ミキティも絶賛の未来感たっぷりシューズ型デバイス「FUMM」とは? - 子どもは楽しく、親は安心
au未来研究所は30日、ニューバランス ジャパンの協力を得て開発した、子ども向けのセンサー搭載シューズ「FUMM(フーム)」を発表した。スマートフォンとBluetoothで連携することで、利用者の安心や安全を実現する。FUMMはコンセプトモデルで、現段階における商品化の予定は未定。都内では記者説明会が開催された。記者説明会には1児の母でタレントの藤本美貴さんも出席、保護者目線でFUMMの魅力を語った。
○動きのほか地面の色も検知
FUMMは、加速度、気圧、カラー、感圧の4種類のセンサーを搭載するシューズ。スマートフォンとはBluetoothで連携する。歩く、ジャンプ、階段の昇り降りといった動きを感知できるほか、踏んでいる地面の色なども識別可能。
記者説明会では子どもが安全に遊べる運動シューズとしての使い方が紹介されたが、将来的には家電製品との連携や、お年寄り・身体の不自由な方の歩行を支援するシューズとしての展開も視野に入れているという。
au未来研究所は、KDDI研究所の付帯組織として設立したオープンラボラトリー。“スマホの次”を作ることを目指し、ハッカソンやオンラインディスカッションを定期的に開催している。2014年度は衣、食、住それぞれのカテゴリーで合計15種類のプロトタイプを開発。その中から選ばれたコンセプトモデルがFUMMだ。
●将来的には目の不自由な方にも
○FUMMを活用した様々な展開に期待
記者説明会に登壇したKDDI 宣伝部 担当部長の塚本陽一氏は「靴型のウェアラブルデバイスだからこそ実現できる領域、分野に挑戦していきたい」と話す。例えば、FUMMの搭載センサーが地面の柄に反応することで、スマートフォンからナレーションが再生される。これを点字ブロックのように使えば、目の不自由な方の歩行支援として活用できる。
またGPSと連動したFUMMを子どもが履けば、歩いている位置や速度が分かる。これを車道を走るドライバーにリアルタイムで伝えれば、交通事故の防止に役立つ。帰宅時には、玄関でFUMMを踏み鳴らすことで、家の電気をつけたり、ドアの鍵を開け閉めするといった使い方ができる。このように、FUMMをキーデバイスとした様々な展開が期待されている。開発に協力したニューバランス ジャパンのブランドコミュニケーションチーム 小澤真琴氏は「弊社では昨年から、子どもたちに“身体を動かすことを通じて健康になってほしい”という願いを込めた活動を展開している。そんな折に、今回の話をいただいた。シューズだけでは実現できないことが実現できるのでは、と期待している」とコメント。グローバルで展開するニューバランス社だが、通信事業者と協力した取り組みは、おそらく今回が初めてとのことだった。
●ゾウを踏んだら「パオーン」、ライオンを踏んだら「ガオー」
○保護者目線からミキティも絶賛
記者説明会には特別ゲストとして、1児の母であるタレントの藤本美貴さんが招かれた。FUMMについて聞かれると、「子ども次第で、遊び方が工夫できるのが素晴らしい。子どもの想像力も、もっと豊かになるのでは。大人の目線で考えると、子どもの居場所が分かることで安心感が得られる。大きいスーパーで、どこにいるの?と大声を出さなくても済むようになる」とコメント。
また、「いますぐ販売して欲しい」と塚本氏に笑顔で訴えていた。なお気になる今後の商品化についてだが、塚本氏によれば「まずは反響を見たい」とのこと。多数の要望があれば、商品化に動き出す考えだという。
舞台上ではFUMMを利用した遊び方の一例として「動物ジャンプ」のデモが紹介された。これはシートに描かれた動物のシルエットの上に両足で着地すると、色に応じてスマートフォンから動物の鳴き声が聞こえるというもの。例えば青色のゾウの上に着地すると「パオーン」、黄色のライオンの上に着地すると「ガオー」という鳴き声がスマホから再生される。これは両足の感圧センサー、および色認識のカラーセンサーを利用している。
記者説明会後、塚本氏は記者団の囲み取材に応じた。子どもの場合、成長に合わせて靴のサイズも変わる。長く使うために、FUMMをアタッチメント化する考えは、という質問に塚本氏は「製品化する際には、その課題も解決していきたい」と回答。このほか、解決すべき課題として防水性、耐衝撃性なども挙げた。