くらし情報『翼なき翼、宇宙を飛ぶ - 欧州の再使用型宇宙往還実験機「IXV」 (1) 初めて宇宙を飛んだリフティング・ボディ機』

2015年2月23日 10:51

翼なき翼、宇宙を飛ぶ - 欧州の再使用型宇宙往還実験機「IXV」 (1) 初めて宇宙を飛んだリフティング・ボディ機

翼なき翼、宇宙を飛ぶ - 欧州の再使用型宇宙往還実験機「IXV」 (1) 初めて宇宙を飛んだリフティング・ボディ機
2015年2月11日、欧州宇宙機関(ESA)は、再使用型宇宙往還実験機「IXV」の飛行試験に成功した。IXVは「リフティング・ボディ」と呼ばれる、胴体そのものが翼のような役目を果たす形をしており、未来の欧州のロケットや宇宙機の開発にとって重要なデータを集めた。

IXVの飛行時間はわずか100分ほどであったが、欧州の宇宙開発の未来にとっても、そしてリフティング・ボディという「翼なき翼」の歴史にとっても、新たな章を刻むものとなった。

○翼なき翼、リフティング・ボディ

人類は古来より、鳥のように空を飛ぶことを夢見てきた。オットー・リリエンタールやライト兄弟がその夢を叶え、続いてその手が宇宙へと伸ばされたとき、しかし宇宙飛行において翼は必ずしも必要ではないことを知った。けれども、宇宙空間から地上のある一点を狙って着陸することを考えたとき、翼は依然として魅力的であり続けた。スペースシャトルなどが軒並み大きな翼を持っているのはそうした理由がある。

だが、打ち上げや宇宙空間を飛行する際には、翼は役に立たず、単なる重荷でしかない。
また宇宙船が大気圏に再突入する際、その速度は極超音速の、とてつもないものになるが、そのとき翼は大きな抵抗となり、また高熱からその翼をどうやって防護するかは難しい問題であった。

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