東北大とアルプス電気、高性能な軟磁性粉を開発し圧粉コアの試作に成功
東北大学とアルプス電気は、東北大学BIP(ビジネス・インキュベーション・プログラム)により「ヘテロアモルファス材料の開発・実用化」プロジェクトを進めてきており、今回、高飽和磁束密度と低損失を兼備した革新的軟磁性粉(アモルファス粉)の開発に成功したと発表した。
各種電気機器の省エネルギー化の観点から、軟磁性材料は重要な材料の1つであり、特に比較的小型の電子部品においては、金属ガラス、Fe基アモルファスなどの粉末軟磁性材料から、種々の形状に加工された圧粉コアが使用されている。しかし、これら材料は飽和磁束密度が1.3~1.4T程度と低いため、小型化や大電流対応などに限界があった。
今回、東北大とアルプス電気が開発したアモルファス材料は、従来のアモルファス粉よりも飽和磁束密度とコアロスを20~25%向上したものとなる。鉄粉なみの飽和磁束密度≒1.6(T)で、金属ガラス並みの低コアロス<500(kw/m3@100kHz、100mT)の性能を有することを確認したとする。
さらに同材料は、水アトマイズ法(急冷速度104~105K/sオーダー)よりも冷却速度の遅いガスアトマイズ法(急冷速度103~104K/sオーダー)