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短期集中連載「Windows 10」テクニカルプレビューを試す(第10回) - 日本語が加わったビルド9926登場!

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短期集中連載「Windows 10」テクニカルプレビューを試す(第10回) - 日本語が加わったビルド9926登場!
●システム要件とインストール時の注意点
2014年11月12日(以下すべて現地時間)にリリースしたWindows 10テクニカルプレビュー ビルド9879から数えて約2カ月。Microsoftは「Windows 10: The Next Chapter」と題したメディアブリーフィングを開催し、2015年1月23日に新しいビルドをリリースした。メディアブリーフィングでは、Windows 10以外にも新Webブラウザーとなる予定の「Spartan」や、仮想世界を現実に近づける「Microsoft HoloLens」など数多くの新製品の存在を明らかにしている。だが、やはり注目すべきはビルド9926に達したWindows 10テクニカルプレビューだ。今回はインストール・アップデートに関して報告する。

○システム要件とインストール時の注意点

Windows 10の開発に対して事実上の広報担当を担っているエンジニアリングジェネラルマネージャーのGabriel Aul氏は、2015年1月15日の時点で「Windows 10のシステム要件はWindows 8と同じく、Windows Vista/7と大差はない」と、Twitterで発言している。Windows 10テクニカルプレビューのシステム要件はこちらのWebページで確認できるとおり、これまでのOSと大差はない。

Windows 10テクニカルプレビューのシステム要件
・プロセッサ: 1GHz(ギガヘルツ)以上
・メモリー: 1GB(ギガバイト: 32ビット版)/2GB(64ビット版)
・HDD: 16GB以上の空き容量
・GPU: DirectX 9以上に対応し、WDDMドライバーを持つビデオデバイス
・その他: Microsoftアカウント、インターネット アクセス

この時点である程度の安定性を実現したと見るべきだが、OSグループCVPのJoe Belfiore氏は1月21日開催のメディアブリーフィングで、「新ビルドは来週リリースする」と述べたものの、1月23日の時点でAul氏は、Twitterやブログを通じて、ビルド9926のリリースを明らかにした。
システム要件を踏まえると、ビルド9879からプレビュー版を使ってきた環境であれば、今回もそのまま使用できるわけだ。ただし、執筆時点でロールアップ更新プログラムを通じて、エクスプローラーの予期せぬハングアップ、アプリケーションのインストール関する問題、バッテリ寿命の改善など多くの問題を修正している。また、Surface Pro 3を使用する場合はWindows Update経由で最新のビデオドライバーに更新しなければならない、とAul氏はTwitterで発言した。いずれにせよ、ビルド9926インストール直後はWindows Update経由で更新プログラムなどを適用すべきである。なお、本ビルドからWindows Updateはコントロールパネルから取り除かれ、「設定(Settings)」から実行するように仕様変更しているので注意してほしい。

ところで、先のFAQを徒然と眺めていて改めて気付いた箇所がある。その1つが「Windows 10プレビュー版インストール後は、Windows Media PlayerによるDVDビデオ再生は不可能」だ。これはWindows 8からMPEG2コーデックを削除したためである(正しくはWindows 7の上位エディションや、複数のPCベンダーがプリインストールアプリでサポートしていた)。
さらに「Windows 10プレビュー版をインストールすると、Windows Media Centerは削除される」とあるように、Windows Media Centerの使用はWindows 8.1止まりとなる。そして「Windows 10プレビュー版はWindows RT 8.1で動作しない」という記述も注目すべきだろう。

こちらのWebページにあるアップグレードシナリオの説明どおり、現在のWindows 10プレビュー版はIntel系CPUを対象とし、ARMプロセッサは未サポートだ。さらに海外メディアが報じているようにWindows RT向けWindows 10はフルバージョンではなく、Windows 10の機能をいくつか含むエディションをリリースするようである。筆者を含むWindows RTユーザーには気になるところだが、Windows Phone 8にアップグレードできないデバイス向けに一部機能を備えたWindows Phone 7.8をリリースする形を取ると見るのが適切だろう。

●アップデート後に言語パックで日本語化
○アップデート後に言語パックで日本語化
さて、Windows 10の開発は以前の記事でも述べたように「Ring Progression」と呼ばれる開発工程で進んでいるため、ビルド9926へのアップデートも直接実行できる。ただ、本稿をお読みになる読者の多くは日本語を選択すると思われるものの、Windowsは基本的に異なる言語間でのアップグレードインストールをサポートしてこなかった。ところが、英語版のビルド9879にビルド9926日本語版のISO形式ファイルからセットアッププログラムを実行したところ、言語パックに関する注意は現れるものの、そのままアップデートできるようだ。


もっとも英語版のままビルド9926へアップグレードし、その後表示言語を変更する方法を選択するのが一番簡単だろう。ただし言語パックは、主要部分のみをローカライズしたLIP(Language Interface Pack)と、さらにロケールリソースをサポートした"一部ローカライズ言語パック"、そして言語およびロケールリソースを100パーセントローカライズした"完全ローカライズ言語パック"の3種類がある。そのため、ビルド9926へアップデートした後に日本語を選択するのはLIPもしくは一部ローカライズ言語パックとなる可能性が高い。もっとも正式リリース前のプレビュー版でこだわる部分ではないが、気になる方はこちらのWebページからISO形式ファイルをダウンロードすることをお勧めする。

基本的には上図の手順で日本語表示に切り替わるが、今回試したところ日本語の言語パックをダウンロードするボタンが現れないことがあった。その際は何度かオプションを開き直すか、英語の言語パックをインストールし、<Set as primary>ボタンで英語を第1言語に切り替えると現れるようなので試してほしい。

さらにアップデート直後の注意点として、"文字化け"が発生する場合はロケール設定を見直すといいだろう。通常であればシステムロケールは「日本語」が選択されているはずだが、英語版のまま(地域や入力言語として日本を選択しなかった)インストールした場合、システムロケールとして英語を選択している可能性がある。
その際はコントロールパネルから「地域」の<管理>タブを開き、「Unicode対応ではないプログラムの言語」セクションの内容を<システムロケールの変更>ボタンで「日本語」に変更すればよい。また、起動時にブートメニューが現れるという問題も確認されている。どうもアップグレードインストールと同じプロセスを行うバグが含まれているようだ。こちらは「システム構成(msconfig.exe)」を起動し、<ブート>タブに並んでいる「Windows Rollback」を削除すれば解決可能だ。ただし「$Windows.~BT」フォルダーなど以前のWindowsフォルダーも残っているため、「ディスククリーンアップ」を起動して「以前のWindowsのインストール」などを削除すべきである。筆者が確認した限りでは10GB前後のストレージ空き容量をひっ迫していた。

このようにビルド9926は、コントロールパネルから「設定」への機能移行など各所で変更点が確認できる。ただし、注目のパーソナルデジタルアシスタントCortanaがサポートする言語は英語に限定しているため、日本語に切り替えると使えなくなってしまうようだ。
つまり、Windows 10の新機能を余すことなく体験するには、英語版のまま使った方が都合がよいのである。

いずれにせよWindows 10テクニカルプレビューの新機能は次回から紹介していくが、最後に試用期限について述べておこう。ビルド9926に達したことで試用期限は2015年10月2日に延長している。あくまでも推測の域を超えないが、試用期限から察するにWindows 10の正式リリースはやはり今秋、RTMは従来どおり今夏辺りになりそうだ。

阿久津良和(Cactus)

■前回の記事はこちら
・短期集中連載「Windows 10」テクニカルプレビューを試す(第9回) - 多くのユーザーフィードバックを反映した「ビルド9879」登場
http://news.mynavi.jp/articles/2014/11/14/windows10/

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