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LED照明の進化を感じたライティングフェア2015 - 肌はキレイに、食べ物はウマそうに

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LED照明の進化を感じたライティングフェア2015 - 肌はキレイに、食べ物はウマそうに
●高演色タイプのLED照明
○Ra95のLED照明が家庭向けにも登場

東京ビックサイトで開催の「ライティングフェア2015」では、より忠実な光のLED照明が各社から展示されていた。ここでは、各社の高演色LED照明や、有機EL関連を紹介したい。

軽くおさらいすると、現在市販されている白色LEDの多くは、青色LEDに黄色の蛍光体を組み合わせた構造になっている。光の三原色であるRGB(赤・緑・青)のLEDを組み合わせるとコストが高くなるため、LED+蛍光体で実用化されたと考えてよい。

理科の授業でプリズム実験をしたことがあれば、太陽光が光の波長をまんべんなく含んでいることを覚えているだろうか。対して白色LEDの場合、光の波長分布がいびつな形となっている。屋内だと肌がくすんで見えるとか、食べ物がまずそうに見えるのも、この辺が1つの理由だ。

理想的な光(太陽光)と比較したとき、比較対象の光がどれくらい違うかを数字にした指標を、演色評価数という。
平均演色評価数(Ra)と、特殊演色評価数(Ri)が規定されている。理想は「Ra100」や「Ri100」だが、波長成分のズレによってマイナスされていく。例えばオフィスなら、Ra80以上が望ましいとされている。この演色性を重視したLED照明が、ライティングフェア2015の出展各社から登場していた。

○パナソニックの「美ルック」

パナソニックは4月から順次、「美ルック」のラインナップを拡充し、美ルックの新製品でRa95を実現する。今までの白色LEDよりも黄色成分を抑えつつ、波長の長い赤色成分を増やすことで、高演色にしたとのことだ。

○三菱電機はアパレル業界向け「彩明」や生鮮食品用「鮮明」をデモ

業務用途向けに、高演色LEDやシーン別のLED照明をアピールしているブースが散見された。そのひとつ、三菱電機のMyシリーズは、Ra95の高演色タイプを参考出品していたほか、アパレル業界向け「彩明」、生鮮食品用「鮮明」のデモ展示が興味深かった。


●東芝ライテック、太陽誘電、日立アプライアンスは?
東芝ライテックはRa95の「キレイ色-Pro-」を展示していたが、こちらも業務用途での展示のみだった。太陽誘電は高色帯域LCDディスプレイ向けとして、Ra90のLED部品を展示していた。LCDのカラーフィルターに合わせて、青色+緑/赤色蛍光体を採用している。

数値より見えやすさにこだわったのが、日立アプライアンスの「ラク見え」だ。こちらは青緑のLEDを採用することで、光の波長を幅広く含めるようにしている。また、ロームブースでは冷蔵ショーケース向けのライトを展示していた。

●有機ELも高寿命化、薄型を生かしたパネル化へ
○有機ELも高寿命化、薄型を生かしたパネル化へ

LEDと有機ELを比べたとき、高演色性では有機ELが勝るとされてきた。一方、寿命や効率でLEDに劣るため、まだ実用的とはいいにくい。
今回のライティングフェアでは、高寿命化への取り組み(4~5万時間となり実用レベル)や、使いやすさを追求するためのパネル・部品化の展示が見られた。

現在、有機ELの泣き所は、絶対的なパワーだ。出展社の一部からは、「有機ELも展示しているが、製品として利用するには明るさが足らないので、市販は当分できないかもしれない」という声があった。

○単に明るい、ハイパワーから質への変化

LED照明はこれまで、明るさや寿命をアピールしてきた。しかし、明るさは若干犠牲にしつつも「見え方」を変えたりと、市場の特性に合わせた高品質への移り変わりを感じた。演色性という数値は指標の1つだが、単にそれだけにはこだわらずに、キレイな明かりを選ぶために迷ってしまうような製品が増えてほしいものだ。

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