カップルにもオススメできるハート型PHS「Heart 401AB」 - 機能を絞った挑戦的な端末に
ワイモバイルは、PHS端末の新製品としてハート型という独特のデザインを採用した「Heart 401AB」を発表した。報道関係者向けの説明会では、Heart開発の経緯や実機が公開された。Heartの発売は3月下旬で、価格は一括で実質12,600円、3年契約では350円の36回払いとなっている。本稿では、発表会の模様をレポートするとともに、同端末の詳細などをお届けしたい。
○機能面では通話に特化
Heartは、「大人女子」をターゲットに持ち運び時はハート型、通話時はストレート型に変形する独特のデザインを採用したPHS端末。データ通信には対応せず、通話に特化した端末となっている。
ハート型の中央で分割された形状で、それを回転させるとストレート型になるというギミックを搭載。着信時にストレートにすると通話が受けられ、ハート型に戻すと終話する、といった具合だ。
ストレート型にしたとき正面下部に位置する部分にタッチセンサーが内蔵されており、ダブルタッチ、フリックをすることでカーソル操作ができる。側面のボタンを押すと液晶表示がハートに浮かび上がるように表示され、ストレート型の時はタッチセンサーで操作を行い、電話帳からの発信、番号入力などを行うことができる。
●パールの含有量にまでこだわり
○一切妥協しなかったデザイン
Heartは、ワイモバイルの商品企画部門ではなく法人営業部門の芥川直也氏が、同社の社員が集まる、通称「バナナ会議」で個人的に提案したものが開発の始まりだという。もともとウィルコム時代にアサヒビールのキャンペーン商品として用意されたワンセグが見られる腕時計型PHS「スーパーワンセグTV Watch」を担当していたそうで、そのころから「女性向けの端末」のアイディアを温めていたという。
当初の企画案は「もっと尖ったデザインだった」(芥川氏)が、万人受けを狙ってハート型のデザインを採用。「1mm大きくなっても、小さくなってもかわいくなくなる」(同)ため、デザイナーとともに妥協せずに「かわいいデザインの端末を作ろうとした」(同)そうだ。
独特のハート型だが、女性の手にフィットしやすく持ちやすさも配慮。カラーはレッドに加えて男性の利用も可能なようにブラックも用意。
「パール感にもこだわっていて、太陽光と人口照明下ではがらりと変わる」(同)ことを狙い、パールの含有量を何度も調整したという。
ビジネス面では、バンダイとのコラボレーションでアニメ「美少女戦士セーラームーン」のデコレーションキットとして本体に貼れるステッカー、ストラップホールに装着するチャーム、ハード型の充電器を販売。「自由が丘スイーツフォレスト」とバレンタイン企画コラボレーションとして、店舗でのHeartの展示やコラボスイーツの販売を実施する。Heartの世界観を作るためにオリジナル着信音としてLUV K RAFTが書き下ろした2曲もプリインストールしている。
●雑誌編集者やスタイリストの女性にも評判を聞き込み
○スマホとの2台持ちにはいいかも!
開発においては、女性社員や外部の女性などに対してグループインタビューなどを行ったほか、雑誌編集者やスタイリストなどへの調査でもポジティブな意見が多かったそうだ。また、電話であることを隠して初めてHeartを触った女性たちからも好評だったという。
実際に使ってみると、ハート型でさらに変形してストレート型になるというデザインのアイディアは独特で、ワイモバイルが想定する「Webやメール、SNSなどはスマホで、通話はHeartで」という使い方で問題ないならば、デザインが気に入ったら選んでみても面白そうだ。
とにかく通話だけの単機能で、タッチセンサーを使って電話番号入力もできるが、手間はかかるので、基本的にはスマートフォンの電話帳を転送して発信するのが現実的。
タッチセンサーの感度は、まだ開発中ということで何とも言えないが、操作自体は最初は戸惑うだろう。「すぐに慣れる」(同社)レベルとのことだが、通話は着信が多く、どうせ持つならデザインにこだわり、自分のファッションにも似合うものが欲しい、という女性には良さそうだ。
レッドとブラックの2色展開なので、男女のカップルが1色ずつ持って、お互いへ電話をする専用端末として使ってもいいかもしれない。ストレートの状態でも操作は可能なので、普段外ではストレートで持ち歩いてもいいだろう。
とにかく単機能でデザインも独特だが、こうしたチャレンジングな製品は、市場の活性化にも繋がりそう。「ワイモバイルにはチャレンジするDNAがある」と同社は話しており、今後も売れ線だけではない独自の端末展開に期待したい。