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糸川耀士郎&菊池修司、中止公演への思いと『富豪刑事』舞台で見せたい世界

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糸川耀士郎&菊池修司、中止公演への思いと『富豪刑事』舞台で見せたい世界

話題のアニメを多く生み出すフジテレビ「ノイタミナ」枠の最新作、『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』の舞台『富豪刑事 Balance:UNLIMITED The STAGE』が10月2日から上演される。筒井康隆による連作短編小説を大胆にアレンジして放送された同作は、警視庁の「現代犯罪対策本部準備室」(通称:現対本部)を舞台に、事件解決のために大金を使う大富豪の警部・神戸大助と、教育係として彼とバディを組まされた警部補の加藤春が様々な事件に向き合っていく。毎回のように億単位の経費が使われ、AI執事やガジェットなどの最新テクノロジー要素も盛り込んだ作品で、海外でも人気となっている。

今回上演される舞台版は、9月24日に最終回を迎えたアニメの"その後"の物語に。舞台として目の前に蘇るだけでなく、物語の続きが知りたいファンにとっても気になる存在なのは間違いない。今回は神戸大助役の糸川耀士郎、加藤春役の菊池修司にインタビューし、作品の魅力や舞台にかける思いについて話を聞いた。

○■新型コロナウイルスの影響で、放送日が変化

――今回、アニメの舞台化というだけでなく、最終回後のストーリーが描かれるということで、よりアニメとの連携を感じますが、企画を聞いた時の感想はいかがでしたか?

菊池:本当は、アニメ自体は4月クールに放送している予定だったんですよね(※新型コロナウイルスの影響により、9月放送に延期)。今回こういう世の中になって、アニメが終わったあとすぐに舞台上演ということになるので、作品への熱が冷めない状態で舞台に来て楽しんでいただけたらと思います。


糸川:僕はアニメ版の脚本をいただいた時点で、面白すぎて一気に全部読んでしまったんです。きっとアニメを見ている方も、アニメが面白すぎて気持ちがすっきりしてしまうのではないかと思って、満足してしまった方々に、より満足いただくのはすごく難しい挑戦だと思いました。みんなで舞台ならではの魅力をしっかりと積み上げないといけないと、すごく身が引き締まりました。

――アニメの神戸大助役の大貫勇輔さん、加藤春役の宮野真守さんの演技を意識する部分もありますか?

菊池:もちろん、宮野さんの加藤春から受け継いだものを演じる部分はたくさんあります。ただ宮野さんそのままというだけでなく、僕が生身で感じたものをお芝居を通して伝えられたらと思っています。

糸川:僕も大貫さんの喋り方だったりとか、アニメの神戸大助の雰囲気はとても意識していて、みなさん監督とディスカッションをして作り上げたキャラだと思うので、尊重して演じたいです。ただ、演出の西田(大輔)さんも「声優さんのお芝居を追いかけるより、自分たちが演じるからこそ生まれるものを大切にしてほしい」とおっしゃっていたので、良い中間地点に立てているし、どちらの世界にもお客さんをひっぱっていける神戸大助ができあがるんじゃないかなと思ってます。

――先日取材したところ、大貫さんも神戸大助の缶バッヂを持ち歩いていて、作品への愛を感じました。


糸川:そうなんですね!

菊池:ぜひ、舞台も観に来てほしいですよね。

――作品のTwitterを見ると海外の方のコメントも多いですが、日本以外にも作品を届けていきたいという思いはありますか?

糸川:僕も、最近海外の方の反応を実感することは多いです。アニメは世界で愛される日本の文化だと思うので、2.5次元舞台で海外公演に行くことも夢ですし、誇りを持って演じることができるなと思います。ぜひ海外の方々にも見ていただきたいです。

菊池:Twitterで驚いたのが、神戸財閥の監視カメラアカウントがあるんですよ。「今日も異常なし」という報告ツイートが毎日されていて、細部にわたって世界観を守っているからこそ、海外の方も「本当に日本にキャラクターがいるんじゃないか」と思うんじゃないかなと。僕らも舞台上で細部にこだわって、海外ファンの方にも愛されるような作品を発信していきたいです。

○■ちょっとした反応に注目?

――お二人はバディとして活躍することになりますが、稽古を通してバディっぷりは上がりましたか?

糸川:上がったと思います! 2人で稽古したりとかね。


菊池:そうそう。

糸川:修司とのこれまでの関係性があるからこそ、初日から2人で打ち合わせとかもできたと思うし。

菊池:同じシーンでの掛け合いが多いので、必然的に共にする時間が多くて、信頼関係も上がってきていると思います!

――一方で、加藤の昔の相棒として山本一慶さん演じる守山が登場します。

菊池:アニメを見てくださっている方は、加藤の過去の相棒や恩人といったキーパーソンになる方々がけっこう出てるので、驚く部分があるんじゃないかな。今のバディと昔のバディの比較もできて、すごく楽しめるんじゃないかなと思います。僕も山本さん演じる守山との関係が表現されることで、そこを経て今、大助とバディを組んでいるんだなと感じることができました。

――過去のバディを見て、大助としてはどういう反応なんですか?

菊池:そんなに反応してたかな?

糸川:でも、久々に元バディと会うシーンに居合わせて、「今のは誰だ」と聞いたりとか、些細なところで気になっているのかな? と思いました。

菊池:たしかに、神戸はあんまり加藤に質問とかしないけど、「誰だ」と聞いてくるあたり、もしかしたら気になってるのかもしれない。


糸川:色々な物語が交錯する中で、大助は本当に加藤を信じているのかとか、そういう部分も楽しみに見ていただけたらと思います。

○■中止の作品もまだ諦めていない

――今回は久しぶりの大きな公演にもなると思います。3月からいろいろな作品が中止や延期になる中で、どのような思いだったのかも伺えれば。

菊池:僕は3月の『「改竄・熱海殺人事件」モンテカルロ・イリュージョン』以来の舞台です。『熱海殺人事件』は東京公演ギリギリまで上演しましたが、地方公演は全部中止になってしまいました。とても意気込んだ作品でもあったので、願わくば、走り抜けたかった。でも唯一の救いは、公演前に「この日が千秋楽になるかもしれない」と予告して頂いたことで、悔いのないように演じることができました。スタッフの方々が、僕らのケアも親身にしてくださったので、救われながら作品を終えることができました。


――『熱海殺人事件』は粘り続けていましたよね。

菊池:本当にそうでした(笑)。制作の方々もいろいろ対策をして、「俺らが責任持つから」と言ってくださって。その後には『ガチャリコフェスティバル』も中止になってしまったのですが、上演される夢を見たんです。『熱海』を上演しながら稽古もしていたので、思いが強かったんですよね。「ザ・エンタメ」という作品でもあったので、こういう世の中になったからこそ観ていただきたくもありました。それができなくなった悔しい思いはありますけど、またいつか、作品ができたらいいなと思いながら、頑張ろうと思います。なくなった舞台も、まだ諦めてはいないです。


糸川:僕はミュージカル『刀剣乱舞』~静かの海のパライソ~が、東京公演の途中で中止になりました。安全面を考慮しながら、どうにか一公演でも長く続けたいと思っていましたが、結局難しい状況で。初主演舞台『ダイヤのA』The MUSICALも全公演中止になり、そのときはもう、絶望でしたね。しばらく何も考えたくない、みたいな。外出自粛期間中だったこともあって、塞ぎ込む感じになっちゃって、何日か落ち込んでたんですけど、結局落ち込んでもどうしようもないし、苦しい思いしてるのは自分だけじゃないから。もう、メンタル的にも状況的にも落ちるとこまで落ちたから、あとは昇っていくだけだなって、ふっきれちゃって、そこからはすごく前向きになれました。

――大人気のゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』ではボイスキャストを務められていて、外出自粛中でも糸川さんの声に触れられていた方も多いかもしれないです。

菊池:こないだ外出したら、ずっとツイステの話してる人がいた!

糸川:ほんと!? 僕も結構前だけど、カフェで作業していたら、隣の女の子がツイステをやってて「うわ~!」ってなった(笑)。
5章の配信も始まって、僕自身も楽しみにしていますし、毎日ログインして、魔法石を貯めています。なんとしても、自分が演じているルークをゲットしたいので!(※取材は9月中旬)

――最後に改めて様々な状況を乗り越えての新たな舞台の上演について、意気込みをうかがえれば。

糸川:舞台『富豪刑事 Balance:UNLIMITED The STAGE』も、本番を迎えるためにスタッフさんやキャストのみんなで色々と策を講じてくださっているのがありがたいことですし、劇場に足を運んでくださるというお客様も多くいらっしゃるので、もうあとはここから上っていくしかないなと思っています。

菊池:僕も、思い入れは強いです。お芝居に触れるのも数カ月ぶりですし、熱い気持ちで『富豪刑事 Balance:UNLIMITED The STAGE』をやらせてもらえるのもすごくありがたい。数カ月ぶりに舞台を観るというお客様もいらっしゃると思うので、期待を裏切らないように、素敵な作品を届けたいなと思ってます。

■糸川耀士郎
1993年5月28日生まれ、島根県出身。2014年11月、劇団番町ボーイズ☆に加入し、本公演に参加。さらに舞台『私のホストちゃん REBORN』(17~18年)、超歌劇『幕末Rock』(16~17年) 、Live Musical『SHOW BY ROCK!!』(17~18年)、舞台『黒子のバスケ』シリーズ(18年~19年)ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(20年)など、人気シリーズに出演。現在、ゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』でボイスキャストも務める。

■菊池修司
1995年11月10日生まれ、東京都出身。2016年4月より劇団番町ボーイズ☆のメンバーとして活動。『劇団シャイニング from うたの☆プリンスさまっ♪』(18~19年)、ハイパープロジェション演劇「ハイキュー!!」(18~20年)、『メサイア ―黎明乃刻―』(19年)、「改竄・熱海殺人事件」モンテカルロ・イリュージョン(20年)などに出演。今後の公演予定に『HELI-X』(12月)、音楽劇「プラネタリウムのふたご」(2021年2月)など。

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