「9割の分析はクロス集計で十分」 - 通販先駆者が明かす実践的データ活用術
○ブラックボックスの分析結果は信用できない
「私の経験からすると、現場でのデータ分析の9割はMicrosoft Excelなどで行えるシンプルなクロス分析だけで事足ります。ただし、残り1割については統計解析知識やマイニングツールなどを使わないといけないでしょう」──このような興味深い見解を述べるのは、通販専門のコンサルティング会社である千趣会マーケティングサポートの代表取締役、中山悦二郎氏だ。
中山氏は、今年で創業60周年を迎える通信販売の老舗、千趣会に1979年に入社。以来、カタログ企画制作や仕入、マーケティング、営業企画、顧客管理、そしてシステム企画など通販ビジネスのほとんどのセクションを経験するという経歴を有する。
特にマーケティングと情報システムに関しては、35年も前からマーケティングにITを活用したデータ分析を実践してきているのである。一方で、全従業員にSQL講習を受けさせ、さらにデータ分析の部内担当者をシスアドという人事制度にしたりした結果、業務におけるデータ活用の文化が定着してきたようだ。これもまた、中山氏が最初に手掛けたものなのだ。そんな同氏の言葉であるだけに、「クロス分析9割 : データマイニング1割」