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3Dプリンタで出力する「デジタル原型」はフィギュア造形をどう変える? - ワンフェス2015[冬]

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3Dプリンタで出力する「デジタル原型」はフィギュア造形をどう変える? - ワンフェス2015[冬]
●液晶ペンタブレット「Cintiq」シリーズ最新ラインナップを展示
2月8日に幕張メッセにて開催された「ワンダーフェスティバル2015[冬]」にて、ワコムは「Cintiq 27QHD」と「Cintiq Companion 2」のタッチアンドトライ、およびデジタル原型の関連セミナーを実施した。当日は、来場者らが説明を聞きながら製品を体験する光景が見られた。

○ワンダーフェスティバルとは

ワンダーフェスティバル(通称:ワンフェス)とは、フィギュアなどを含む造形物である「ガレージキット」を製作したものを展示・販売するというイベント。参加者はプロ・アマチュアを問わず、1984年のプレイベントを皮切りに、ここ数年は夏と冬の年2回で開催されている。

ガレージキットの展示・販売以外にも、同イベントの公式レーベル「ワンダーショウケース」選定アーティストの作品展示・販売や、オリジナル造形物の展示・販売、企業出展、造形素材メーカーなどによる実演も行われており、公式サイトによれば、毎回安定的な動員数を保っているという。

○「Cintiq 27QHD」と「Cintiq Companion 2」を体験

一般社団法人3Dデータを活用する会(3D-GAN)エリア内に設置された体験ブース「3D原型師のための最新ツール体験コーナー」では、ワコムが2月13日に発売する「Cintiq 27QHD」、および2月20日に発売する「Cintiq Companion 2」が展示されていた。「Cintiq Companion 2」がタッチアンドトライ可能な状態で展示されるのは今回が初めて。

担当者によれば、普段量販店などでは展示されていない製品の体験や質問ができることもあってか、朝から来場者は絶えなかったそうだ。
新機種「Cintiq 27QHD」と「Cintiq Companion 2」を目的にブースにやってくる来場者もおり、反響は昨年よりも大きい印象があるという。ワンダーフェスティバルというイベントの特性上、ブースを訪れる人はやはりフィギュアのデジタル原型に興味を持つ人が中心になっていたとのこと。体験ブースには常に人が集まっており、じっくりと描き心地を試しながら説明を聞く姿が見られた。

体験ブース横には、「フィギュア原型師のためのはじめての3Dモデリングコーナー」を設置。デジタル原型の初心者を対象に、ガイドを受けながら3Dモデリングの体験をすることができるというものだ。こちらも、体験に訪れる人が絶えない様子だった。

またステージでは、「初音ミクのデジタル原型を作る」の実演に始まり、セミナーやパネルディスカッションを開催。「最新ZBrushデモンストレーション」には開発元である米国Pixologicからトマ・ルッセル氏が来日しており、会場は大盛況だった。
体験ブース同様、ステージ観覧席も賑わいを見せ、通りがかった来場者が足を止めて眺めていることもあった。

●デジタル造形のメリット・デメリットを解説
○これから始める人向けのデジタル原型セミナーを開催

ステージイベントの一つであるセミナー、「始める前に知っておくべきデジタル原型のこと」には、フリーランス商業フィギュア原型師のスーパーバイザー(藤縄)氏が登壇した。高校時代に第一次フィギュアブームでフィギュア製作を開始した後、フリーランスの手原型師として15年活躍。2010年よりデジタル原型に移行したという同氏は、手原型師での長年の経験に基づいてデジタル原型についての解説を行った。

同セミナーではまず、「CGソフトの種類」として、ポリゴンモデリングとスカルプモデリングそれぞれのソフトを取り上げ、ソフトごとの特徴や、各ソフトが多く使われている分野などを説明した。

続いて、デジタル原型を始める人にとっては気になる部分であろう、「デジタル原型のメリット・デメリット」について紹介。メリットには、製作期間の早さや、脚の左右対称などで活用できるシンメトリ・ミラーの効果、模様などのパターン的なものの作りやすさが挙げられた。一方デメリットとしては、出力費用が高価になることや、3Dプリンタの精度が商業用のフィギュア原型に完全に対応できるところまでは達していないことがある。
そのため出力後に、CG画面上と出力後の見え方の違いを補うための手修正が必要な場合がある。出力するまでスケール感がわかりづらいという側面もあるが、これは経験を重ねることでわかってくるそうだ。

3Dプリンタでの立体出力については各方式が紹介されたほか、実際に作業をしている写真を使って、立体出力後の手修正が行われる様子も説明された。「デジタル原型」と言うとCG制作技術のイメージが先立つが、手原型の知識を持っていることが重要なのだという。最後は「デジタル原型製作の流れ」として、写真を交えながら製作過程を細かく紹介。基本的なやり方は手原型と変わらず、その工程がCGになると理解すれば良いとのことだ。CGでは左右均等にするためTポーズで製作を進めることが多いということや、靴ひものパーツなどは、反転コピーを取ることにより手原型よりも効率的に作れることなどが特徴だ。また、修正が入ったときに備えて、レイヤー分けをしておくのもポイントだという。


セミナーの最後には会場との質疑応答の時間も設けられ、レイヤーの分け方などを尋ねる声が聞かれた。

体験ブースやセミナーのにぎわいから、来場者のデジタルモデリングソフトへの関心の高さがうかがえる会場となっていた。デジタルモデリングソフトの利用者が増えるのに伴い、「Cintiq 27QHD」や「Cintiq Companion 2」など最新の液晶ペンタブレットへの注目度も上がることだろう。

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