あなたのiPhoneは5年間でどう変化しましたか? - AppBank宮下泰明氏(後編)
iPhoneの登場以来、ずっとiPhoneを使い続けているユーザーは多い。果たしてiPhoneの魅力とはどんなところにあるのだろうか? また5年前に使っていたころと比べ、どう変化しているのか。前編に続き、AppBankの宮下泰明氏に聞いてみた。
――Android端末は購入しましたか?
宮下:「Nexus 6」は買いたいと思いました。自分の仕事の興味範疇を広げてくれるデバイスがNexus 6だと思ったので。でも、僕は特にケータイに自由とかカスタマイズ性を求めていないので、そういうのがあると何かめんどくさいなあ、というイメージがまだAndroidにありまして。すごく買いたい。今も買いたい。
でもまだ買ってないです(笑)。
――iPhone 6や6 Plusは買わないのですか?
宮下:(iPhone 6/6 Plusに対し)変わり映えがしない、と思いましたね。Nexus 6は仕事の興味範疇を広げてくれる感じがするのですが、iPhone 6は5sに比べてそういうものを感じさせてくれなかったので、じゃ「買わない人間」というのをやった方が勉強になるかな、と考えて買っていないです。あと、iPhone 6がデカかったので、「そんなデカいのいらないよ」と(笑)。
――もし、Nexus 6を買ったとしたら、5sと両方使うんですか?
宮下:使わない使わない、2つもいらないもん(笑)。
――タブレットはお持ちですか?
宮下:持っていたけどあげました。
――あまり使っていなかった?
宮下:そんなに使っていなかったですね。僕自身、タブレットというのは始めから可能性を感じなかった。
「家にいるのが長い人向け」だなあ、と思いました。仕事や何かで「必要」とならない限り、もしくはよっぽど家でヒマじゃないかぎり使わないデバイスだなと。あとはお店やレストランの業務用端末としては優秀なので、店員に持たせてみたいな、とは思います。
目的がハッキリしない端末だと思っていたのですが、売り出すときに「可能性は無限大です」と煽りすぎちゃったのでは。iPhoneのときのように「携帯電話です」って定義していないから。
――「Apple Watch」は買いたいと思いますか?
宮下:出てこないとわからないですけど、基本的に可能性を僕は全く感じていませんね。「Apple Watch」ってアクセサリーですよね。iPhoneは携帯電話にくっついた実用品じゃないですか。
でも、AppleWatchは実用品ではないから。iPodのような存在になれるかというと、昔は音楽が強かったからよかったけど。アクセサリーっていうものが人の時間に溶け込めるかどうか。
●宮下氏が考えるiPhoneに搭載されて欲しい機能は?
○データ圧縮技術の向上に期待
――iPhoneの気になる機能ってありますか?
宮下:「Apple Pay」はすごくいいことですね。手数料がかかっていない、取りっぱぐれがないという点でも。あと、アカウントもそのまま使えるのも。ただ、それが日本で受け入れられるかどうか、というとアップルの営業の仕方では無理だと思うのですが。
――この5年間、iPhoneは世代交代していますが、その中で何か「変わった」と思うところはありますか?
宮下:OSとしてはやっぱり複雑になってきたなぁ、と思います。
「競争の中で揉まれてきたから複雑になってきた」と感じることがあって。それがいいのか悪いのか、と言ったら別に困ってはいないし、そんなに不安定じゃないのでいいんですけど。
あと、通信ですね。5sに買い替えたときに、auだと安いからって乗りかえたら、すごくつながってなおかつ早くなった。すぐにデータ容量がいっぱいになってしまいまして。そういう意味では通信っていうのは非常に改善されたんだな、って感じましたね。
――この先、iPhoneがどうなっていくと思いますか?
宮下:いろんな経線が短くなるんじゃないですかね。今の機能ですらも、手順が1個減るだけでぜんぜん話が変わるから。
あ、そうだ! データ圧縮が出てくるといいですね。YouTubeがやってたじゃないですか。1個のライブを複数のカメラで撮ってアングルを選択できる、というのが。それがいいことかどうかは分からないけど、データ圧縮技術が伸びると表現力が上がるという点ではいいかもしれないですね。
○「パズドラ」の登場でAppBankに「マックスむらい」が誕生
――最後に、この5年の間にAppBankはどう変わりましたか?
宮下:トラフィックは5~10倍くらいに増えましたね。2012年の2月に「パズドラ」が出たおかげでそこから一気に大きくなって、Androidユーザーも見てくれるサイトになりました。また、「モンスターストライク」も人気になったことで「マックスむらい」も生まれましたし。
その一方、「YouTube」の存在があったり「おさがりスマホ」が登場したことで、子供にスマートフォンを使う時間を与えられたわけじゃないですか。
みんな、「YouTube」を見るようになって。
お客さんがスマホを通じて何を楽しむのか、というのが変わったと僕は思います。お客さんがAppBankを楽しむといったときに、ただの情報サイトとかただのゲームのサイトとかじゃなく、マックスむらいという人を楽しもうとか、動画として楽しもうというのが増えてきましたね。
AppBank Storeに行くってことも、モノを買いに行くってことじゃなくて、AppBank Storeに行こうって気持ちで来てくれるようになったのですが、ストアに来て、「ああ、あのとき見たヤツだな、買おう」って思ってくれる関係性が作れたのは、「ちゃんと商売やれてこれたんだな」と思います。その点が良かったですね。
本稿は、2015年2月16日に行った取材をもとに作成しています。