由の1つに端末の安さ(100ドル台も多数)を挙げている。ユーザーのガラケーから、スマートフォンへのシフトはAndroid陣営の低価格戦略が功を奏したと言え、ワールドワイドな規模でAndroidのシェアほうがiOSより高くなっている。ただ、comScore、Kantar Worldpanelともに、Apple製品のシェアは世界的に伸張傾向にあるという数字が出ている。これは、購入する個人、企業や団体の購買力とAndroid端末/iOS端末の価格差という問題があったとしても、ユーザーはApple製品を選んでいるということなので、興味深いところだ。ちょっと頑張ってでもAppleのプロダクトを購入したい気持ちにさせるというのは、そのブランド力あってのことだろう。
こうなると、まもなく投入されるApple Watchが、さらにiOS機器のシェアを押し上げる起爆剤になるのかどうかも非常に気になってくるところではある。