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お部屋探し広告の「これだけはチェックしたいポイント10」_ 前編

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お部屋探し広告の「これだけはチェックしたいポイント10」_ 前編
お部屋探し専用のウェブサイトや、不動産会社に並ぶぼう大な量の入居者募集広告。「駅から徒歩5分と書いてあるけれど、実際に歩くと8分はかかった」という話をよく耳にします。

そこで、ここはしっかりチェックしておこう、というポイントについて、「快適で安全な一人暮らし」をテーマに活躍する不動産アドバイザーで宅地建物取引主任者の穂積啓子さんにお話を伺いました。

■お金に関することと、それ以外の条件を分けて整理する

「広告をチェックする段階では、部屋の写真と家賃だけに目が行って、細かいところを見落としていることがよくあります。

<お金以外の、部屋の条件に関すること>

お金に関する『家賃、管理費・共益費、敷金、礼金、仲介手数料、更新料』についてと、それ以外の部屋の条件について分けて考えると整理しやすくなります」と言う穂積さんは、後者について次の10のチェック項目を挙げます。

1)部屋の所在地
2)交通の沿線・最寄り駅(バス停)・駅(バス停)からの所要時間
3)間取り・部屋の数
4)面積・部屋の広さ
5)方角
6)築年月
7)建物の種類・構造
8)設備
9) 貸主が提示する入居の条件
10)入居時期

ここでは、これらについて教えていただきましょう。

1)部屋の所在地――住所は番地まで正確に分かる?

穂積さん:番地まで掲載がある場合と、東京都渋谷区○1丁目など、途中までしか表記がない広告があります。

番地まで明記している広告なら、部屋の条件や、掲載している不動産屋への信頼度が高まります。
いわゆる「おとり物件」ではなくて、実在していることが明らかだからです。

地域密着型で営業年数が古い不動産屋では、番地まで掲載する広告を見つけやすい傾向にあります。チェーン店の仲介業者やウェブサイト、新聞チラシなどに入る広告では、番地が書いていないことが多いでしょう。

部屋を探す人にとっては、当然、番地まで分かるほうが検討しやすくなりますし、そのエリアを知っている場合は、住所を見るだけで周囲の環境を察知できるでしょう。

地図を見慣れていない人は、○丁目であっても、番地が違うと交通の沿線が変わって通勤や通学に乗り換えが必要になった、スーパーが遠くなった、子どもの通学距離がかなり違ったという例があります。早とちりしないようにしましょう。

部屋の住所は、不動産屋に確認すべき一番の条件であると覚えておきましょう。

2)交通の沿線・最寄り駅(バス停)・駅(バス停)からの所要時間
――「駅から徒歩5分」って本当?

穂積さん:東急電鉄渋谷駅から徒歩○分、JR山手線上野駅バス停から徒歩11分などと、物件への交通情報はたいてい明記されています。


しかしながら、ご質問のとおり、最も注意するべきは、「駅やバス停から徒歩○分」という表記です。

徒歩の所要時間については、「80メートルを1分」とし、端数は切り上げて表記するのが一般的です。例えば、駅から部屋まで875メートルであれば、875÷80=10.9…となるので、11分と表します。

ただしこれは、駅からマンションの玄関までの最短距離を、単純に地図上の道のりだけで測った数字です。例えば、駅の出口が北側にあり、「家は線路の南側で駅をう回しなくてはならない」ときの距離は含まれていないことが多いのです。

ましてや、マンションの玄関から自分の部屋までのエレベーターや階段での移動距離や、地上から地下鉄のホームまで降りる距離は計上されていません。

また、実際に歩くと、信号がいくつかあって赤信号で停まる、車や人が多くて道路が混み合う、傾斜がある坂道なら分速60メートルぐらいになることもあります。

よって、実際は、「駅から徒歩○分」という広告表記の2~4割ぐらいは多く時間がかかると予想しておきましょう。
何より、「駅のホームから自分の部屋のドアまで」を自分の足で歩いて、時計を見てきっちり測ることが重要です。

――「新宿から○電鉄で12分」って、どこからどこのこと?

穂積さん:「都会の中心地に近いですよ」というPRのために、そのような表記をすることがあります。一般的にこれは、「電車の乗車時間のみ」を表し、物件の最寄り駅から新宿駅まで、最短の乗車時間が○分という具合です。

「部屋から新宿駅の西口改札を出て会社まで、ドアツードアなら何分かかるか」と、自分の足で移動するのが確かですが、まずは広告で部屋の候補をしぼりこみたい場合は、インターネット上の地図などで距離や所要時間を自分で調べて算出するようにしましょう。

3)間取り・部屋の数――2LDKとは部屋の数はいくつ?

穂積さん:2LDKも2DKも、部屋の総数は3つです。「K」はキッチン、「DK」はダイニングキッチン、「LDK」はリビングダイニングキッチンのことで、「2LDKは、2つの部屋プラスLDKがある間取り」を指します。

――DKとLDKの広さの線引きはあるのですか?

穂積さん:それぞれの広さは、法律で定義や表記の決まりがあるわけではなく、不動産会社、ウェブサイトなどが独自で規定をつくって掲載しています。

目安として「K」は2帖前後、「DK」は約4.5~7帖、「LDK」は8帖以上が一般的です。


「1K」という、ワンルームプラス廊下にキッチンがあるタイプでは、K=キッチンがかなり狭いということがあります。内見のときに、「料理する、洗い物をする場合に、日常の動作で壁に手や頭をぶつけたりしないか」を確認しましょう。

4番目以降のチェック項目は、後編に続きます。

監修:穂積啓子氏

「安全で快適な一人暮らし」、「女性の安全な暮らし」をテーマとして活動する不動産アドバイザー。宅地建物取引主任者。その活躍ぶりは、コミックエッセイ『不動産屋は見た!~部屋探しのマル秘テク、教えます』(原作・文:朝日奈ゆか、漫画:東條さち子東京書籍1,155円)に描かれました。同書の主人公「善良なる大阪の不動産屋さん」は、穂積氏がモデルです。

(藤井空/ユンブル)

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