スイーツ界にも“癒やし系ゆるキャラ”が進出!? イマドキのスイーツ男子事情
○“抹茶味”がスイーツ男子の裾野を広げたかもしれません
――スイーツ男子という言葉が定着していますが、どんな商品が男性に人気でしょうか?
モンテール:弊社では「普段どんなスイーツを買っているのか?」という調査を2007年から行っています。そのデータによると、女性より男性のほうがよく購入する商品として「エクレア」が挙げられます。2014年は「エクレアをよく買う」と答えた女性が約4割だったのに対し、男性はそれを4ポイント以上も上回った数値となりました。スイーツという特性上、男性が女性を上回る数値は少ないのですが、もしかしたらチョコレートがかかっていることで“ビターな味わい”を求めている男性の支持が高いのかもしれません。
――男性に受けている“味わい”の傾向はありますか?
モンテール:ここ数年際立っているのが、「抹茶」フレーバーの人気です。特に10~20代の若い層からの人気が高まっている傾向にあります。多くの世代で人気ナンバー1は「チョコレート」、人気ナンバー2が「バニラ」なのですが、10代では「抹茶」が2位になっています。20代では「チョコレート」「バニラ」「抹茶」の順で人気が集まっています。理由については明確になっていませんが、コーヒー専門店などで「抹茶」フレーバーのラテなどが飲まれていることが少なからず影響しているのかもしれません(笑)。
――男性の取り込みに向けた商品開発はしておりますか?
モンテール:詳しくは企業秘密なので申し上げられませんが、取り組みは行っています。ただ、既存の商品については男性・女性向けを意識させない中性的なパッケージデザインを採用し、男性でもレジに持って行きやすいように配慮しています。また、味に関してですが、面白い経験があります。
実は弊社で“野菜も摂れる少し塩味の効いたスイーツ”を開発したことがあるのですが、男性の受けはまったくダメでした。女性からは“栄養バランス”について一定の評価が得られたのですが、男性からの支持は皆無でした。男性のほうが「スイーツは甘いもので、栄養バランスは求めない」という意識が強いのかもしれません。
――メーカーからみて最近のスイーツ男子に何か変化はありますか?
モンテール:自分でスイーツ作りを楽しんでいる方が増えているように思われます。しかも、スイーツを作って食べるだけでなく、工程や完成品をSNSに掲載して拡散させている方が目立ち始めました。実は弊社の男性社員の中にも、バレンタインのお返しにスイーツを自作して持ってくる人がいて、女性社員はその姿に妙に癒やされています(笑)。
――御社では“シュークリーム先輩”というキャラクターの動画を公開されてますが、そうした癒やし系スイーツ男子がキャラのヒントになったのですか?
モンテール:実はそうなのです(笑)。10年前から「毎月19日はシュークリームの日」と制定させていただいているのですが、今年1月19日に制定10周年の記念施策の一環として「シュークリーム先輩 SWEET MOVIE」という動画を公開させていただきました。
もともと弊社には“シュークリーム先輩”という“ゆるいキャラ”がいたのですが、これを最近増えてきた“スイーツ男子”に見立てましょうという企画です。そして、動画公開に先立ち、シュークリーム先輩のWEB動画限定の声優を決める「ええ声グランプリ」も開催させていただきました。プロの声優の方や弊社社員など5人の中からウェブで投票してもらった結果、声優の近藤孝行さんに担当していただくことになりました。33万票を超える投票数となったことを考えると、多くの方に動画を楽しんでいただいたかと思います。女性からみると“胸がキュン”とする内容になっていますし、男性からみると“できるスイーツ男子”の参考になるかもしれません(笑)。
○シュークリーム先輩の中の人、声優・近藤孝行さんに聞いてみた
●シュークリーム先輩に選ばれた際のお気持ちは?
シュークリームに声をあてた経験がこれまで無かったので「これから何が起こるんだろう!?」という何とも得体の知れないワクワク感はありました(笑)。未知との遭遇ですね。でもこういったシャレの利いた試みはとても好きなので、楽しみな仕事をいただいてありがたいですね。
●シュークリーム先輩を演じるにあたって気をつけたことはありますか?
完全なるアニメーションだったら可愛く演じる事も出来るんですけど、実写な上に首から下が非常に生っぽいので(笑)。外画(洋画)のハンサムな俳優さんに声をあてる様な気持ちで演じさせてもらいました。
――もうすぐホワイトデーを迎えますが、どんなスイーツを贈るとよろこばれるのか、アドバイスはありますか?
モンテール:いろいろとアレンジしてみてはいかがでしょうか? たとえば市販のシュークリームやエクレアなどをパッケージのままわたすのではなく、お皿に盛りつけてみると印象が変わります。フルーツやジャムなどで彩りを加えてみるとさらによいでしょう。デコレートを考えることで、相手にもよろこばれますし、“モテ度”もアップするのでは(笑)。奥さまやお子さま、同僚の女性の方々に日頃の感謝をこめて、デコレーションスイーツを贈ってみましょう。
――ありがとうございました!