厳しい日本のふところ事情~「財政健全化」が急務に
こうした国の予算などを見るにあたって、「兆円」という数字はあまりに大きく実感に乏しいため、下表で、政府予算を一般の家計に例えてみました。なお、下文の( )内は政府予算の該当部分を示します。
家計の年収を360万円と仮定すると、月々の給与(税収+税外収入)は30万円となります。家計(政府予算)における1カ月の生活費(一般歳出)は、通院・薬代、祖父母への給付(社会保障)のほか、教育費(文教および科学振興)、家の修理代(公共事業)などもかかるため、合計で31万円が必要です。既に、この時点で家計は赤字ですが、その他にも、田舎への仕送り(地方交付税交付金)に9万円、ローン元利金返済(国債費)に13万円を充てなければならず、結局、足りないお金23万円を新たな借金(国債発行)で賄わなくてはなりません。従来のローン返済を行なう一方で、その返済額の2倍近くの新しい借金をしなくてはならないうえ、こうした状況が長い間続いていることから、借金残高は年々増加し、現在ではローン(借入)残高が約5,143万円にのぼる事態となっています。
これまでのところ、国債発行による政府の資金調達に大きな支障は生じていませんが、昨年12月に大手格付会社が日本国債の格付を1段階引き下げています。家計に置き換えた例でもわかるとおり、赤字体質が解消されずに借金の累積が今後も続けば、日本の財政に対する信頼性がさらに低下する可能性があります。世界経済を揺るがす事態に発展した欧州債務問題が、対岸の火事とは言えない財政状況にあるとみられる日本は、財政健全化に向けた抜本的な取り組みが急務といえ、今後成立する2015年度政府予算に注目が集まります。
(※上記は2014年度政府予算をシンプルに解説することを目的としたものです。)
(2015年2月26日 日興アセットマネジメント作成)
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