国がんなど、産学連携がんスクリーニングを始動- 個別化医療の実現目指す
同事業は、これまで実施してきた肺がんが対象の「LC-SCRUM-Japan(2013年開始)」および大腸がんが対象の「GI-SCREEN-Japan(2014年開始)」という2つの全国規模のゲノムスクリーニングネットワークを統合したもの。実施期間は2015年2月~2017年3月31日を予定しており、4500例の登録を目指す。現時点ではアステラス、協和発酵キリン、アストラゼネカなど計10社が契約を締結済みで、今後数社増える予定だという。また、医療機関側は全国で計200施設が参加する。
患者の検体からがんのドライバ遺伝子を特定し治療薬を分子レベルから検索するクリニカルシーケンシングでは、各遺伝子ごとに有効な治療薬を検索すると時間がかかる。同プロジェクトでは、米サーモフィッシャーサイエンティフィックが開発した「Oncomine Cancer Research Panel(OCP)」というマルチプレックス診断パネルを採用。OCPは140種以上の遺伝子を同時に解析できるほか、微量検体から解析することができるというメリットがある。
「SCRUM-Japan」では、全国の医療機関で収集した検体を遺伝子解析し、治療の標的となる特定の遺伝子に異常を持つがん患者を発見する。異常が発見された患者は対応する治療薬への臨床試験へ参加できる可能性もあり、新たな治療機会を得ることができる。
収集された患者の遺伝子情報と診療情報は、治療選択の参考として用いられるほか、匿名化された上でデータベース化され、今後のがん研究に活用されることになる。
今後、「SCRUM-Japan」を通じてマルチプレックス診断薬の臨床応用の実現や、有用な治療手段のない希少な遺伝子異常を持つ患者に新たな治療選択が提供可能となることが期待される。
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