マルチOS対応モバイルキーボードやMircastアダプタも新登場 - 日本マイクロソフトの新春キャンペーン発表会
日本マイクロソフトは20日、「Office Premium」搭載PCの拡充と、Surfaceに関するキャンペーンの実施、そして新たなデバイス(周辺機器)を発表した。今回は各キャンペーン内容と新デバイス「Universal Mobile Keyboard」「Wireless Display Adapter」に関して報告する。
○9つのシナリオでOfficeのフル活用を提案
登壇した日本マイクロソフト 執行役 コンシューマー&パートナーグループ オフィスプレインストール事業統括本部長の宗像淳氏は、2014年10月にリリースしたOffice Premium搭載PCの反響について「アップグレードにお金がかからない点がうれしいなど、仕組みを理解している方には好評を得た。だが、より便利な使い方や目的を実現する具体的な方法が分からないという声も寄せられている」と述べた。
そこで日本マイクロソフトは、学生、社会人、ファミリーという3つのターゲットに対して、PCにそれほど詳しくないユーザー向けに、9つのシナリオを提案。「Office搭載パソコンで変わる新生活」と題した販売促進を行い、さらなるOffice搭載PCの販売台数向上を目指す。
例えば「学生」であれば、新学期をパワフルに迎えるため、講義内容のテキストや画像、音声といったデータをOneNoteに集約。そしてOneDrive経由で共有すれば効率的に講義をまとめられると宗像氏は語る。
その他にもスマートフォンで撮影した画像をOneDriveに保存し、撮りためた写真をPowerPointのテンプレートを使ってフォトムービー作成や、フリーハンドによるメモやイラストの保存といったシナリオも説明した。宗像氏の説明によると学生の間でOneNoteの利用はさほど多くなく、使い方や応用例を提案すると驚く学生も少なくないという。
●社会人やファミリー、Officeをどう使うと便利?
「社会人」なら、外出先で仕事をする機会も多い(職種にもよるが)。そこでOneNoteの撮影機能と、マルチデバイスで利用できる点を踏まえたシナリオを提案した。また、クリッピングを用いてカップル同士の情報共有や、結婚式の2次会といったライフイベント時もPowerPointでスライド作成し、情報共有にSkypeのグループ通話を使うと便利だとアピール。宗像氏は販売店やユーザーの声に耳を傾けるほど、「具体的な提案が重要であることが分かった。だからこそ今回のシナリオ提案に至っている」と説明した。
そして「ファミリー」。
Office Premium搭載PCを買うと、OneDriveの容量が1TBに増える点や、Officeが自動バージョンアップされる点を踏まえつつ、撮りためた写真を使ってフォトムービーの作成シナリオを提案。さらに家族旅行のアジェンダ作成シナリオや、Skype同士の無料通話と固定電話(海外は固定&携帯電話)に対して毎月60分間無料であることをアピール。宗像氏は「そもそもTBという単位やクラウドを理解していないエンドユーザーが多く、そのまま説明しても呪文のようになってしまう。この点を重視して顧客対応しなければならない」と述べつつ、テクニカルサポートを何度でも受けられる点も強調した。
これらのシナリオで提案したテンプレートは、日本マイクロソフトのWebページ「楽しもうOfficeライフ」からダウンロード可能。昨年(2014年)末の時点で約715万ページビューに達し、年賀状用テンプレートも60万本のダウンロードを数えたことに対して、宗像氏は「数千万枚の年賀状がPowerPointで作られたことになって喜んでいる」と述べつつ、「楽しもうOfficeライフ」色々な使い方を見付けて欲しいと語った。なお、2015年2月20日から同年4月19日の間「Office 365 Solo」購入者に対して、3,000円をキャッシュバックするキャンペーンも実施する。
●モバイルキーボードとMircastの新モデル
○持ち歩きたいモバイルキーボード、プレゼンに使えるワイヤレスアダプタ
次に登壇した日本マイクロソフト Surface&PCハードウェア戦略本部長 三野達也氏はまず、「Surface Pro 3」が2-in-1デバイスとして広くエンドユーザーに受け入れられた点をアピールした。
同社の独自調査によれば、デバイス性能や起動&シャットダウンの速さなどが評価され、全体の満足度は91.9パーセントに達したという。三野氏は「街中でもSurfaceを使っている方を見かけるようになり、認知度も高まったように感じる」と述べた。
なお上図の折れ線グラフは、Surface Pro 3の販売累計台数をイメージ化したもので、具体的な数字は明らかにしていない。だが、より幅広いユーザーに受け入れてもらうためのIntel Core i3モデルの追加や、Surface Pro 3 Type Coverプレゼントキャンペーンのタイミングで上昇していることが見て取れるはずだ。
この勢いを加速させるため、本日(2015年2月20日)から4月5日まで、学生向けに10,000のキャッシュバックを行う「Surface学割キャンペーン」と、2014年末同様の「Surface Pro 3専用キーボードをプレゼント」を実施する。ちなみに2014年末のキャンペーンでは、Surface Pro 3 Type Cover赤色モデルが品薄になり、出荷を一時停止している状態だが、この点はいまだ改善されていない。三野氏は「現在、再提供を行うため準備中」と述べ、購入時に選択できる配色は限られる。
そして新デバイス「Universal Mobile Keyboard」の説明が行われた。
形状や名称からも分かるように、持ち運びを前提にしたモバイルキーボードだ。Bluetoothによって、Windows 8やiOS、Android搭載デバイスで接続し、カバー(取り外し可能)の溝部分にデバイスを立て掛けるように使用する。
最大3台までの同時接続を可能にしており、本体右側にあるスイッチを切り替えることで、各OSで異なるキーボードレイアウトに対応する仕組みだ。また下図のとおり、キーボードレイアウトは日本語配列のみで英語配列の販売は予定されていない。
もう1つの「Wireless Display Adapter」は、ワイヤレスディスプレイ規格であるMiracastを使用し、HDMI入力端子を備えたTVに接続することで、タブレットやスマートフォンの画面をワイヤレスで表示するデバイスだ。なお、USBは給電のみに用いるが、HDMI入力端子とUSBポートが離れている場合を想定し、180ミリメートルのHDMI拡張ケーブルが付属する。
会場ではWireless Display Adapterを使ったデモンストレーションも行われたが、接続までに少々の時間を要した。MiracastはWi-Fi Direct経由で接続するため、ネットワークデバイスが多数ある状態で混雑していたのだろう。
最終的にはWindows 8.1の画面が大型ディスプレイに映し出され、リビングのTVで動画や写真鑑賞、職場のプロジェクターでプレゼンテーションといった用途に利用できるとアピールした。今回のキャンペーンは特設サイト「新生活応援! 春トク情報特集」で確認できる。
阿久津良和(Cactus)