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ミキ、仕事以外であえて距離「話のネタがなくなる」 兄弟コンビの変化と強み

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ミキ、仕事以外であえて距離「話のネタがなくなる」 兄弟コンビの変化と強み

●亜生、声優初挑戦の昴生を称賛「上手かった」
兄弟ならではのあうんの呼吸によるマシンガントークが人気のお笑いコンビ・ミキ。漫才はもちろん、フリートークも抜群で、バラエティ番組に引っ張りだこだが、お笑い以外でもその個性が重宝されている。兄の昴生は、『恋つづ』ことTBS系ドラマ『恋はつづくよどこまでも』で医者役に扮し、弟の亜生は、声優として実写版『ライオン・キング』(19)のティモン役を好演した。

そんなミキが、ドリームワークス・アニメーション最新作『トロールズ ミュージック★パワー』(10月2日公開)で、2人そろって声優を務めた。彼らにとって、お笑いではない俳優業や声優業はどういうスタンスのものなのか、また、お互いの声や兄弟コンビとしてのメリットをどう感じているのか、2人に話を聞いた。

『トロールズ ミュージック★パワー』は、トロール王国から盗まれたハッピーの源=“音楽”を取り戻そうと、カラフルな妖精、トロールたちが大奮闘するミュージカルアニメ映画。昂生は、クラシック・トロールのリーダー、トロールツァルト役を、亜生は、皮肉屋の案内役、クラウド・ガイ役を演じた。

――今回は、2人そろって参加できて良かったですね。


昴生:やっと声優デビューできました!

――アフレコに初挑戦してみていかがでしたか?

昴生:僕は、普段のワーワー、キャーキャー言う感じではなく、まろやかな感じで、かわいさを全面に押し出ました。ちょっとだけ声帯を切って望んでます。

亜生:お兄ちゃんが言うことは、全部ほんまです。

――いやいや、そんなことはないですよね(笑)。亜生さんは、昴生さんのアフレコを聞いて、どう感じましたか?

亜生:すごく上手かったと思います。僕は、お兄ちゃんの声を聞き慣れているのでわかるんですが、おそらく他人が聞いたら、お兄ちゃんだと絶対に気づかないと思います。意外とできていました。

――亜生さんは、クラウド・ガイ役を演じてみていかがでしたか?

亜生:けっこう作り込んでいったら、監督に全然違うと言われ、僕の役作りは、全く意味がなかったです。
ナチュラルな声でいきましょうということで、いっぱいテイクを重ねましたが、その中で一番さらっと言っているものが本番で使われたと思います。――亜生さんといえば、『ライオン・キング』のティモン役がすばらしかったです。

昴生:正直な話、前に亜生が声優デビューした時、「ああ、1人で引き受けるんや」とがっかりしたんです。「お兄ちゃんと一緒がいいです」と、言ってくれるのかなと思ったので。

――『ライオン・キング』では、昴生さんが亜生さんの練習に付き合われたとか。

昴生:僕は『ライオン・キング』が大好きなので、「歌はもうちょっとこうしたほうがいいんちゃうか」と、アドバイスをさせていただきました。

亜生:でも、アドバイスを参考にして本番に挑んだら「全部違う」と監督に直されましたが。

昴生:僕と監督の意見が合わなかったようです(苦笑)。


●兄弟で“声が似てる”メリットとデメリット

――今回、声優をやってみて何か学べたことはありましたか?

昴生:僕は会社に標準語の演技は無理やと言ってたんですが、(上白石)萌音ちゃんから「いい感じでしたよ」と言われたので、今後はOKを出そうと思ったんですが、周囲の人に話したらそんなに反応がよろしくないので、やっぱりNGかなと。今回は可愛いトロールだったので良かったけど、やっぱり関西弁がいいなと思いました。

亜生:僕が演じたクラウド・ガイは、あまりキャラが強くなく、普通にしゃべる感じだったので、この先、自分の地でも声優の仕事がもらえるように頑張っていきたいなと。また、今後は、俳優としてもやらせてもらおうかと。

昴生:今日はこういうボケのスタンスでやってるんですが、全然ハマってないな(苦笑)。

亜生:自分的にもハマってないけど、これしか考えてきてないので(笑)。

――お互いの声については、どう思っていますか?

昴生:おとんも含め、僕ら兄弟の声は、めっちゃ似てると言われるんです。家でおかんの友達からの電話を取って、おとんと間違われたり、亜生の友達からタメ口でしゃべられたりするので。
なおさら、なんで『ライオン・キング』は俺であかんかったんやろと。

亜生:それは見た目やないですか?

昴生:めっちゃハッキリ言うな。

――昴生さんのほうが声に勢いがあるからか、トークを聞いていると違うように感じていました。

昴生:僕がずっとワーッと言っていく感じですが、実はガヤを言っているのは亜生のほうです。でも、声質が似ているから、僕が言ってると思われてしまう。口を滑らしていらんことを言うのは亜生なんですけど、僕の発言だと勘違いされて奥さんから「あんたまた、こんなん言ってたな」と叱られるので、めっちゃ損してます。

――似ている声でコンビとしてプラスだなと感じることは?

亜生:やっぱり兄弟って不思議なもんで、突然合ったりするんです。思っていることが一緒で思っている言葉も一緒なので、パーンって重なることが多々あります。
そして、同じような声だから聞き心地いいというのはあるかもしれません。

――兄弟ならではのあうんの呼吸と声ですね。

昴生:あるかもしれないですね。

亜生:わかりますもん。お互い何を考えているか。

――性格は、お二人違う印象ですが。

昴生:兄弟なので、親はやっぱり長男の僕を頼りにしているところはすごくあります。亜生は末っ子気質で頼りないので。
スケジュールも自分で管理できません。

亜生:僕は自分で何もできんくせに、ほっといてほしいタイプ。一番面倒くさいタイプです。

昴生:今日も途中休憩で、「アイスコーヒーなかったら取材受けへん」と言い出して。

亜生:ここ、ハーゲンダッツも用意してくれなかったんで。

昴生:おい! ボケをボケで受けたらあかんて(笑)。ほんまやと思われるから。こういうカバーを僕がせなあかんので、じゃまくさいんです(笑)

――なるほど(笑)。
昴生さんがいつもカバーされているわけですね。

亜生:僕のことを全部カバーしてくれるので、相方がお兄ちゃんで良かったなと。ほかの芸人さんが「え? なに、言ってるの?」というようなことも、お兄ちゃんがわかって、ツッコんでくれるので、ありがたいです。

●俳優・声優への挑戦はお笑いに「プラスになる」

――2012年にデビューされたお二人ですが、8年経ってなにか変わった点はありますか?

昴生:前はほんまにずっと一緒で、よくごはんにも行ったりもしましたが、最近はあまり行かなくなりました。

亜生:寂しいです。

――それは、昴生さんが結婚されたからですか?

昴生:結婚とかではなく、仕事でずっと一緒なので、1人1人の時間がないとラジオでトークする時など、話のネタがなくなるんです。だから、最近はある程度、線を引くようにはしてます。楽屋で、ほんまは話したいことがあっても、そういう理由でだんまりを決め込む時があるんですが、スタッフさんから、喧嘩してるんかなと思われて、気を遣われることもあります(苦笑)。――ちなみに、本気で喧嘩することもありますか?

2人:あります。

――そういう時、どちらから折れるんでしょうか?

亜生:折れるとかじゃなく、すんなり仲良くなれます。

昴生:たとえ喧嘩をしても、尾を引かないし、次の日まで引っ張ることはまずないです。そこは兄弟で良かったかなと。他人同士のコンビやと、そうはいかないと思いますが。「こいつはこういう人間やし」と、お互いに諦めてるのかなと(笑)。

亜生:言ってもしゃーないし(笑)

昴生:ただ、世間的には、僕のほうが楽屋で、屁をこいたり、ゲップをしたりするイメージがあると思いますが、まったく逆ですから。それだけは伝えたい!

亜生:え、どういうこと? 僕、おならとかしたことないですけど。

――最後に、お笑い以外の仕事をすることのメリットについて聞かせてください。

昴生:もちろん、俳優や声優のお仕事は、僕らにとってプラスになるとは思います。芸事には通じるところがあるし、いろんな経験をしたほうが身になると思うので。だから、呼んでもらったら行きますが、絶対に本業を忘れたらあかんなと。

亜生:やっぱり本業が声優の僕としては……。

昴生:違う! スタンス間違えてるから。

亜生:ヘイ、スタンス!

――亜生さんも、同じ思いでしょうか?

亜生:僕は、どっちもやっていいと思います。いろんなことを吸収できるし、それぞれにいい影響がありますし。

昴生:このあと、ラジオを録るんですが、『トロールズ』の話で1本いけますし。

亜生:いろんな人との巡り合わせがあって、本当にありがたいです。

■ミキ
2012年に結成した兄弟お笑いコンビ。ツッコミ担当の兄・昴生が1986年4月13日生まれ、ボケ担当の弟・亜生は、1988年7月22日生まれで、共に京都出身。『M-1グランプリ2017』3位、『M-1グランプリ2018』4位。また、2019年に「第54回上方漫才大賞」新人賞、2020年に「第5回上方漫才協会大賞」大賞を受賞。昴生は俳優として、TBS系ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(20)に出演、亜生は、実写版『ライオン・キング』(19)に声優として参加。

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