働く人々のうつ病率、日本は10%、韓国は7% ‐ 16カ国中1位は?
まず「うつ病の影響」について調査を実施。日本を含む16カ国において「うつ病と診断されたことがある人の割合」を調査したところ、「英国」が27%で最多となった。2位以下には「オーストラリア」「南アフリカ」(同率26%)、「トルコ」「米国」(同率23%)があがっている。日本は14位と他国に比べて低いものの、10人に1人がうつ病経験者ということが判明。16カ国中14カ国は10%を超えており、うつ病は国際的な問題であることがうかがえる。
アジアでは、韓国が15位で7%、中国は16位で6%となっている。
次に、日本のうつ病経験者に対して「うつ病が原因で仕事を休んだことがあるか」を聞くと、73%が「仕事を休んだことがある」と回答。また、休職した場合の平均休職期間は79日という結果となった。
続いて、日本のうつ病経験者を対象に「うつ病に関する認識」について調査を行った。まず「うつ病になっていた時、仕事中に通常よりも頻繁に起こした行動」を尋ねると、「単純な仕事を完了するのにいつもより時間がかかる」(43%)、「いつもよりミスが多くなる」(37%)が上位にあがった。このことから、自分のパフォーマンスが低下していることを実感している人が多いことがわかる。
「一般的にうつ病に関すると考えられる特徴や症状」については、「気分の落ち込み、悲しい気持ち(もの悲しさ)」と回答した人が73%で最多。次いで「睡眠障害、不眠症」(55%)、「日々の活動に対する関心の喪失」(53%)、「集中力の低下」(38%)、「理由もなく泣きだす」(37%)があがった。
一方で「物事を決められない」(17%)、「忘れっぽい」(8%)といった症状をあげた人は少ない傾向にある。
そこで「実際にうつ病になった時、どのような経験をしたか」を聞いたところ、「気分の落ち込み、悲しい気持ち(もの悲しさ)」(88%)、「睡眠障害、不眠症」(75%)、「日々の活動に対する関心の喪失」(73%)が上位を占めた。以降、「集中力の低下」(52%)、「体重や食欲の変化」(46%)、「物事を決められない」(36%)と続き、気分や身体的症状などさまざまな症状を経験していることがわかる。
最後に「うつ病への対応」について調査。16カ国において「同僚がうつ病だと知った時にした行動」を聞いたところ、「自分に何か役に立てることはないかと尋ねた」人は、日本では16%にとどまり、16カ国中最下位となった。逆に「何もしなかった」人の割合は日本が最多となり、40%にのぼっている。一方でメキシコでは、「何もしなかった」人はわずか4%なのに対し、「自分に何か役に立てることはないかと尋ねた」人は67%と積極的に対応していることがわかった。
また、各国の管理職に 「うつ病の社員に対して会社が行っている(行った)サポートを、全体的にどのように評価しているか」を質問。
その結果、日本では「非常に良い / かなり良い」と回答した管理職は21%にとどまり、16カ国の中で最も満足度が低い結果となった。