防水・耐衝撃・耐寒性能が本領を発揮! カシオの小型アクションカメラ「EX-FR10」を雪山で使ってみた
カシオ計算機が2014年8月に発売を開始した「EXILIM(エクシリム) EX-FR10」。カメラ部とコントローラー部が分離できるユニークな形状で、防水・防塵・耐衝撃・耐寒性能も備えた小型アクションカメラだ。様々なシーンでの活用が期待できるEX-FR10。冬の雪山では、どのような使い方ができるだろうか? 実際に群馬県の水上高原スキー場にて試してみたので、本稿でその様子をお伝えしていこう。
○EX-FR10の仕様をチェック!
本題に入る前に、EX-FR10の仕様および基本性能を簡単におさらいしておきたい。カメラ部とコントローラー部がセパレートできるEX-FR10。カメラの有効画素数は1400万で、35mm換算で21mm相当の広角レンズを採用している。デジタルズームは4倍まで対応。
動画に関しては、フルHD動画(1920×1080/30fps)の撮影が可能。最長録画時間は29分となっている。
コントローラー部とカメラ部とは、Bluetooth 2.1+EDRで連携する仕様。コントローラー部に設置されている液晶モニターのサイズは2インチで、画面をタップすればカメラのシャッターを切れる。側面にはカメラ部と同様に電源キー、静止画撮影キー、動画撮影キーを搭載。これらのキーを使えば、カメラをリモートコントロールできるわけだ。
さらに、カメラとコントローラーは高速転送技術に対応。映像の遅延は、気にならない程度に抑えられている。
カメラ部、コントローラー部はともにIPX6/7相当の防水、IP6Xの防塵に対応。2mの耐落下性能と、-10度までの耐寒性能も備えている。
○雪山では、どんな使い方ができる?
前述の通り、コントローラー部の液晶モニターをタップすれば写真が撮れるので、いま流行りの「セルフィー(自撮り)」にも最適。カメラの画角が広角なので、複数の友人との記念撮影も楽に行える。このほかにも、アイデア次第で使い方が広がりそうだ。そこで、カメラとコントローラーを分離した面白い使い方がないか、冬の雪山であれこれ考えてみた。順を追って紹介していこう。
まずはアタッチメントの紹介から。
EX-FR10を最大限に活用するためには、アタッチメントの存在が欠かせない。例えば「マルチアングルクリップ EAM-2」では服やベルトに、「マルチアングルベルトセット EAM-3」では頭部にEX-FR10を装着することが可能だ。
●雪山でいろいろ撮影してみた - その1
例えばカメラ部を服あるいは頭部などに、コントローラー部を腕に装着しておくような使い方では、好きなタイミングで腕のコントローラーを操作して写真が撮れる。カメラのファインダーを覗いて写真を撮影する場合、無意識に構図を調整してしまうが、この撮影スタイルであれば、常識に縛られない自由な写真が撮れるかも知れない。
また、カメラ部に三脚ナットを取り付けることで、一脚(いわゆる自撮り棒)や吸盤タイプのカメラスタンドを利用することも可能。撮影のバリエーションが格段に増えるだろう。
例えば、家族でスキーをしに来ているような場合。家族の写真を撮ることに熱心なお父さんは、自身が写真に写る機会が少なくなりがちだ。
しかしEX-FR10と一脚を使えば、家族と一緒に楽しくスキーを滑っている様子を簡単に撮影できるだろう。
ここで、一脚を使って自撮り撮影した様子、および後頭部にカメラを装着して後続のスノーボーダーを撮影した様子を動画で紹介する。なお一脚を使った撮影は、周りのスキーヤー・スノーボーダーの安全に充分配慮した上で行っている。
○一脚×2本、夕食、卓球と撮影は続く
この後、一脚を天に掲げて撮影してみた。軽量のEX-FR10だからこそできる撮影方法だ。滑っているスキーヤーの真上、真横、真正面、真後ろから撮影すると、これまで見たことのないような絵面になった。ちなみに撮影の途中で転んだり、カメラを雪に近づけすぎてレンズが雪まみれになったりしたが、防水・耐衝撃・耐寒性能が本領を発揮。全く影響がなく撮影を続行できた。
●雪山でいろいろ撮影してみた - その2
今回、スキーのほかに、犬ぞりを体験することができた。ここで試したのが、一定間隔(15秒・2分・5分)で静止画や動画を自動撮影できる「インターバル撮影」だ。今回は15秒間隔のインターバルで静止画を5枚撮影した後に、5秒間の動画を撮る(これを繰り返す)というモードで撮影した。犬ぞりのほか、ホテルの夕食の様子も撮影したので、合わせてご覧いただこう。
群馬県にある水上高原は、温泉でも有名な土地柄。温泉といえば卓球である。実際、ホテルの娯楽施設には卓球台が用意されていた。ということで、卓球台の端にEX-FR10を乗せて、好きなタイミングでスナップ写真を撮ってみることにした。
EX-FR10では、静止画の撮影モードとして「プレミアムオート」のほか、「TOY」(トイカメラ)、「SOFT」(ソフトフォーカス)、「LIGHT」(ライトトーン)、「SEPIA」(セピア)、「MONO」(モノクローム)が利用できる。PCやスマートフォンを介さずとも、こうした特殊加工の写真が手軽に撮影できるのが嬉しい。
スマートフォン向けには、無料アプリ「EXILIM Link」が提供されている。同アプリを使えば、EX-FR10で撮影した静止画や動画をスマートフォンに転送できる。また、アプリからシャッターを切ることも可能だ。例えば、撮った写真をいますぐSNSにアップしたい。あるいは日中に撮影した写真や動画を、夜ホテルの部屋でスマホの大きな画面で確認したい。そんなときに重宝しそうだ。
ちなみに今回、スキーや犬ぞりを楽しみながら多数の静止画や動画を撮影したが、バッテリーが空になったのは夜だった。カシオ計算機の事前説明で「EX-FR10は低温の環境下では電池の減りが早くなる」と聞いていたが、バッテリーの持ちは筆者が想定していたよりも良く、充電切れで困るような事態には陥らずにすんだ。
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本稿では、冬のスキー場でEX-FR10の使い方を試した様子をお伝えしてきた。スポーツやレジャーでアクションカメラを利用する場合、小ささ、軽さ、耐衝撃といった性能は必須となる。EX-FR10ならそれらの条件を全て満たしている上に、防水・防塵にも対応している。高画質で撮影できる点も大きなメリットだ。季節を問わず、カメラの習熟度も問わず、海にも山にも何処へでも気軽に持っていけるEX-FR10。工夫次第で、様々な用途で活躍してくれそうだ。気になった方は、ぜひチェックしてみて欲しい。