エドワード・ヴァン・ヘイレン、がんにて死去。これまでこんな音、聞いたことなかったよ……
ヴァン・ヘイレンを初めて聞いたのは、1978年、もうすぐ春休みになるころの中学1年生だった。ラジオから流れたユー・リアリー・ガット・ミーはAMのしょぼいラジオでも、今まで聞いたことのない並外れたディストーションのギターサウンドだった。デビューしたばかりのバンドという紹介だった。
当時、ストラトの安物コピーモデルとMaxonのD&S IIを持っていたが、セミの鳴き声みたいな音しか出せなかった。一体何を使ったらこんな荒々しくもクリアなサウンドが出せるのだろう? と鳥肌が立った。
次の日、学校が終るとその足で秋葉原の石丸電気に出向き、ヴァン・ヘイレンのデビューアルバム「炎の導火線」を買った。僕は当時、「レコードを買うなら石丸」と決めていた。今では当たり前だが、レコードを買うと10%分程度のレコードポイント券がもらえたのだ。
そんなサービス、まだどこもやってなかった。それにLPを1枚買うと、レジカウンターの上に並んでいるポスターが1枚と、なぜか明治ミルクチョコレートも1枚もらえた。考えてみたらLP1枚買うのに電車賃をかけて得なのか損なのかわからないが、正月明けにお年玉を携えて、5枚くらい一気にLPを買うのが何よりも楽しみだった。