手のひらに収まるWindowsマシン! スティックPCって何?
いま、スティック型のWindows PCが熱い。現在、販売されているのはマウスコンピューターの「m-Stick MS-NH1」(税込1万9,800円)のみではあるが、同機は2014年11月28日に発表し12月5日に発売するやいなや、あっという間に完売。需要過多の状態で週に1度ほどの再入荷を続けているが、年を越した2015年2月9日現在でも、再入荷時の販売では「だいたい5分10分で完売する」という状態という。
一方、2015年1月初旬に米国で開催されたか家電見本市「CES 2015」でも、米Intelが同じコンセプトのスティックPC「Intel Compute Stick」を披露したほか、2月3日には超小型のボードPC「Raspberry Pi 2」をWindows 10がサポートする、というニュースも流れた。スティックPCをはじめとした小型PCの世界は、いまや新ジャンルになりつつある。本稿ではそんなスティック型WindowsPCの概要を簡単に紹介していこう。
さて、そもそもスティック型PCとは何なのか? これはPC一台、つまりCPU、メモリ、ストレージなどを、手のひらに収まるくらいのコンパクトなスティック型にまとめあげたWindows PCのこと。本体からディスプレイに接続するためのHDMI出力端子が出ており、外見的にはちょっと大きめのUSBメモリといったところ。
このまま、ディスプレイやテレビのHDMI端子に接続し、マウスやキーボードを用意すれば、すぐにPCとして活用できるのだ。
実は、スティック型の端末自体は、数年前から製品化されている。だが、それらはOSにAndroidを採用したもので、「スティック型Android端末」であった。ブラウジングする程度ならAndroidでもそれほど問題はないが、やはりPCユーザーならWindows環境を求めたくなるもの。メインマシンと同じOSであれば、ネットワークの構築に加え、普段から使っているソフトなども同じものを揃えられる。
ただし、スティックPCで気をつけたいのはACアダプタ。電源の確保だけはACアダプタを使用しなければならないので、コンパクトな本体とワイヤレスキーボードもしくはマウスだけでOKとならないのが惜しいところだ。●スティックPCのスペック
○スティックPCのスペック
それでは現状で入手できる唯一のスティックPC、マウスコンピューターの「m-Stick MS-NH1」について紹介しよう。
コンパクトながらCPUに4コアのAtom Z3735Fを採用し2GBのメモリにより、一般的なタブレットPCと同程度のスペックであり、Windows 8.1が普通に動いてくれるのである。仕様上のストレージ容量は32GBで、ユーザーが使える実際の空き領域は約25GBほどと少々心許ないが、大容量のmicroSDをデータドライブとして活用すれば問題はない。キーボードやマウスはBluetooth接続で行える。
一方、CESで発表されたIntelの「Intel Compute Stick」は、年内には発売される予定だ。詳細はまだ未定だが、現在わかっている情報としては、長さが4インチ、つまり10センチほどでマウスコンピューターのものとほぼ同サイズになる模様。OSはWindows 8.1。クアッドコアのIntel Atomを採用し、無線機能やUSB端子、microSDカードスロットを搭載する。
とりあえず現状の情報では、Intelのモデルもマウスコンピューターとスペックにおいて大きな差はないと思われる。
●細いだけ? スティックPCで何ができる?
○細いだけ? スティックPCで何ができる?
スティックPCの使い方としてまず考えられるのは、リビングのテレビのPC化だ。近くにゴツいPCがなくても、挿すだけで大画面でさまざまな作業が行なえるというのはかなり魅力的。スペックによる制限はあるものの、3Dゲームをやるというのでなければ結構快適に動く。ブラウザゲームをリビングでゆったり遊べるわけだ。また、Windows同士のネットワークを介したファイルのやりとりのしやすさを利用して、自室のデスクトップ内のデータを呼び出してテレビで再生するといったこともできる。
また、ポケットインできる完全個人ユースのモバイルPCとして使う手もある。なにせサイズは約10cm、重量は約44g。コンパクトなワイヤレスキーボードも一緒に持ち歩けば、プライベートな機密データを常に身につけておき出先にテレビやモニタがあればすぐにアクセスできるというわけ。
人は誰しも、絶対に他人には見られたくないデータを保存したりソフトウェアをインストールしたりしたい場合があるだろう。いやほら、ビジネス的な面でですよ? 機密性とかそういうことです。ムフフな動画とか変な想像はしないでくださいね? 急な出張などでも大きなデータをクラウドやUSBメモリに移したりせず、持っていくのが楽とかの話です。
それはともかく、HDMI入力端子を持ったプロジェクタでそのままプレゼンが行なえたり、HDMI入力端子付き車載用モニタと組み合わせれば、車載PCにしたりもできる。ACアダプタに注意、ということを序盤に書いたが、その点をモバイルバッテリで代用すれば、さらに活用範囲は広がる。コンパクト、というだけで色々な使い方が考えられるのだ。
スティックPCは、これから発売されるIntelのIntel Compute Stickに加え、すでに先行しているマウスコンピューターも次世代モデルを考えているという。現在でもかなりのスペックとコンパクトサイズを実現しているが、さらなる進化にも注目してきたい。