インフレ抑制に向け、積極的な金融引き締めを続けるブラジル
同中央銀行は、昨年12月に発表したレポートの中で、「インフレ率を2016年末までに目標の4.5%に低下させるため、必要なことは全て行なう」と謳っています。これと符合するように、今回の会合後の声明では、前回利上げ時(昨年12月初め)にあった、追加的な金融引き締めは「慎重に」行なうとの趣旨の文言が削除されました。ブラジルの物価の伸びは、昨年12月に前年同月比+6.4%へ鈍化し、目標レンジにはかろうじておさまったものの、今月19日には燃料などにかかる税金の引き上げが発表されたほか、公共料金の引き上げなどもあり、今後、再び高まるとみられており、7%に達するとの予想もあるほどです。こうした中、さらなる利上げが見込まれ、年内に少なくとも13%への引き上げが必要との見方もあります。
原油安を背景に資源国・新興国の通貨に売り圧力がかかる中、ブラジル・レアルも対米ドルで軟調となっています。利上げは、景気低迷下のブラジルにとって、短期的には負担となる可能性があるものの、高水準のインフレを放置しては、持続的な成長は困難と考えられます。
また、ルセフ大統領も、インフレ抑制など、投資を呼び込む事業環境の整備や、輸出増による貿易収支の改善などを通じた経済の立て直し、さらに、緊縮および増税を通じた財政収支の改善などにより、市場からの信頼回復を重視する方向性を強めています。このため、政府と中央銀行が歩調をしっかりと合わせることで、今後、投資家の信頼回復が徐々に進むとみられ、ブラジル・レアルをサポートすると考えられます。
(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。)
(2015年1月22日 日興アセットマネジメント作成)
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